大寒波が襲い、競馬開催の日程がずれ込むなどまだまだ寒い日が続く日本列島ですが、2月といえばきさらぎ賞や、共同通信杯といった春のクラシックに向けての重要レースが目白押しなど、だいぶ競馬熱は温まってきました。
そしてもうひとつ、新年度の冬競馬において忘れてはならないのが今年初の中央G1レースとなる、東京競馬場で開催される砂の王者決定戦、フェブラリーステークス(G1、1600㍍・ダート)です。
【フェブラリーステークス2019枠順】
1-1 クインズサターン(牡6、四位洋文・野中賢二)
2-2 ユラノト(牡5、福永祐一・松田国英)
3-3 ゴールドドリーム(牡6、C.ルメール・平田修)
3-4 メイショウウタゲ(牡8、北村宏司・安達昭夫)
4-5 サクセスエナジー(牡5、松山弘平・北出成人)
4-6 インティ(牡5、武豊・野中賢二)
5-7 サンライズノヴァ(牡5、戸崎圭太・音無秀孝)
5-8 モーニン(牡7、和田竜二・石坂正)
6-9 ワンダーリーデル(牡6、柴田大知・沖芳夫)
6-10 サンライズソア(牡5、田辺裕信・河内洋)
7-11 コパノキッキング(セ4、藤田菜七子・村山明)
7-12 ノボバカラ(牡7、F.ミナリク・森秀行)
8-13 ノンコノユメ(セ7、内田博幸・加藤征弘)
8-14 オメガパフューム(牡4、M.デムーロ・安田翔伍)
※15日13時更新。
今年のフェブラリーステークスは、出走が叶えば最有力候補であったであろう昨年の南部杯マイルチャンピオンシップ(G1、1600㍍・ダート)そして、チャンピオンズカップ(G1、1800㍍・ダート)と、古馬相手に勝利を挙げた新星ルヴァンスレーヴが脚部不安により回避。
このことにより、上位勢の評価はかなり拮抗したものとなりましたが、やはり注目は「旧王者の復活」と「ハイレベル4歳勢」の対決に集まったようです。まずはブックメーカー「bet365」が発表しているオッズをご確認いただいてから、有力各馬のご紹介に移りましょう。
【フェブラリーステークス2019オッズ】
※オッズは14日午前9時現在
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一番手評価の2.50倍となっているのは、前走の東海ステークス(G2、1800㍍・ダート)において初重賞勝利を挙げたインティ(Inti)。
ここまで7戦6勝、デビュー戦での敗れた以外はすべて圧倒的なレース運びで勝利を重ねて着たインティ。東海ステークスにおいても、4歳勢でも屈指の実力と実績を残していたチュウワウィザード相手にしっかりと勝ち切る強い競馬を見せました。
鞍上の武豊騎手もここまでで20勝を挙げるなど今年は絶好調。また、インティの馬主である武田オーナーはあのメジロ牧場の牧場長。メジロマックイーンなどを産み出し、武豊騎手とも非常に縁のあるオーナーだけに、気合も入ることでしょう。
唯一気がかりなのはこれまでインティが1600mを経験したことがないという点。芝スタートの東京競馬場ということも併せて考えると、能力の高さは感じるものの、絶対的本命であるとはやや言い難くもあります。
ダート路線において、そして、フェブラリーステークスにおいてこの馬の名前を挙げない訳にはいかないでしょう。2017年の勝利馬にして、ダート路線古馬の代表格ゴールドドリーム(Gold Dream)です。オッズは、インティに続く3.00倍となっています。
昨年のフェブラリーステークスこそ、ノンコノユメの郷愁に遭い2着に敗れましたが、その後はかしわ記念、帝王賞と地方交流G1をキッチリ勝利。
しかし、迎えた秋シーズン。完全な充実期を迎えたと思われたゴールドドリームの前に3歳勢たちが立ちはだかります。
南部杯マイルチャンピオンシップにおいては、3歳トップの名を欲しいがままにしていたルヴァンスレーヴに。チャンピオンズカップを回避して迎えた東京大賞典(G1、2000㍍・ダート)においては、ルヴァンスレーヴに次ぐ実力3歳馬と言われていたオメガパフュームに完敗するまさかの結果となりました。
両レース共に1番人気に推されながらの敗戦。今回、ルヴァンスレーヴは出走しないものの、オメガパフュームは参戦予定。得意の舞台である東京1600で今一度王者としての貫禄を見せつけることが出来るでしょうか。
昨年の東京大賞典において、並みいる古馬たちを相手に見事なレースを見せたのがオメガパフューム(Omega Perfume)。オッズは5.00倍となっています。
ルヴァンスレーヴの存在があまりにも大きくはありましたが、3歳にして古馬混合重賞を勝利。早いうちから古馬たちと互角にやりあってきたその実力は、やはり明け4歳勢の中でもトップクラスと言えるでしょう。
ただし、マイル戦はかなり久々。東京大賞典を含めた2つの重賞勝利は2000mで挙げたものであることを考えると、決して今回の舞台を歓迎できるタイプではないと考えられます。その能力で勝利をつかむことが出来るでしょうか。
9.00倍というオッズ以上に人馬ともに大きな注目を集めるのは、前哨戦のひとつである根岸ステークス(G3、1400㍍・ダート)を快勝したコパノキッキング(Copano Kicking)と、今回テン乗りとなる藤田菜々子騎手。
条件戦から、重賞2勝を含む2連勝中と正に勢いに乗っていることや、逃げても差しても結果を残していることなど、絶対的能力値と自在性は高いものを感じさせるコパノキッキング。
しかし前走手綱を取ったO.マーフィー騎手からは「1600㍍は長い」と、きっぱり断言する一言が。短期免許で来日し、大活躍だった騎手の『本音』だけに、気になるところではあります。
そして鞍上はデビュー直後から日本競馬界において何かと話題の女性ジョッキー、藤田菜々子騎手。
とはいえ、話題性だけでなくその実力も認められつつあるのが昨今。これまで既に50勝近くを挙げていることが、そのことを示しているといえるでしょう。
そんな藤田騎手、しばしば重賞レースに騎乗することはあれど、決して有力サイドとは言えない馬たちであったことも確か。調教で跨った際も「すごくいい馬」と手ごたえ確かなコパノキッキングが、重賞初勝利にしてG1初勝利の可能性も全くないわけではないでしょう。歴史的快挙達成に期待も高まります。
ここ2走の惨敗は気になるものの、やはり東京コースならば注目しておきたいのはサンライズノヴァ(Sunrise Nova)。オッズは15.00倍となっています。
ただ、ここ2走の敗戦に関しては、前々走が距離面、前走は大きく出遅れてのことと、考えようによっては理由がキッチリとしている為、今回キッチリ陣営が修正をしてくればやはりその末脚は怖い存在となるでしょう。
その他、かなりしっかりとした調教を積んでいる根岸ステークス2着馬、ユラノト(Yuranoto)が17.00倍。近走こそ良い結果につながっていないものの、昨年のフェブラリーステークスの勝利馬であるノンコノユメ(Nonkono Yume)が21.00倍となっています。
今年最初のG1レースを制するのはどの馬か。フェブラリーステークスは2月17日日曜日、15時40分発走予定。