アメリカンフットボール、ベースボール、バスケットボールと並び北米4大スポーツリーグの一つに数えられるアイスホッケーの世界最高リーグ、NHL。その新シーズンが現地10月3日(水)にスタートします。
102回目のシーズンとなる2018-19年シーズンを迎えるNHLを制し、世界最強のアイスホッケーチームという称号を手に入れるのはどのチームとなるのでしょうか。ビットコインなどの仮想通貨が使えるブックメーカー「Sportsbet.io」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
NHLは北米トップクラスの人気を誇るスポーツリーグの一つ
NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)は1917年にカナダで創設されました。1920年代にはアメリカ合衆国にも広がり、その後も対立するリーグを吸収したり、参加チームを増やしたりしてその規模を拡大し、2017-18年シーズンには31チームを数えるまでになりました。
NHLはアメリカ合衆国では4大リーグの残り3リーグとは人気や収益面で差をつけられており、アメリカンフットボールのNFLの優勝決定戦であるスーパーボウルの視聴率(2015年)が47.5%、バスケットボールのNBAファイナル第6戦が13.4%、野球のMLBワールドシリーズ第5戦が10.0%なのに対し、NHLのスタンレーカップファイナル第6戦が4.4%と、NFLと比べれば10分の1ほどとなっています。
近年はサッカーのMLS人気の人気上昇によって4大リーグ4番目の地位を脅かされており、全選手におけるアメリカ人の割合が2割程度と低いこともあってもはや3大リーグであるとの声も上がっています。
しかしNHL発祥地であり、31チーム中7チームが本拠地を置くカナダでは絶大な人気を誇っており、半分近い選手もカナダ出身者が占めているほどです。
伝統あるNHL優勝決定戦、スタンレーカップ
NHLの優勝決定戦はスタンレーカップと呼ばれ、ウェスタンカンファレンス、イースタンカンファレンスの勝者が覇権を競い、最後の戦いを繰り広げます。
その優勝杯はアイスホッケー創成期の1892年に寄贈されたもの(現在は複製品を使用。実物はトロントにあるホッケー殿堂に保管)で、その寄贈者であり、カナダの総督を務めていたフレデリック・スタンレー伯爵の名前が付けられました。
スタンレーカップはNHLよりも古い歴史を持っており、以前は多くのリーグが参加していましたが、1927年からはNHLの優勝決定戦として開催されるようになっています。
昨年度はキャピタルズが史上初のスタンレーカップ制覇を達成
2017-18年シーズンのスタンレーカップを制したのはイースタンカンファレンス王者のワシントン・キャピタルズ。ワシントンDCに本拠地を置く強豪が初めてのチャンピオンの座を獲得しています。
キャピタルズの対戦相手となったのは2017年に創設されたばかりで、このシーズンがチーム創設1年目であったベガス・ゴールデン・ナイツ。ラスベガスを本拠地とする同チームはいきなりディビジョン、カンファレンスを制覇し、チャンピオンの座まであと一歩というところまで登りつめました。
スタンレーカップ第1戦でキャピタルズを6-4で破り、チャンピオンへの夢が大きく膨らんだものの、リーグ屈指の名選手アレクサンダー・オベチキンを擁するキャピタルズがここから本領を発揮。怒涛の4連勝を飾り、一気にスタンレーカップをその手にすることに成功しました。
MVPにはキャピタルズの主将、アレクサンダー・オベチキンが選ばれています。
優勝候補筆頭はメイプルリーフス!躍進のライトニングとプレデターズがそのあとに続く
【NHL2018-2019優勝オッズ】
※オッズは3日午前8時現在
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<「NHL2018-2019最新オッズ情報」byウィリアムヒル>
ブックメーカー「Sportsbet.io」が発表する優勝候補のトップに立ったのはトロント・メイプルリーフス。スタンレーカップ13回優勝を誇る古豪がオッズは8.60倍で優勝候補筆頭となりました。
2番手は昨シーズンのカンファレンスファイナルでキャピタルズに敗れたタンパベイ・ライトニング。オッズは9.40倍となっています。
そして3番手には2018年にレギュラーシーズンで最多の勝ち点を獲得したチームに贈られるプレジデンツ・トロフィーを獲得したナッシュビル・プレデターズと、過去スタンレーカップ優勝6回のボストン・ブルインズが同率で11.00倍となりました。
前年度のチャンピオンであるワシントン・キャピタルズと、同じく前年度のファイナリストであるベガス・ゴールデン・ナイツは13.50倍でともに8番手タイに並んでいます。
驚異の若手が古豪メイプルリーフスにかつての栄光を取り戻させるか
NHLでもっともファンの数が多く、同時に最も多くのアンチも抱えているとされるメイプルリーフス。ホームの試合はもちろん、アウェーの試合でもメイプルリーフスファンが駆けつけ、白熱する姿が常に見られています。
そんなトロントで一番注目の選手はオーストン・マトュース。21歳と若い選手ですが、2016年にNHL入りするとそのデビュー戦となった開幕戦でまさかの4ゴールを達成。NHL100年の歴史で初めての快挙となりました。
そのままの勢いで新人王に当たるカルダー記念賞を獲得し、さらには2017年と2018年には2年連続でオールスターゲームにも出場するなど順調な成長を続けるマトュースが、メイプルリーフスを再び頂点に押し上げる日は遠くないかもしれません。
スーパースター候補とともに、ライトニングが昨年の雪辱に挑む
2003-04年以来となるスタンレーカップ制覇を目指すタンパベイ・ライトニング。昨年はファイナル進出まであと一歩というところまで迫ったものの、ワシントンの底力の前に3-4で屈し、栄冠を逃しました。しかし、それでも王者ワシントンを一番苦しめたのはタンパベイだといえる結果を残しています。
タンパベイの強みはロシア代表でも中核選手として活躍するニキタ・クチェロフでしょう。昨シーズン296ゴールとNHL全体で最高の得点力を誇ったタンパベイで最も多くのゴールを獲得し、チームのカンファレンスファイナル進出に貢献しました。
アレクサンダー・オベチキンやシドニー・クロスビーに続くスーパースターになることを期待されるクチェロフは、その期待に見合った活躍を見せることができるでしょうか。
上り調子のプレデターズ、悲願の初制覇に手が届くか
昨シーズンはレギュラーシーズンで地区優勝を果たしたものの、ポストシーズンのセカンドラウンドで地区2位のウィニペグ・ジェッツに敗れて下克上を受けてしまったプレデターズ。
しかし、レギュラーシーズンで最多勝ち点を稼いだ強力なチームは今シーズンも健在です。特にチームの中心選手の1人であるゴールテンダーのペッカ・リンネは昨シーズン、ベストゴールテンダー賞に当たるヴェジーナ賞を受賞し、オールスターチームにも選ばれたリーグ屈指のゴーリー。安定した守備はチャンピオンとなるために必須といってもいいだけに、プレデターズは他のチームに対してアドバンテージを持っているといってもいいでしょう。
2016-17年にスタンレーカップファイナルに進出し、2017-18年シーズンにはレギュラーシーズン最多勝ち点を取るなど上り調子の勢いにあるプレデターズは、史上初の栄冠まであともう少しというところまで来ています。