世界最高リーグの一角、リーガ・エスパニョーラ。レアル・マドリッドとバルセロナという世界最強を争うメガクラブを抱え、その他にもアトレティコ・マドリッドやバレンシア、セビージャといった欧州を席巻する強豪クラブを多く擁する世界で最も過酷なリーグが、開幕の時を迎えようとしています。
一戦一戦が厳しい戦いとなるこのリーグ戦を勝ち抜き、スペインの王座に君臨するクラブはどことなるのでしょうか。ブックメーカー「10Bet」が2018-19年の優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
昨年度はバルセロナが2年ぶりの王座奪還に成功!
2017-18年のリーガ・エスパニョーラを制したのはバルセロナ。昨シーズン失った王座を再び奪還し、この10年で7度目、通算25回目のリーグ制覇を達成しています。
バルセロナが獲得した勝ち点は93。2位のアトレティコ・マドリッドは79と実に14も差をつけた圧勝劇となりました。得点王にも34ゴールを奪ったバルセロナのエース、リオネル・メッシが輝いています。こちらも2位のクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリッド)の26ゴールに8ゴールもの差をつけています。
2連覇が期待されたレアル・マドリッドは怪我人が続出した影響もあって序盤に大きく出遅れ、終盤に盛り返すも3位に終わりました。
乾と柴崎の日本代表2選手が今年もリーガでプレー
今年のリーガ・エスパニョーラを戦う日本人選手は、昨年同様乾貴士と柴崎岳の2選手。乾は新チームのベティス、柴崎はヘタフェで2年目の戦いに挑みます。
乾が新しく加入したベティスはスペイン第4の都市セビージャをホームとする名門クラブで、昨年度は6位に入ってUEFAヨーロッパリーグ出場権を獲得しました。ヨーロッパでも屈指の熱狂的なサポーターを持つことでも知られており、乾にとって大きなチャレンジとなることでしょう。
ベティスは元スペイン代表ホアキン・サンチェスに代表されるように伝統的にサイドアタックを得意としており、乾のプレースタイルが十分に活かされる環境が整っているチームだといえます。
一方の柴崎は今年7月に女優の真野恵里菜との結婚を発表。日本サッカー界のプリンスと人気の高い美人女優というビッグカップルの誕生に沸き立ちました。
所属するヘタフェは昨シーズン、欧州カップ戦出場権まであと一歩の8位と大健闘。柴崎もバルセロナを相手にゴールを決めるなど、チームに貢献しました。今夏のビッグクラブへの移籍も取りざたされており、さらなる飛躍に期待がかかっています。
2人の日本人はスペインの地で、2018-19年シーズンも大きな活躍を見せることができるでしょうか。
優勝オッズはトップ2が圧倒、アトレティコも可能性を残す
【リーガ・エスパニョーラ2018-2019優勝オッズ】
※オッズは7日午後2時現在
<10Bet 登録方法>
ブックメーカー「10Bet」による2018-19年リーガ・エスパニョーラ優勝候補筆頭は、昨年度チャンピオンのバルセロナ。オッズは1.74倍となりました。
続く2番手には、一昨年のチャンピオンであり、現UEFAチャンピオンズリーグ王者でもあるレアル・マドリッドがオッズ2.30倍となっています。
3番手は昨年2位のアトレティコ・マドリッドでオッズ11.00倍。この3クラブ以外の優勝は2003-04年シーズンのバレンシアまで遡る必要があるほどで、現実的にはこの3クラブが優勝候補と見ていいでしょう。
4番手のバレンシアはオッズ126.00倍、5番手のセビージャは同151.00倍、6番手のヴィジャレアルは同301.00倍となっています。
日本人所属クラブは、乾のベティスが7番手タイの501.00倍、柴崎のヘタフェが12番手の1501.00倍となりました。
襲い来る未曽有の危機をレアルは克服することができるか
レアル・マドリッドの2018-19年シーズンは激動とともに始まりました。まず、昨シーズン終了直後の5月にはジヌディーヌ・ジダン監督が電撃辞任。UEFAチャンピオンズリーグ3連覇という偉業を成し遂げた名将の突然の辞任に、世界中が驚きました。
そして7月には絶対的エースだったクリスティアーノ・ロナウドがイタリアのユベントスに電撃移籍。9年の在籍期間でリーグ戦311ゴール(292試合出場)、UEFAチャンピオンズリーグ105ゴール(101試合出場)という圧倒的な数字を残していたロナウドの移籍は、容易に穴埋めできるものではないでしょう。
後任監督となるフレン・ロペテギ監督の獲得に際しても、スペイン代表を率いていた同監督の獲得をワールドカップ開幕直前に発表。激怒したスペインサッカー連盟が監督を開幕2日前に解任するという前代未聞の事件を引き起こし、レアルは世界的なバッシングを浴びました。
さらに次期エース候補のガレス・ベイルが負傷、中盤の要であるルカ・モドリッチの移籍希望が報道されるなど、まさに踏んだり蹴ったりの新シーズンとなっているレアル・マドリッド。未曽有の危機にさらされている白い巨人はこの苦境を脱し、スペイン王座をバルセロナから奪還することができるでしょうか。
バルサ、2連覇に向けて大きな補強を敢行
バルセロナは今夏の移籍市場で、ブラジル人FWのマルコムを所属先のボルドーと移籍先のASローマが契約締結の発表を行ったのちに4100万ユーロで強奪、インテルと合意に達していたとされるチリ代表MFアルトゥーロ・ビダルも未発表ではあったものの2000万ユーロで強奪と、周囲の目を顧みない手法で形振り構わず補強にまい進しています。
その他ブラジル人MFアルトゥールを3100万ユーロ、フランス人DFクレメント・ラングレを3590万ユーロで獲得し、日本円にして合計約164億円という大金を投じました。
リーガ・エスパニョーラにおいては過去10年で宿敵レアル・マドリッドの2回に対し、7回の優勝とまさに圧倒しているバルセロナ。リーグの覇者としての地位をさらなる優勝でより強靭なものとできるでしょうか。
もう一つの欧州王者、アトレティコがレアル、バルサ超えを目指す
優勝には届かなかったものの、2013-14年にリーグ優勝して以来となるレアル・マドリッド越えを達成し、2位となったアトレティコ。同都市のライバルが世界最強クラブの一つであるだけに難しい目標ですが、見事クリアしました。加えてUEFAヨーロッパリーグも制しており、充実のシーズンだったといえます。
2011年から指揮を執るディエゴ・シメオネ監督のもとレアル、バルサに準ずる位置を確固たるものとするまでに復活を遂げたアトレティコに足りないものは、リーグ優勝のタイトル数のみでしょう。
オフにはバルセロナ移籍が確実視されていたフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンの慰留に成功。代わりのいないスーパーエースをライバルに奪われるという悲劇を回避することができました。
フランス代表をワールドカップ制覇に導いた背番号7の残留はまさに最高の補強といっていいでしょう。リーガ・エスパニョーラを制し、レアルやバルサを超える存在となるための準備は整いつつあります。