英ダービーと英オークス―。英ダービーは、開催競馬場の名前を取ってエプソムダービーもしくはダービーステークスと呼ばれ、1780年に創設されて今年で236回目を数えます。英オークス(エプソムオークス)はダービーよりも1年早い1779年に創設され、今回で237回目を迎える3歳牝馬限定レースです。ともに12ハロン10ヤードの距離で争われます。
日本ではオークス、そして日本ダービーと5月にそれぞれ行われ、競馬ファンは熱狂しました。オークスではミッキークイーンが、そして5月31日に行われた日本ダービーはドゥラメンテが皐月賞に続く2冠を達成しました。さあ、次は競馬の本場・イギリスのクラシックレースです。
「英ダービー2015」(G1、約2423㍍・芝)が日本時間の7日午前0時30分から、「英オークス」(G1、約2423㍍・芝)がダービー前日となる6日午前0時30分からともにエプソム競馬場で行われます。
英ダービー2015
昨年の英ダービーはアイルランド馬のオーストラリアが勝利しました。最後の直線でのたたき合いを制するなど強い競馬を世界の競馬ファンに見せつけました。さあ、今年はどの3歳馬が英ダービーを制するのでしょうか?競馬でお馴染みの英国ブックメーカー(スポーツブック)「William Hill(ウィリアムヒル)」が単勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【英ダービー2015単勝オッズ】
※オッズは1日午後8時現在
地元・イギリスのゴールデンホーン(Golden Horn)が2.75倍で1番人気となっています。2番人気にはアイルランドのゾウラック(Zawraq)で5.50倍のオッズとなっています。続いて、ジャックホブス(Jack Hobbs)が6.50倍、エルムパーク(Elm Park)が7.50倍とイギリス勢があとを追います。
ゴールデンホーンは、英ダービーへの事前登録を行っていなかったために追加登録料(€75000=約1019万円)を支払っての今回の英ダービー挑戦となります。裏を返せば、それだけの力が付いてきたということでしょう。今年の凱旋門賞の単勝オッズ(ウィリアムヒル発表)では13.00倍で4番手人気につけています(6月1日現在)。実際にブックメーカーでは1番人気に推されていますし、前走となった5月14日のダンテS(英G2、約2092㍍)でも2着馬に3馬身近く差をつけて優勝しています。また、ダービーやオークスを目指す馬が出場する今年4月の「フェイルデンステークス」(英、約1811㍍)でも勝っており、これまで3戦3勝と負けなし、無敗で英ダービー制覇を狙います。
2番人気のゾウラックは、前走の「愛2000ギニートライアルS」(1マイル=約1609㍍)で2着馬に3馬身以上の差をつけて、デビューから2連勝で力の差を見せつけています。ただ、ゾウラックはまだマイル戦では戦えることを証明しましたが、2400㍍のダービーへの距離適性があるかどうかは判断が分かれているようです。とはいえ、ゾウラック陣営ではもともとダービー候補として育成されていて、5月の愛ダービートライアルS(G3、10ハロン)を避けて、ダービーに照準を合わせてきたので「距離適性有」と判断されたと考えられます。
ダンテSでゴールデンホーンの末脚の前に敗れて2着だったジャックホブスは、今年の初戦となった4月24日のハンディ戦で2着に12馬身差をつける圧勝でその強さを印象付けました。英ダービーでゴールデンホーンへのリベンジを虎視眈々と狙っています。
エルムパークは昨年のレーシングポストT(英G1、約1609㍍・芝)を制して英ダービー制覇への期待が一挙に高まりました。しかし、今シーズン初戦のダンテSでは同じくゴールデンホーンの末脚に屈して3着となり、人気を少し落としています。G1馬の名にかけても英ダービーでは雪辱したいところでしょう。
【英ダービー2014(優勝:オーストラリア)】
英オークス
英ダービーよりも長い歴史を持つ英オークスの昨年のレースを制したのはタグルーダでした。タグルーダはこのレースをある意味ステップにして、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSも制しました。そのまま凱旋門賞にも挑戦し3着となり、そのまま引退して繁殖牝馬となりました。第237回目の英オークスはどの3歳牝馬が制するのでしょうか?ブックメーカー「ウィリアムヒル」が単勝オッズを発表しているので見てみましょう。
【英オークス2015単勝オッズ】
※オッズは1日午後8時現在
1番人気はレガティッシモ(Legatissimo)で3.75倍のオッズが付いています。クリスタルズヴィズダー(Crystal Zvezda)が4.50倍で2番人気、3番人気にはダイアモンドサンドルビーズ(Diamondsandrubies)とジャックネイラー(Jack Naylor)が9.00倍のオッズとなっています。
優勝最有力に挙げられている6戦3勝のレガティッシモは、前走(5月3日)の1000ギニーS(G1、約1609㍍・芝)を日本でもおなじみのライアン・ムーア騎手を鞍上に制覇して、満を持して英オークスに挑みます。2000ギニーSと同じく直線のみで行われるレースが1000ギニーSです。スピードもスタミナも英オークスを勝てるだけの力はあるので、あとはコーナーリングがきっちりできれば、戴冠の第1候補は揺るがないでしょう。
クリスタルズヴィズダーには、今シーズンで引退することを明かしたリチャード・ヒューズ騎手が、英オークス最後となる手綱を握ります。日本でもレース経験があり、騎手としては大柄となる178㌢の長身騎手としても知られています。さらに、2013年の英オークスでタレントに鞍上して勝利もしています。「クリスタルズヴィズダーは英オークスで乗りたかった馬だった」と語るヒューズ騎手が最後の英オークスを相思相愛の愛馬で勝てるかに期待が集まります。
【英オークス2014(優勝:タグルーダ)】
日本のオークス、ダービーの次は本家本元の英オークス&英ダービーをブックメーカーで楽しんでみてはいかがでしょうか?英オークスは日本時間の6日午前0時30分、英ダービーは同7日午前0時30分の発走予定です。