凱旋門賞、そしてブリーダーズカップが終了すると、ジャパンカップや年末の総決算有馬記念、日本勢の活躍目覚ましい香港国際競走など、2016年の日本競馬シーズンも残すところあとわずかと感じるのではないでしょうか。
ですが、それはあくまで日本競馬から世界を見渡した際の話です。
実はオーストラリア西地区の競馬は、これからがシーズンスタートとなります。世界規模でみれば「競馬にオフシーズンはない」といえるでしょう。
今回は、そんなオーストラリア西地区のシーズン最初のG1レースで日本時間の19日午後6時発送予定の「レイルウェイステークス」(海外G1、1600㍍・芝)と、日本より秋のマイル王決定戦「マイルチャンピオンシップ」(G1、1600㍍・芝)の2レースをご紹介します。
マイルチャンピオンシップ2016
【マイルチャンピオンシップ2016枠順】※18日午前9時更新
1-1 ディサイファ(牡7、武豊・小島太)
1-2 サトノアラジン(牡5、川田将雅・池江泰寿)
2-3 スノードラゴン(牡8、大野拓弥・高木登)
2-4 ロードクエスト(牡3、池添謙一・小島茂之)
3-5 ヤングマンパワー(牡4、M.バルザローナ・手塚貴久)
3-6 ダノンシャーク(牡8、松山弘平・大久保龍志)
4-7 フィエロ(牡7、戸崎圭太・藤原英昭)
4-8 イスラボニータ(牡5、C.ルメール・栗田博憲)
5-9 サトノルパン(牡5、M.デムーロ・村山明)
5-10 マジックタイム(牝5、A.シュタルケ・中川公成)
6-11 テイエムタイホー(牡7、幸英明・鈴木孝志)
6-12 ウインプリメーラ(牝6、A.アッゼニ・大久保龍志)
7-13 ダコール(牡8、小牧太・中竹和也)
7-14 クラレント(牡7、岩田康誠・橋口慎介)
7-15 ネオリアリズム(牡5、R.ムーア・堀宣行)
8-16 ミッキーアイル(牡5、浜中俊・音無秀孝)
8-17 ガリバルディ(牡5、福永祐一・藤原英昭)
8-18 サンライズメジャー(牡7、四位洋文・浜田多実雄)
春の安田記念(G1、1600㍍・芝)と並び、日本における最強マイラー決定戦であるマイルチャンピオンシップが11月20日午後3時40分から京都競馬場で行われます。
昨年は、今年の天皇賞・秋(G1、2000㍍・芝)を制したモーリスが最後の直線を別次元の脚色で駆け抜け、圧倒的な強さを見せつけての戴冠となりました。
【マイルチャンピオンシップ2015(勝ち馬:モーリス)】
近年ではマイル路線で活躍した馬が、マイルチャンピオンシップではなく秋シーズンは中距離路線へのチャレンジの敢行や、香港国際競走への参戦するケースも多くなりました。
今年も、昨年の本レースの覇者にしてマイル路線における絶対的な中心であったモーリスが今秋より中距離路線へとローテーションを変更し、次走も香港国際競走へ参戦。
モーリスを春の安田記念で下したロゴタイプにおいても、同様に香港遠征のローテーションを組んだことから、マイルチャンピオンシップは一気に群雄割拠の様相を呈することとなりました。
出走馬どの馬にもチャンスが巡ってきそうなマイルチャンピオンシップ。ブックメーカー「bet365」では、どの馬が最も勝利に近いと予想されているのでしょうか、気になるオッズをご覧ください。
【マイルチャンピオンシップ2016単勝オッズ】
※オッズは17日午前9時現在
<マイルチャンピオンシップ2016最新単勝オッズ(bet365発表)>
オーナーである里見氏が悲願の初G1制覇を菊花賞において成し遂げ、今勢いに乗る「サトノ軍団」から送り込まれる刺客、サトノアラジンが現在3.50倍で1番人気となっています。
前走のスワンステークス(G2、1400㍍・芝)を快勝し、まさに今が充実期といったところでしょう。
マイルG1では現在連続して4着に終わっている同馬ですが、陣営からも「敗因は運がなかっただけ」と、実力面では太鼓判。勢いそのままにG1初制覇となるでしょうか。
「悲運の馬」といえばフィエロ(10.00倍)のほうが、サトノアラジンよりも格段に上かもしれません。
「2年連続マイルチャンピオンシップ2着」と、これだけの実績面を残しながら未だに「重賞未勝利」であることには驚きです。
