【Paddy Power】リオ五輪2016③「テニス」:錦織圭が日本に金メダルをもたらすことができるか?ブックメーカーがオッズ発表!

錦織 圭

リオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)のテニスが、8月6日から14日まで行われます。オリンピックのテニスは、ATPポイントの増加に寄与しません。また、オリンピックのすぐ後にグランドスラム大会の一つである全米オープンが控えています。そのため、多くの中堅の選手が出場を辞退しています。しかし、今回のオリンピックでは錦織圭のメダルの可能性が高く、優勝の可能性も高いので楽しみです。

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【男子シングルスドロー表(組み合わせ)】
男子シングルスドロー表(組み合わせ)
※「ATP World Tour」より抜粋

リオ五輪 ロゴ錦織圭は、グランドスラム第3戦ウィンブルドン大会で左脇腹の負傷のため無念の途中棄権でした。ウィンブルドンではこのイメージが強かったですが、錦織の場合はその前のアンドレイ・クズネツォフ(ロシア)との試合が印象的で、力が抜けてとても良かったのではないでしょうか。試合後に、「芝で何かをつかんだような気がする」との発言が本人からもあったように、来年の芝での錦織も楽しみです。

リオ五輪はハードコートで、錦織が最も得意とするサーフェスなので期待が持てます。4強+スタン・ワウリンカ(スイス)が当面の強敵ですが、ハードコートにおいては、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ワウリンカに対して現在の錦織は、総合力で勝っているような気がします。トーナメント運にもよりますがメダルは射程圏内で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)かアンディ・マレー(イギリス)を破れば金メダルも夢ではないでしょう。

ロンドン五輪で金メダルを獲得したアンディ・マレー

ハードコートでは、芝の場合と同じようにビッグサーバーが有利ですが、バウンドが芝よりも大きく、そのためビッグサーバーでもグランドストロークの優れた選手しか勝ち進めません。そのため、ベスト8までに残れるビッグサーバーはワウリンカとマリン・チリッチ(クロアチア)くらいでしょう。ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)が欠場なのが残念です。

錦織のテニスのスピードとグランドストロークの良さが、どれだけジョコビッチやマレーの総合力に優れるかにかかっています。その点でも、今回の錦織のプレーは興味深いです。心配な点はただ一つ怪我です。左脇腹の負傷がどれだけ完治しているかが活躍できるか否かの境目になるでしょう。

Paddy Power Logo今回のリオ五輪テニス男子シングルスを制するのは誰でしょうか?世界的に有名な英国の老舗ブックメーカー「Paddy Power」(パディー・パワー)がオッズを発表しておりますので見てみましょう。

【リオ五輪2016男子シングルス優勝オッズ】
リオ五輪2016男子シングルス優勝オッズ
※オッズは25日午後1時現在

Paddy Powerのオッズから見ると、リオ五輪では、ジョコビッチが2.00倍で優勝候補の筆頭に挙げられており、次のマレーが3.75倍でウィンブルドン大会の優勝の結果からみると妥当なオッズだと考えられます。

ノバク・ジョコビッチ

リオ五輪でもジョコビッチとマレーの力は拮抗しており、この二人の優勝争いになる可能性が高いでしょう。実績と総合力ではやはりジョコビッチですが、イワン・レンドル(アメリカ)をコーチに迎え入れたマレーが、リオ五輪までにどこまで総合力を伸ばしているかにも期待したいところです。ウィンブルドンと同じように優勝の可能性もあります。

【ウンブルドン2016男子シングルス決勝】


フェデラーが7.00倍なのは順当なところでしょう。フェデラーはご存知のようにオールラウンダーですが、フォアのストロークのパワーが少し落ちてきています。その代わりにバックショットが向上していて、その出来次第になるでしょう。次に、ナダルが10.00倍で来ているのもうなずけます。ただし、左手首の調子が悪く全仏オープンでは途中棄権、ウィンブルドンでは欠場しています。リオ五輪までに完治しているか心配なところです。

5番目がスタン・ワウリンカ(スイス)で13.00倍です。4強に次ぐ実力派ですし、ストロークの安定性には定評があります。

スタン・ワウリンカ

6番目が26.00倍で我らが錦織です。少しオッズが良くないのは、ウィンブルドンでの途中棄権があるためでしょう。左脇腹が完治していれば、ジョコビッチやマレーとの勝負にもなりそうなのですが、あまり高く評価されていないのが残念です。その次に、チリッチが31.00倍で続きますが、錦織とのオッズ差はあまりありません。チリッチの次がジョー=ウィルフリード・ツォンガ(フランス)の51.00倍で、この二人のオッズ差はかなり大きいものがあります。

最終的に誰がベスト4に残るかは、ジョコビッチ、マレー、錦織、チリッチの可能性が高いと思います。この中では、ジョコビッチとマレーが総合的には優れていてどちらが勝つかはサーフェスのコンディションにより違います。同じ、ハードコートといっても弾み具合やバウンドスピードは違います。そのほか、錦織はドロップショットへの対策とフォアハンドショットの正確性が上がれば、スピードで二人を上回ることも考えられます。3人の調子が本来のものではない場合には、チリッチの可能性もでてくるではないでしょうか。

マリン・チリッチ

今回は、ダビド・ゴファン(ベルギー)、ラオニッチ、ドミニク・ティエム(オーストリア)、ニック・キリオス(オーストラリア)などの若手有望選手が出場しません。そのため、番狂わせというのがあまり考えにくく、リオ五輪で本来の力を出すことができる選手が順当に勝ち上がってくるのではないでしょうか。