全米オープン、全英オープン、マスターズ、全米プロゴルフ選手権―。グランドスラムとも称されるこれらゴルフ界の4大メジャー大会に次ぐ規模を誇り、世界中から超一流選手たちが集う戦い、ザ・プレイヤーズ選手権がまもなく開催されようとしています。2018年大会は5月10日(木)に始まり、13日(日)に決着を迎えます。
この世界最高峰の戦いを制し、大会の歴史に新たな名前を刻むのはどの選手となるのでしょうか。ブックメーカー「10Bet」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
“第5のメジャー” ザ・プレイヤーズ選手権
1974年に創設された同大会は賞金総額1050万USドルと4大メジャー並みの規模を誇り、第5のメジャーとも呼ばれるビッグトーナメントです。世界ランキングのポイントもメジャー大会の100ポイントに次ぐ80ポイント、フェデックスカップポイントはメジャー大会と同じ600ポイントが与えられるなど、こちらも4大メジャーと遜色ない扱いを受けています。
2006年まではマスターズの2週前となる3月下旬、2007年から5月中旬に開催されてきました。しかし2019年には再び3月開催に戻る予定となっており、かつてのマスターズ前哨戦の性格を取り戻すこととなるでしょう。
開催されるコースはアメリカ合衆国フロリダ州にある名門コース、ザ・プレイヤーズ・クラブ・オブ・ソーグラス。アメリカ屈指の難コースとして知られており、いかなる名選手をしても一筋縄ではいかない、優勝予想をするのも難しいコースだといえるでしょう。それだけに思わぬダークホースが優勝をかっさらっていくことも考えられます。大穴狙いも面白いかもしれません。
2017年大会では最年少王者が誕生
2017年のザ・プレイヤーズ選手権を制したのは韓国のキム・シウ。最終日を首位と2打差の4位でスタートしたキムは3バーディー、ノーボギーの69と数字を伸ばし、通算10アンダーで見事自身ツアー2勝目を飾っています。21歳での優勝は大会史上最年少。新たな超新星誕生を世間に印象付ける大会となりました。
キムと3打差7アンダーの2位タイに大ベテラン42歳のイアン・ポールター(イングランド)と南アフリカの2010年の全英オープン王者ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)、6アンダーの4位タイに地元アメリカ出身のカイル・スタンリーと同大会で史上初となるアルバトロスを決めたラファ・カブレラベロー(スペイン)が続いています。日本の松山英樹と池田勇太はともに通算イーブンパーの22位タイに終わりました。
優勝オッズ
【ザ・プレイヤーズ選手権2018優勝オッズ(上位)】
※オッズは7日午後11時現在
ブックメーカー「10Bet」発表のザ・プレイヤーズ選手権2018優勝オッズによると、前週のウェルス・ファーゴ選手権で今季2勝目を挙げたジェイソン・デイと、ローリー・マキロイが15.00倍で並んで優勝最有力に支持されています。2番手にはジョーダン・スピースで16.50倍、3番手にはジャスティン・トーマスで17.00倍と続いています。
日本期待の松山英樹はフィル・ミケルソンと並んで34.00倍、同大会3年ぶりの出場となるタイガー・ウッズは41.00倍のオッズがついています。
マキロイ悲願達成に向け、まずは第5のメジャーを制したい
29歳にしてすでに4大メジャーのうち3つのタイトルを獲得し、キャリアグランドスラムに王手をかけているマキロイ。とはいえ2014年にはすでにリーチがかかっており、そこから4年間に渡って足踏みを続けている状況です。残りの1つであるマスターズには2009年以降毎年参加し、2014年からは常に10位内入賞を果たしているもののここまで優勝には手が届かず。2018年も5位タイと悔し涙を流しました。
2017年はプロ転向2年目の2008年以来となる年間無勝利に終わり、苦戦が続きでしたが2018年は3月のアーノルド・パーマー招待を最終日の大逆転で制するなど、調子が上向いている様子も見て取れます。
ザ・プレイヤーズ選手権では2014年の6位が過去最高位。来年再びキャリアグランドスラムに挑むためにも、第5のメジャーであるザ・プレイヤーズ選手権を制してかつて世界一に君臨していたころの勢いを取り戻すことを多くのファンが待ち望んでいます。
世界ランキング1位へ、トーマスはあと一歩を登り切りたい
世界ランキング1位を走り続けるダスティン・ジョンソンに僅差の2位に付けているジャスティン・トーマス。1つの大会の結果次第で順位がひっくり返る可能性が非常に高くなっています。
賞金ランキングやフェデックスランキングではすでに1位となっており、トリプルクラウンまであと少し、といった状況。選手本人も気合が入っていることでしょう。
クラブ変更がビッグタイトルを狙う松山にとって吉と出るか
現在世界ランキング8位に付ける松山(5月6日現在)。5月3日から開催していたウェルズ・ファーゴ選手権に参戦していたものの、通算4オーバーで最終日に進出することができませんでした。
松山は同大会ではこれまで使ってきたキャロウェイからテーラーメイドにドライバーを変更し、パターやアイアン、ウェッジもモデルチェンジするなど、使用クラブを大幅に変更しました。まだそれによるポジティブな結果が出てはいませんが、うまくはまれば大きな起爆剤となることも。悲願のグランドスラム制覇へ弾みをつけるためにも、第5のメジャーと呼ばれるザ・プレイヤーズ選手権を勝ち取ることができるでしょうか。