UEFAチャンピオンズリーグに次ぐヨーロッパ第2の国際カップ戦、UEFAヨーロッパリーグもまもなく開幕の時を迎えようとしています。
各国の強豪クラブが集結するこのビッグタイトルを今シーズン獲得するのはどこなのでしょうか。日本人所属クラブの戴冠にも大きな期待がかかるところです。
日本語に対応していないにもかかわらず日本でも人気のブックメーカー「bet365」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
昨年度ELを制したのはチェルシー!ダービーを制し、2度目の栄冠に輝く
2018-19年のEL決勝戦の組み合わせはチェルシー対アーセナル。UEFAチャンピオンズリーグ決勝同様、イングランド勢同士の対戦となりました(CLはリバプール対トッテナム・ホットスパー)。
チェルシーとアーセナルはロンドンを代表する2クラブとして、その戦いはビッグロンドンダービーと呼ばれる非常に熱狂的なライバル関係にあり、まさに歴史的な一銭となっています。
アゼルバイジャン・バクーのバクー・オリンピックスタジアムで行われた決戦で最初に動いたのはチェルシー。後半開始早々、49分にオリビエ・ジルーのゴールで先制しました。
さらに60分にペドロ、65分にエデン・アザールが続けてゴールを決め、3-0と一気に突き放す展開に。69分にはアーセナルがアレックス・イウォビのゴールで追いすがるも、72分に再びアザールがゴールを決め、勝負あり。4-1でチェルシーが6年ぶり2回目のEL制覇を果たしています。
今季のELに日本人8選手が参戦!2002年小野以来の優勝目指す
今シーズンのELに参加する日本人選手は8選手。アイントラハト・フランクフルトの長谷部誠と鎌田大地、PSVの堂安律、ポルトの中島翔哉、AAゲントの久保裕也、FKパルチザンの浅野拓磨、AZの菅原由勢、CSKAモスクワの西村拓真がヨーロッパ第2の国際カップ戦に挑みます。
長谷部、鎌田のフランクフルトは優勝候補アーセナルと同組のグループF。ここで首位突破ができれば、優勝も決して夢ではありません。
堂安のPSVはポルトガルの名門スポルティングCPと同組のグループD。こちらもぜひ首位突破を目指したいところです。
中島のポルトはスイスのヤングボーイズ、スコットランドのグラスゴー・レンジャーズ、オランダのフェイエノールトと格下揃いといっていいグループG。首位突破はノルマといってもいいでしょう。
西村のCSKAモスクワのグループHで対抗馬となるのはスペインのエスパニョールでしょう。ホームでは宿敵バルセロナにもしばしば勝利を収めるほどの油断ならない相手です。
久保のAAゲントはヴォルフスブルク、サンテティエンヌ、FCオレクサンドリーヤと頭の抜けた強豪不在のグループI。AAゲントのグループ突破の可能性は高いはずです。
浅野のパルチザンと菅原のAZはグループLで同組に。頭一つ抜けるマンチェスター・ユナイテッドに次ぐ2位突破争いは壮絶なものとなりそうです。
優勝オッズはユナイテッドがトップに!中島のポルトも優勝候補に挙がる
【UEFAヨーロッパリーグ2019-2020優勝オッズ】
※オッズは19日午前8時現在
<UEFAヨーロッパリーグ2019-2020最新オッズ情報>
ブックメーカー「bet365」による優勝候補筆頭はマンチェスター・ユナイテッド。オッズは6.00倍となりました。近年の不振を吹き飛ばすためにも、タイトルがほしいところです。
2番手は昨年度ファイナリストのアーセナルで7.50倍。今年もイングランド勢が再び決勝戦で対決することとなるかもしれません。
3番手はセビージャで15.00倍。2013-14年からELを3連覇した経験を持つ強豪が再びの戴冠に挑みます。
4番手はウルヴァー・ハンプトンで17.00倍。2016年に中国資本に買収されて以降、超大物代理人ジョルジュ・メンデスの後ろ盾もあって急速に成長を遂げているイングランドのクラブが優勝に名乗りを上げました。
5番手はASローマで21.00倍、中島のポルトは8番手の34.00倍となっています。そのほか、堂安のPSVが9番手タイの51.00倍、長谷部と鎌田のフランクフルトと西村のCSKAモスクワが12番手タイの67.00倍、菅原のAZが26番手タイの151.00倍、久保のAAゲントと浅野のパルチザンが31番手タイの201.00倍となっています。
補強に大金投じるも成果はまだ出ず。名門復活へユナイテッドはタイトルを
普請からの脱却を狙うマンチェスター・ユナイテッドは夏の移籍市場でCBハリー・マグワイアとSBアーロン・ワン・ビサカを獲得して最終ラインを大幅に強化。世界最強クラスの陣容を完成させました。
しかし、主軸中の主軸であるポール・ポグバの移籍問題や、ロメル・ルカクとアレクシス・サンチェスが抜けた前線の穴埋めなど、多くの問題を残したまま移籍市場が閉幕。開幕戦のチェルシー戦こそ4-0と大勝しましたが、その後は格下相手に勝利を奪えない日々が続いています。
来シーズンの欧州カップ戦出場権獲得さえ危ぶまれる中、かつてヨーロッパサッカーを支配した超名門ユナイテッドは復活への一歩を踏み出せるでしょうか。
“無敵艦隊”復活へ、エメリ体制のもとアーセナルが勝負の一年に出航する
アーセナルは昨シーズン決勝戦に進出するも、ローカルライバルであるチェルシーの前に非常に悔しい敗戦を喫してしまいました。
今シーズンはチェルシーからCBダヴィド・ルイスをフリーで獲得したほか、レンタルでレアル・マドリッドのMFダニ・セバージョス、セルティックのSBキーラン・ティアニー、リールのFWニコラ・ペペら即戦力の実力者を多く獲得。チーム全体の戦力を大きく向上させることに成功しています。
スタッフ陣も多くが入れ替わり、アーセン・ベンゲル体制から本格的にウナイ・エメリ体制に移行。今年が本当の意味で勝負の一年となるでしょう。かつて無敗を誇った“無敵艦隊”アーセナルの姿が今年こそ復活するのかもしれません。
中島擁する名門ポルト、ELで2011年以来の戴冠なるか
ポルトガル屈指の名門ポルト。2010-11年にはELを制覇。その後も主にはCLを舞台に戦い、昨シーズンはCLで準々決勝にまで進出しています(王者リバプールに敗退)。
今シーズンのポルトは中島のほか、コロンビア代表FWルイス・ディアスやカーボベルデ人FWゼ・ルイスらを獲得。昨シーズンまで攻撃の中心を担っていたアルジェリア代表FWヤシン・ブラヒミの穴を彼らが埋めることができるかが今シーズンの成否を決めるといっていいでしょう。
中でも中島にかかる期待は絶大なもの。ポルティモネンセ時代にはポルトを相手にもゴールを奪っており、その実力は多くのファンが十分に理解しています。
ポルトで攻撃の要となることができればかつてのデコ(バルセロナに移籍)やラダメル・ファルカオ(アトレティコ・マドリッドに移籍)らのようにメガクラブへの道も開けるはず。ポルトの優勝、そして中島の大活躍に期待したいところです。