先週末の桜花賞2016に引き続き、3歳牡馬のクラシックレース初戦となる「皐月賞2016」(G1、2000㍍・芝)が17日午後3時40分から中山競馬場で行なわれます。昨年の皐月賞は今年の3月26日に行なわれた「ドバイシーマクラシック(GI)」において2着入線を果たしたドゥラメンテが圧巻の内容で勝利。続く「日本ダービー(GI)」も制しクラシック二冠を達成しました。
【皐月賞2015(優勝:ドゥラメンテ)】
今年の「皐月賞」における主な注目馬を挙げるとするならば、昨年の「朝日杯フューチュリティステークス」(G1、1600㍍・芝)を豪脚でまとめて交しきったミルコ・デムーロ騎手鞍上の良血馬リオンディーズや、そのリオンディーズをトライアルレース「弥生賞」(G2、2000㍍・芝)で破ったマカヒキ。そして上記2頭へリベンジを誓うエアスピネル。
また、2月に行なわれた「きさらぎ賞」(G3、1800㍍・芝)を余裕の手応えで勝利したサトノダイヤモンドも、所有する里見オーナー悲願のGI制覇を虎視眈々と狙っている1頭でしょう。
<関連記事(16日午前11時更新)>
・ブックメーカー「bet365」が皐月賞2016の単勝オッズ発表!
今年の皐月賞は正に“混戦模様”。一体どの馬が勝利を手にし、クラシック三冠への挑戦権を獲得するのか、過去の前哨戦を振り返りながら検討していきます。また、競馬でお馴染みのブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が単勝オッズをレース前日の夜(16日)に発表する予定ですので、発表され次第下記にて更新いたします。
【皐月賞2016枠順と単勝オッズ(16日午後7時更新)】
1-1ドレッドノータス(藤岡佑介):67.00
1-2ジョルジュサンク(吉田隼人):67.00
2-3マカヒキ(川田将雅):4.00
2-4アドマイヤダイオウ(福永祐一):21.00
3-5マウントロブソン(T.ベリー):17.00
3-6ミライヘノツバサ(柴田大知):41.00
4-7ウムブルフ(柴山雄一):101.00
4-8ミッキーロケット(横山典弘):101.00
5-9ナムラシングン(田辺裕信):67.00
5-10トーアライジン(大野拓弥):201.00
6-11サトノダイヤモンド(C.ルメール):2.75
6-12リスペクトアース(石川裕紀人):101.00
7-13プロフェット(戸崎圭太):34.00
7-14ロードクエスト(池添謙一):17.00
7-15エアスピネル(武豊):17.00
8-16リオンディーズ(M.デムーロ):3.25
8-17アドマイヤモラール(内田博幸):101.00
8-18ディーマジェスティ(蛯名正義):26.00
※(カッコ)内は騎乗騎手
※ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が単勝オッズを発表したら更新予定
冒頭でも紹介したリオンディーズは、母がアメリカ・日本の両オークスを制したシーザリオ。その半兄に2014年「ジャパンカップ」など、G1レース2勝を挙げたエピファネイアを持つなどかなりの良血馬です。リオンディーズ自身も2015年の「朝日杯フューチュリティステークス」を制し、華麗なる一族の仲間入りとなりました。
【朝日杯FS2015(優勝:リオンディーズ)】
また、その兄であるエピファネイアも知る鈴木助手からは「競馬にいっての器用さはリオンディーズの方がある。エピファネイアはガツンとくるのを何とかブレーキでコントロールするタイプだったけど、リオンディーズはある程度ギアを持っているのでシフトチェンジに対応できるからね。前走で正攻法の競馬をしたことも本番に生きてくるはずです。」と、前走の「弥生賞」では、負けて尚手応えを感じているとのコメント。
あくまで「弥生賞」を予行練習と鞍上のデムーロ騎手も考えているのであれば、本番の皐月賞では更なるパフォーマンスをみせてくれるかもしれません。
その2歳王者リオンディーズを「弥生賞」で破ったのが「ディープインパクトの再来」とも称される3戦3勝無敗のマカヒキ。上位クラスとの初対戦で見事な結果を残してくれました。
そのあまりの乗り味に、レース後当初サトノダイヤモンドへの騎乗が決定的と目されていたクリストフ・ルメール騎手の口から「皐月賞はまだどの馬に乗るかわからない」と語られ、一躍マカヒキ騎乗の可能性もあるのかと話題になりました。
結局、ルメール騎手はサトノダイヤモンドへの騎乗へ落ち着く結果に。代わりに騎乗することになったのは、マカヒキを所有する金子真人オーナーの現代表馬ラブリーデイへも騎乗経験のある川田将雅騎手。「レースもずっと見ていましたし、これだけ素晴らしい馬を任せていただけるようになったということがすごく嬉しく、ありがたかったです。本当に楽しみです。」と、大きな期待を抱いているだけに、果たして初騎乗で同馬の能力を引き出す事ができるのかその手綱さばきに注目が集まります。
マカヒキと同じく3戦3勝。そして渦中のルメール騎手が騎乗するのがきさらぎ賞(G3、1800㍍・芝)を制したサトノダイヤモンド。2013年に日本が誇る世界でも指折りの幼駒取引市場「セレクトセール」において2億4150万円の高額で取引された同馬ですが、その金額に込められた期待に応える走りでここまで他馬を圧倒し続けてきました。
今回の皐月賞でマカヒキ、リオンディーズ、エアスピネルら3歳世代の一線級とは初対決となりますが、ここまで全力を出し切っていない点を考えると、まだまだ奥の深そうな1頭といえますが、きさらぎ賞から直行するローテーションで皐月賞を勝利した馬は1990年のハクタイセイただ1頭のみ。
こういったローテーションで今回皐月賞へ挑む理由としては「日本ダービーへピークを持っていきたいからこそ」と受け取れます。本当に陣営が勝負をかけているのは今回ではなく次走であるといったところでしょうか。
サトノダイヤモンドが制した「きさらぎ賞」そして3強対決と称されていた「弥生賞」ばかりに目がいきがちですが、要注目の1頭と言えばリオンディーズに騎乗予定のデムーロ騎手が今回の皐月賞における「凄い4頭」の中に挙げていたアドマイヤダイオウの存在でしょう。
デムーロ騎手が語っていた「凄い4頭」の内訳はリオンディーズ、サトノダイヤモンド、マカヒキ、そしてこのアドマイヤダイオウ。今回こそリオンディーズへ騎乗する事となりますが、これまでアドマイヤダイオウに騎乗し続けていたからこそ、同馬の力を推し量り、怖い1頭として名を挙げていると考えられます。
もうひとつ皐月賞を占う上で重要なトライアルレースとして位置づけられているのが、スプリングステークス(G2、1800㍍・芝)。
勝利をしたマウントロブソンは、先ほど紹介したマカヒキと同じ金子真人オーナー所有の1頭。管理する堀厩舎からは「とにかくスタミナがありますから。脚をためてスパッと切れるというより、じわじわ長くいい脚を使えるタイプです。」とスプリングステークス出走時に語っているため、馬場が荒れスタミナや持久力が要される展開になればマウントロブソンが台頭してくる可能性もゼロとは言い切れず、戴冠を狙っていることでしょう。