ファインニードルの見事な春秋スプリントG1連覇に沸いた日本競馬。これから三歳クラシック最後の一冠や、古馬G1、2歳G1と見どころが満載ですがその前にこちらの世界的レースも忘れてはなりません。
フランスはロンシャン競馬場で開催される凱旋門賞(海外G1、2400㍍・芝)が目前にまで迫ってまいりました。
「競馬」というカテゴリーから飛び出し「世界的なスポーツの催し物」として認められている凱旋門賞。日本からも数多くの名馬たちがこの栄誉を授かろうと挑み続けていますが、未だにその頂には到達していません。
今年も要注目の1頭が日本から遠征することとなりますが、その同馬のご紹介、そしてほかの有力ライバルホースたちをしっかりとご紹介いたします。まずはブックメーカー「10Bet」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【凱旋門賞2018オッズ】
※オッズは3日午前8時現在
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2.10倍の一番手評価となっているのは、昨年の凱旋門賞馬、エネイブル(Enable)です。
昨年の欧州のみならず世界競馬全体においても非常に注目度の高かったのがこのエネイブル。日本競馬ファンでもその名を耳にしたことのある方は多いことでしょう。
キングジョージを制し、迎えた凱旋門賞も圧勝。G1を5連勝と波に乗っていたところで故障発生、約1年間もの休養を余儀なくされました。
そして迎えた復帰戦、セプテンバーステークス(海外G3、2400㍍・芝)。調教師からは「ハードなレースにするつもりはない」という言葉も聞かれましたが、多くの競馬ファンが注目をする中しっかりと勝ち切り故障明けの不安を払拭してくれました。
凱旋門賞では相手関係も強化されることや、前走でパフォーマンスは見せたものの前年よりも斤量が3キロ重くなる点などが挙げられますが、陣営の連覇への期待は前走を見る限り高まったといえるでしょう。
そんなエネイブルを最も脅かす存在と言われているのが、3歳牝馬のシーオブクラス(Sea of Class)。オッズは4.33倍の二番手評価となっています。
ここまで5戦4勝。昨年、エネイブルも勝利した「アイルランドオークス」「ヨークシャーオークス」の2レースを勝利するなど、昨年のエネイブルと非常に似通った部分のあるシーオブクラス。エネイブルと異なる点と言えばやはり牡馬の一線級とやりあった経験がないという点でしょうか。
しかし、軽斤量の恩恵もあってかここ10年間のうち4頭が勝利を挙げている「3歳牝馬」という点は見逃せません。これまでのレースをどう評価するかがポイントでしょう。
牡馬も負けてはいられません。牡馬一番手となる7.50倍の評価を得ているのが前走のフォワ賞(海外G2、2400㍍・芝)において、凱旋門賞でも戦うこととなるライバル馬たちを蹴散らし勝利を挙げたヴァルトガイスト(Waldgeist)。
【フォワ賞2018(勝ち馬:ヴァルトガイスト)】
2歳時にクリテリウムドサンクルー(海外G1、2000㍍・芝)を制し、2017年の牡馬クラシック主役の一頭として期待された2017年シーズンはまさかの未勝利。
そして迎えた今年、初戦こそ敗北を喫したもののその後はG1であるサンクルー大賞を含めて重賞を4連勝。勢いそのままにビッグタイトル獲得を目指します。
3歳牡馬であればオブライエン厩舎の秘蔵っ子であるキューガーデンズ(Kew Gardens)も要注目でしょう。現在は12.00倍となっています。
キングジョージを目指して調整をされていたキューガーデンズですが血液検査によって出走を回避。急遽イギリスセントレジャー(海外G1、2900㍍・芝)へとローテーションを変更も、しっかりと勝利。G1レース2勝目を挙げました。
いまやおなじみとなったA.オブライエン調教師&R.ムーア騎手のコンビで凱旋門賞と言えば思い出されるのは2016年のファウンド。その時の再現となるでしょうか。
今年、日本から唯一の遠征となるのが2017年の菊花賞(G1、3000㍍・芝)2着の実績を持つクリンチャー(Clincher)。オッズはかなり高めの51.00倍となっています。
前哨戦として、先ほどご紹介したヴァルトガイストが勝利したフォワ賞に出走。G1馬も数多くそろった中でハナを奪いそのまま後続を引き付けて逃げましたが直線では置いて行かれてしまい6頭立て6着と最下位の結果となりました。
日本の競馬ファンからはやや不安な声も挙がる中、手綱をとった武豊騎手はこの結果をほぼ意にも介さず「身体に余裕があった」「悪いレースではなかったよ」とむしろ手ごたえを感じたコメント。
また、陣営的には「雨が降ったほうがより望ましい」と考えているだけに、当日の天候、馬場状態がクリンチャーにとっての大きなカギとなりそうです。
もう一頭、日本にゆかりのある馬と言えば地元フランスのダービー馬スタディオブマン(Study of Man)。
「海外のディープインパクト産駒」と言えば、今年サクソンウォリアーが大きな注目を集めていましたが「ダービー制覇」を達成したのはこのスタディオブマンでした。
今回初の2400mとなりますが、デビューから手綱を取り続けるS.パスキエ騎手からは歓迎の声。同馬にも注目が集まります。
そのほか、10戦7勝複勝圏率100%、G1レース3勝と、華々しい実績を誇るクラックスマン(Cracksman)が13.00倍となっていますが、こちらは馬場を理由に回避の可能性もあります。
日本ではファインニードルがG1を制し、勢いに乗る「ゴドルフィンブルー」からはヴェルメイユ賞(海外G1、2400㍍・芝)を制したカイトサーフ(Kitesurf)が出走予定。
かなり骨っぽいメンバーが揃った今年の凱旋門賞は10月7日の日曜日、日本時間23時5分に発走予定となっています。