全英オープンが終わり、8月9日(木)からは今年最後のメジャー大会である「全米プロゴルフ選手権」が始まります。しかしその前に、いわばその前哨戦であり、メジャー大会に次ぐ格式を誇る大会、WGCブリヂストン招待の開催が控えています。
2018年のブリヂストン招待は8月2日(木)にスタートし、8月5日(日)に決着の時を迎える日程となりました。
前回優勝者松山英樹の連覇にも期待がかかるこの一戦の優勝オッズをブックメーカー「10Bet」が発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
4大メジャーに次ぐ格式を誇るかつての世界最強決定戦
ブリヂストン招待が創設されたのは1962年。当初は4大メジャー大会の制覇者のみが参加できる、真の世界一を決める戦いとしてスタートしました。
第1回大会は全米オープン覇者のジャック・ニクラス、マスターズと全英オープンの覇者アーノルド・パーマー、全米プロの覇者ゲーリー・プレーヤーというレジェンド中のレジェンド3人で行われています。
1976年からはPGAツアーの公式戦となり、1999年からは4大メジャーに次ぐ格式を誇る世界ゴルフ選手権の1つとして開催されるようになりました。
1984年には日本のNECがスポンサーとなってNECワールドシリーズ・オブ・ゴルフ、1999年からはNECインビテーショナル、そして2006年からは同じく日本のブリヂストンがスポンサーとなり、現在の名称に変更されています。
会場は「モンスター」擁する高難度コース
開催コースはアメリカ・オハイオ州アクロンにあるファイアストーン・カントリークラブ。タイヤメーカーのファイアストーンが社員の福利厚生のために作ったことが始まりとなるクラブです。
このコースの一番の特徴はなんといってもパー5の16番ホール。なんと全長667ヤードもある超ロングホールで、あのアーノルド・パーマーもそのあまりの長さからここでトリプルボギーを叩きました。彼がこのホールを「モンスター」と呼んだとされていることから、それが愛称として定着しています。
ブリヂストン招待は2018年が最後
実は、このブリヂストン招待という名称で、かつファイアストーン・カントリークラブでこの大会が開催されるのは今年で最後となります。
2019年からはスポンサーがフェデックスに変更となり、大会名称もフェデックス・セント・ジュード招待に。開催場所もフェデックスが本社を置くテネシー州メンフィスにあるTPCサウスウインドに変更となりました。
創設以降1度の例外を除いてずっとファイアストーンで開催されてきた同大会。2018年度は歴史に残る大きな節目の大会となりそうです。
2017年は松山が2位に大差をつけてWGC2勝目を飾る
2017年度のブリヂストン招待を制したのは日本の松山英樹。日本人として史上初の同大会制覇となりました。
最終日の時点で当時世界ランキング3位の松山は首位と2打差の4位。しかしその最終日で1イーグル7バーディー、ノーボギーの61という驚異的な数字をたたき出し、2位に一気に5打差を付ける通算16アンダーで見事逆転優勝を飾っています。
これで2016年のWGC HSBCチャンピオンズに続く世界ゴルフ選手権(WGC)2勝目、アメリカツアー5勝目となりました。メジャー大会制覇に向けても大きく期待を高める勝利となったといえるでしょう。
優勝オッズ
【WGCブリヂストン招待2018優勝オッズ(上位)】
※オッズは31日午前8時現在
<10Bet 登録方法>
日本語にも対応しているブックメーカー「10Bet」が発表したWGCブリヂストン招待2018優勝オッズによると、ダスティン・ジョンソンが8.00倍で優勝最有力に挙げられています。
2番手にはローリー・マキロイで11.50倍、3番手にはタイガー・ウッズで12.50倍、4番手にはジャスティン・ローズで14.50倍と続いています。
日本の松山英樹は17番手の41.00倍と厳しい評価を下されていますが、この下馬評を覆すだけの力は持っています。逆に言うと、松山支持のスポーツベッターはこのオッズは“おいしいオッズ”として喜んでいるのではないでしょうか。
完全復活へ!タイガーが5年ぶり9度目の制覇を目指す
長い低迷を抜け、タイガーがついに復活を果たそうとしています。先日の全英オープンでは最終日に一時首位に立つなど、優勝争いに大きく食い込みました。
結果は首位と3打差の6位タイとなりましたが、まだまだその実力はメジャー制覇を達成しうるレベルにあると証明しています。
ブリヂストン招待はタイガーにとって過去8回も制覇した相性のいい大会であり、2013年に最後に優勝したツアーでもあります。今大会をタイガーが制し、彼の完全復活を宣言する舞台となるのかもしれません。
悲願の世界1位まであと一歩!38歳ローズ勝利なるか
38歳にして自身最高位の世界ランキング2位に位置しているジャスティン・ローズ。悲願の1位まであと一歩のところまで来ています。
17歳のアマチュア選手時代の1998年にいきなり全英オープンで4位入賞し、時代の寵児となったローズですが、その後なかなか大きなタイトルには恵まれず、厳しい時を過ごしました。
それでも負けなかったローズは2013年の全米オープンで32歳にしてメジャー初制覇。そして2016年のリオ・デ・ジャネイロ五輪では見事金メダルに輝いています。
そして今年の全英オープンではフランチェスコ・モリナリに一歩譲るも2位タイに。十分にメジャータイトルを狙える位置にいることを示しました。
ローズはブリヂストン招待を勝利し、世界ランキング1位への大きな足掛かりとしたいところです。
松山は昨年制した同大会を再起のきっかけとしたい
昨年のブリヂストン招待以降は優勝がなく、苦しんでいる松山。先日の全英オープンも2日目18番ホールでトリプルボギーを叩くなど不調で、メジャーでは一昨年の全英オープン以来となる予選落ちの屈辱を喫しました。
7月22日付の世界ランキングでは16位となり、昨年のブリヂストン招待時点での3位から1年で13位順位を下げてしまっています。
それだけに、昨年の成功の記憶が新しいこのブリヂストン招待は再起へのいいきっかけとなるはずです。日本のエースは再び世界トップレベルに返り咲けるでしょうか。