【NetBet】ジロ・デ・イタリア2018:フルーム、デュムラン、ロペス、ピノ・・・マリア・ローザを獲得するのは?

クリス・フルーム

3大グランツールの一つとして名高い世界最高峰の自転車レース、ジロ・デ・イタリア。史上初めてヨーロッパを飛び出してスタートを飾る今大会は5月4日(金)に始まり、5月27日(日)にゴールを迎える予定となっています。

ネットベット101回目の開催となり、新たな時代の幕開けとなるこの歴史ある大会の優勝オッズをブックメーカー「NetBet」が発表していますので、ご紹介していきます。

2017年はデュムランがオランダ人として初制覇を成し遂げる

トム・デュムラン(優勝セレモニー)

第100回大会を記念してサルデーニャ島からスタートした2017年のジロ・デ・イタリア(以下ジロ)を制したのはオランダのトム・デュムラン(チーム・サンウェブ)。第16ステージでは胃腸の不調により道路わきに自転車を止めざるを得なくなり、2分以上タイムをロスするなどのトラブルに見舞われる事態に見舞われました。

しかし、そのピンチを乗り越えると、最終ステージの個人タイムトライアルでは総合首位のナイロ・キンタナからタイム差1分以内にヴィンチェンツォ・ニバリとティボー・ピノとともに入り、激しい優勝争いを繰り広げることに。ここでデュムランはタイムトライアルのスペシャリストと称される実力を発揮して他の3人を圧倒。見事自身初のグランツール制覇、そしてオランダ人初のジロ制覇を成し遂げています。

2018年のスタートはなんとエルサレム!

世界遺産「エルサレムの旧市街とその城壁群」

2018年のジロのスタートを飾るのは、なんとイスラエルのエルサレム。ヨーロッパ外でのスタートは史上初めてのこととなりました。ドナルド・トランプ米国大統領がイスラエルの首都として認めたことでそれに反対するイスラム教徒らによるテロが頻発するなど危険を含んだ地域でもあり、賛否両論が巻き起こる展開ともなっています。

イスラエルでのレースは全部で3日間。第1ステージでは世界遺産「エルサレムの旧市街とその城壁群」の近くをスタートとゴールとする個人タイムトライアルが行われます。第2ステージはイスラエル北西部に位置し、十字軍とも深い関係を持った歴史ある街ハイファをスタートし、イスラエルの実質的な首都として機能するテルアビブへ南下していく167kmの平坦なステージ。第3ステージは砂漠の街ベエル・シェバからイスラエル最南端の街エイラートに続く226km。途中砂漠を通過する過酷なコースとなっています。

第4ステージからは舞台をイタリアに移動。まずはシチリア島を3日間で駆け抜けます。第6ステージで迎える名所・エトナ火山の登りはこれまでと違うコースが設定されるとしており、その後の展開に大きな影響を及ぼす可能性が高いといえるでしょう。

第7ステージからはイタリア半島を北上。第20ステージでスイス・イタリア国境に位置する名峰マッターホルンのイタリア側の麓の街チェルヴィニアまで達すると、最終ステージのためにローマへ移動。市街地を周回する平坦路のレースを行い、最初にゴールに達した選手が2018年のチャンピオンとして、誇りあるマリア・ローザを身にまとう権利を得ることとなります。

フルームのグランツール3連続優勝に一番の期待がかかる

【ジロ・デ・イタリア2018優勝オッズ】
ジロ・デ・イタリア2018優勝オッズ※オッズは1日午前7時現在

ブックメーカー「NetBet」による2018年のジロ優勝最有力候補は、クリス・フルーム。2017年にツール・ド・フランス(以下ツール)とブエルタ・ア・エスパーニャ(以下ブエルタ)を連続で制した今一番勢いのある男が、グランツール3連続優勝を目指して2010年以来となるジロの舞台に臨みます。オッズは2.15倍となりました。

2番手は昨年のチャンピオン・デュムラン。オッズ3.00倍で2連覇へ名乗りを上げています。3番手はコロンビアの”スーパーマン”ミゲル・アンヘル・ロペスで5.60倍、4番手は昨年度ジロ総合4位のティボー・ピノで7.50倍、5番手は地元イタリア出身で2015年にブエルタを制したファビオ・アルで8.75倍となっています。

王者の偉業を阻むのは自身の薬物疑惑となるか

優勝候補の筆頭に挙げられているクリス・フルーム

4月27日にジロへの出場を発表し、世間を沸かせたフルーム。過去に6人しかいない全グランツール総合優勝を達成するために、2010年以来久しぶりとなるジロの舞台に姿を現すこととなりました。3連続優勝ともなれば1963~64年のジャック・アンクティル、1973~74年のエディ・メルクス以来となる史上3人目の快挙。自転車レースの歴史に輝かしい名を残すこととなるでしょう。

しかし、そんなフルームも現在大きな懸念も抱えています。それが薬物疑惑。昨年のブエルタにおいて基準値を超える高レベルのぜんそく薬「サルブタモール(Salbutamol)」がフルームの尿から検出され、ドーピングを行ったのではないかとの疑惑をかけられているのです。本人は不正を否定し、まだ正式な裁定も下っていないものの、かつてのランス・アームストロングのように出場停止やタイトルのはく奪などといった罰則が下るかもしれません。優勝候補筆頭なだけに、その結果が今回のレースに与える影響も大きなものとなることでしょう。更なる栄誉か、それとも転落か?最強王者の行く末に世界中の注目が集まっています。

勢いづく個人TTスペシャリストが2冠を狙う

トム・デュムラン

2017年はジロ制覇に加えてノルウェーのベルゲンで開催された世界選手権の個人タイムトライアルでも悲願の初優勝を達成し、まさに飛躍の1年となったデュムラン。27歳で迎える今年のジロも制し、2連覇を達成したいところです。

今回のジロの第1ステージはエルサレムでの個人タイムトライアル。アルベルト・コンタドールがその難しさを強調しており、タイムトライアル・スペシャリストのデュムランとしてはここで大きなアドバンテージを得ることができれば一気に連覇に近づけるかもしれません。デュムランは今年も再びマリア・ローザを身にまとうことができるのでしょうか。

コロンビアの新鋭がジロに殴り込み!

ミゲル・アンヘル・ロペス

昨年のブエルタで区間2勝の総合8位という成績を残し、グランツールの世界に姿を現したミゲル・アンヘル・ロペス。コロンビア人らしく非常に高いヒルクライム能力を持つばかりでなく、個人タイムトライアルでもその実力を証明済み。練習中に強盗に襲われ足をナイフで刺されるという危機に巻き込まれつつも自転車を守り切った逸話を持つなど、強靭なメンタルも兼ね備えています。

名門アスタナのエースとして指名された新鋭が2018年のジロを席巻することとなるかもしれません。