大きな期待を集めたまま今年で7歳になったフィエロですが、陣営からは意外にも「フレッシュだね。歳を取っても、逆に馬がしっかりとしてきている。前走はチグハグだったけど、疲れは残っていない」と、年老いて尚自信アリのコメントを残しています。
「実績面」と「状態面」の両方から考えると、見逃せないのがミッキーアイル(8.00倍)でしょう。
3歳時に制したNHKマイルカップ(G1、1600㍍・芝)を含む、重賞5勝。今年も高松宮記念(G1、1200㍍・芝)、スプリンターズステークス(G1、1200㍍・芝)の両レースにおいて2着に入線しました。
ですが、ここ5戦がすべて1400m以下のレースに絞られていることからもわかるように、今現在では「スプリンター」のイメージが強く、マイル戦を走り抜くだけのスタミナが未だにあるのかがカギを握ります。
古豪が多いマイル路線において、3歳馬ロードクエスト(8.00倍)や3連勝で勢いに乗るヤングマンパワー(7.00倍)のニューカマー2頭も虎視眈々と勝利を狙っていることでしょう。今回のメンバー構成ならば、チャンスは十分にあります。
その他にも、2014年の皐月賞馬にして、現在2番人気のイスラボニータ(4.50倍)や2014年のマイルチャンピオンシップを制したダノンシャーク(81.00倍)、札幌記念(G2、2000㍍・芝)において、あのモーリスを抑えて勝利したネオリアリズム(13.00倍)なども出走を予定しています。
抜けた存在がいないからこそ、ペースも大きなカギを握るであろう今年のマイルチャンピオンシップ。発走は11月20日(日)午後3時40分を予定しています。
豪・レイルウェイステークス2016
オーストラリア西地区におけるシーズン最初のG1レースがアスコット競馬場にて行われるレイルウェイステークスです。
出走馬のご紹介に移る前に、レイルウェイステークスは少々わかり辛い点があるのでご説明しておきましょう。
実は、世界には「レイルウェイステークス」と呼ばれる平地競走がアイルランド、ニュージーランド、オーストラリアの3地区で行われています。今回ご紹介するのはこの内のオーストラリアです。
また、今回ご紹介するオーストラリアのレイルウェイステークスは「アスコット競馬場」で行われます。
アスコット競馬場と聞くと、どうしてもロイヤルアスコット開催などでおなじみのイギリス・アスコット競馬場が連想されますが、レイルウェイステークスが行われるのは正真正銘「西オーストラリアにあるアスコット競馬場」です。
もし、ご覧になっている方がご自分でレースについて調べる際にはくれぐれもお気を付けください。
西オーストラリア競馬のオープニングレースともいえるレイルウェイステークスを制するのはどの馬なのでしょうか?まずはブックメーカー「bet365」から発表されているオッズ(Fixed Win)をご確認いただきましょう。
【レイルウェイステークス2016単勝オッズ】
※オッズは17日午前9時現在
<豪・レイルウェイステークス2016最新単勝オッズ(bet365発表)>
現在5.50倍で一番人気に推されているのがパーフェクトリフレクション(Perfect Reflection)です。
昨年、西地区の有力中距離馬が顔をそろえるキングストンタウンクラシック(海外G1、1800㍍・芝)を制し、見事無敗の5連勝で制覇となり「2016年のオーストラリア競馬の中心的存在」として大いに期待を集めていました。
しかし、2016年の春先シーズンは初戦こそ3着と複勝圏内をキープするものの、オーストラリアンギニーでは大敗を喫することとなります。
春先で敗れた2戦はともに、フレミントン競馬場でのレース。今回はキングストンタウンクラシックを制した時と同じアスコット競馬場に場所を戻しての一戦。陣営としても正念場と言えるでしょう。
その他に実績面で抜けた馬は見当たらないものの、10月に行われたエプソムハンデキャップ(海外G1、1600㍍・芝)において3着入線の好走を見せたマッキントッシュ(Macintosh)が6.50倍で2番人気となっています。
12戦して6勝2着5回3着1回と、抜群の安定性を誇るスケールオブジャスティス(Scales Of Justice)と、ロレアルパリステークス(海外G3、1400㍍・芝)を制して勢いに乗るラギース(Rageese)が7.50倍で続いています。