ロードレース世界選手権「MotoGP 2016」の開幕を告げる第1戦のカタールGP（コース：ロサイル）が18日にスタートします（決勝：20日）。2016年シーズンのMotoGPは全18戦が予定されており、日本GPは第15戦に行われ（決勝：10月16日）、最終戦の第18戦バレンシアGPの決勝は11月13日に開催されます。
【MotoGP 2016開催スケジュール】
※開催日は決勝日
2015年シーズンは、ホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシのヤマハ勢同士の一騎打ちが繰り広げられ、最終戦でロレンソが逆転で見事年間王者の座を射止めました。今シーズンは昨シーズンまでと大きな変更点が2つあり、ひとつはタイヤがブリジストン製からミシュラン製に変更されます。もう一つは全でのマシンが、ソフトウェアなど共通のエンジン・コントロール・ユニット（ECU）を使うことになった点です。これら2つの変更が2016年シーズンの戦いにどう影響するのかにも注目です。
【MotoGP 2015シルバーストンGP】
いよいよ2016年シーズンの戦いがスタートします。ロレンソの連覇となるのか？それともロッシがリベンジを果たすのか？それとも、昨シーズン年間3位のマルク・マルケス（ホンダ）が割って入るのか？アジアのブックメーカー「188BET」が年間優勝オッズを発表していますので見てみましょう。【MotoGP 2016年間優勝オッズ】
※オッズは１７日午後３時現在
優勝最有力にはマルケスで2.20倍のオッズとなっています。2番手には僅差の2.65倍でロレンソがつけています。3番手にはロッシで6.50倍、4番手にはダニ・ペドロサ（ホンダ）で8.50倍のオッズとなっています。ヤマハとホンダの2強の構図となっていますが、先ほども述べたように昨シーズンまでとタイヤなどが変更されており、これまでこの2強の後塵を拝していたドゥカティや復帰2年目となるスズキなど躍進のチャンスとなるシーズンになるかもしれません。
23歳のマルケスは、何といっても昨シーズンの第17戦マレーシアGP決勝でロッシにレース中に蹴られる事件が起こり、両者の確執が「バイク界を汚染した」などとして物議を醸しました。ロッシの言い分ではマルケスが同胞のロレンソの優勝を支援するために自分の走りの邪魔をしたとのことですが、第18戦ではロッシは最後列からのスタートをさせられる裁定が下りました。このマルケスとロッシの因縁の対決も今シーズンの見どころの一つでしょう。
開幕戦の共同記者会見でマルケスは「プレシーズンは結果を見れば、あまり良くなかったけど、コンスタントに良くなってきていることが大事。初戦に向けて野心とモチベーションがある」と語ると、ロッシは今シーズンからの変更点について触れて「劇的な変更になることを予想していたけど、最終的にはそれほどでもなかった。ライダーたちのパフォーマンスがとても近づいていることを感じた」と話すなど両者ともに静かに闘志を燃やしていました。
昨シーズンは最終戦で5点差あったロッシに逆転勝利を収め、初の4連勝を含むシーズン7勝を挙げて、3年ぶり3回目となる年間王者に輝いたロレンソは連覇を狙うシーズンとなります。プレシーズンでは早くも連覇の手ごたえを感じたようで記者会見では「プレシーズンはすごく、すごく良くて期待以上だった。素晴らしいラップタイムをマークできた」と話すなど自身に満ち溢れていました。
昨シーズン年間4位のダニ・ペドロサも万全の準備をできたようで「速く走るために集中したい」と語っていました。昨シーズンはコンパートメント症候群の手術を受けるために3つのグランプリを欠場するなど苦しいシーズンでしたが、第7戦のカタルーニャGPでは3位に入るなど健闘を見せました。ペドロサが年間を通して戦えるようになればマルケス、ロレンソ、ロッシの3強に風穴を開けることもあるのではないでしょうか。
ロードレース世界選手権「MotoGP」は、各グランプリで1位に25ポイント、2位に20ポイント、3位に16ポイント、4位に13ポイント、5位に11ポイントが与えられ、それ以下は1ポイントずつ減って15位には1ポイントが与えられます。年間王者はこれらのポイントの合計で争われます。
