2019年最初の大一番、全豪オープンがいよいよ開幕です。今年は1月14日に開幕し、27日に決着を迎える予定となっています。
夏真っ盛りで灼熱の大地と化しているオーストラリアで、1年最初のグランドスラムを制して最高のスタートを切る選手は誰となるのでしょうか。
1934年に設立され、スポーツのみならず政治関係のオッズにも対応、日本向けにも特別オプションが準備されるなど幅広いオッズが用意されているイギリスの老舗ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
最も”熱い”グランドスラム、全豪オープン
毎年1月下旬にオーストラリア第2の都市メルボルンで開催される全豪オープン。全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープンと並んでグランドスラムに数えられ、シーズン開幕後最初のビッグトーナメントとしても高い格式を誇る大会です。
南半球に位置するオーストラリアで開催されることから、真冬の国から真夏の国に訪れるという気候の激変や、長距離移動と大きな時差といった厳しい条件から、非常に番狂わせの多い大会としても知られています。
開催場所のメルボルン・パークはメルボルン市街近くに位置し、センターコートで収容人数15,000人のロッド・レーバー・アリーナのほか、同10,500人のハイセンス・アリーナ、同7,500人のマーガレット・コート・アリーナの3つの開閉式屋根付きの競技場を含め、26面ものコートを備えた大規模施設です。
また、全豪オープンは真夏の開催であることから、熱中症を防ぐために一定の条件下で試合開催を遅らせたり、屋根を閉めて試合を行ったりすることを規定するエクストリーム・ヒート・ポリシーが採用されています。
オーストラリアという環境で行われることで起きる特異な状況も、全豪オープンの楽しみの一つといえるでしょう。
男子はフェデラーが2連覇!女子はウォズニアッキが初のグランドスラム制覇
2018年大会の男子シングルスを制したのはロジャー・フェデラー。クロアチア人として男女通じて初めて全豪オープンの決勝に進出したマリン・チリッチを破り、2017年に続いて2連覇を達成。
この勝利によって自身が持つグランドスラム男子シングルス最多優勝記録を20回に、さらにグランドスラム決勝進出回数を30回に更新しています。
なお、日本の錦織圭は怪我の影響で欠場。西岡良仁と杉田祐一は2回戦、ダニエル太郎は1回戦で敗退しました。
女子シングルスを制したのはデンマークのキャロライン・ウォズニアッキ。3度目のグランドスラム決勝(全米オープン2回)にして、悲願の優勝を達成。世界ランキング1位への返り咲きも果たしています。
決勝の対戦相手のシモナ・ハレプも3度目のグランドスラム決勝。こちらも初優勝を期して臨みましたが敗戦を喫し、同時にそれまで保持していた世界ランキング1位の座も明け渡す結果となりました。
日本の大坂なおみは4回戦でそのハレプにストレート負け。その他、日比野菜緒、奈良くるみ、江口実沙が1回戦で敗退しています。
男子はジョコビッチ、女子はセリーナがトップに!錦織と大阪も優勝候補に名が挙がる
【全豪オープン2019男子シングルス優勝オッズ】
※オッズは12日午前8時現在
<ウィリアムヒル 登録方法>
ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」発表のオッズ2.10倍で男子シングルス優勝候補筆頭に挙げられたのはノバク・ジョコビッチ。3年ぶりの王座奪還に最大の期待がかかりました。
2番手は現在2連覇中のロジャー・フェデラーで5.50倍。3番手はラファエル・ナダルで10.00倍となっています。続いて4番手にアレクサンダー・ズベレフが12.00倍。ここまでが有力な優勝候補と呼ぶことができるでしょう。
そして5番手タイにカレン・ハチャノフとケビン・アンダーソン、そして日本の錦織圭がオッズ26.00倍で挙げられています。また、今季限りで引退を発表したアンディ・マレーは51.00倍のオッズとなっています。
その他、日本人選手ではダニエル太郎と西岡良仁、伊藤竜馬の3選手に501.00倍のオッズが付けられました。
【全豪オープン2019女子シングルス優勝オッズ】
※オッズは12日午前8時現在
女子シングルスの「William Hill(ウィリアムヒル)」優勝オッズでトップに立ったのはセレーナ・ウィリアムズ。実績では間違いなく現役最高の女王に5.50倍のオッズが付けられました。
セレーナの対抗馬筆頭に挙げられたのは世界ランキング2位のアンゲリク・ケルバーで、オッズは8.00倍。続いて同4位の大坂なおみと同11位のアーニャ・サバレンカが12.00倍であとを追う展開となりました。
5番手タイには同6位のエリナ・スビトリーナと同7位のカロリーナ・プリスコバが15.00倍で続いています。
その他、日本人選手は土居美咲に501.00倍のオッズが付きました。
歴代最多優勝へ、ジョコビッチとフェデラーの戦いに注目が集まる
今大会の一番の注目は、ノバク・ジョコビッチとロジャー・フェデラー、どちらが優勝を果たして歴代最多優勝回数を更新するのかということでしょう。
2008年から2016年にかけての9年間において3連覇を含め6度の優勝を果たしたジョコビッチと、一度は終わった選手と思われながらも見事な復活を果たして直近の2大会を連覇しているフェデラー。どちらが勝っても不思議ではありません。
ジョコビッチは昨年ウィンブルドンと全米オープンを制しており、自身3度目となるグランドスラム3大会連続優勝もかかっています。フェデラーは全豪で単独最多優勝者となれば、ウィンブルドンに次ぐ2つ目の栄冠となり、史上最高選手という称号にさらに近づくこととなるでしょう。
間違いなく歴史上最高クラスの2人の争いの軍配はどちらに挙がるのでしょうか。
復活の錦織、大坂に次ぐ日本人2人目のグランドスラムなるか
1月6日に全豪オープンの前哨戦として知られるブリスベン国際を制し、初のグランドスラム制覇へ大きな弾みをつけた錦織。2016年以来3年ぶりの優勝を果たし、通算12個目のタイトル獲得としました。
この3年間というもの決勝戦で9回も連敗しており、大一番での勝負弱さを指摘されていましたが、ブリスベンでは世界ランキング16位のダニール・メドベージェフ(ロシア)を相手にフルセットの末に勝利。一皮むけた姿を見せることができています。
2018年は大怪我から復帰し、ウィンブルドンでベスト8、全米オープンでベスト4など好成績を残し、世界ランキングでもトップ10に返り咲きました。20代最後の1年となる2019年はいよいよ悲願のグランドスラム制覇といきたいところです。
歴代最高まであと一歩。出産を経験したセリーナが完全復活に近づく
1970年代にマーガレット・スミス・コートが記録したグランドスラム歴代最多優勝回数24回にあと1回と迫っているセリーナ・ウィリアムズ。名実ともに史上最強と呼ばれるにふさわしい成績まであと一歩となりました。
2017年から妊娠のため4大会連続で欠場しましたが、復帰した2018年はウィンブルドンと全米オープンで決勝進出するなど、女王の実力は決してさび付いていないというところを見せつけています。
欠場した2018年を除けば、全豪オープンは過去3年で2回優勝、1回準優勝という得意な大会です。ママでも金、ならぬママでのグランドスラム制覇、となるでしょうか。
大坂、全米に続いて全豪も制して日本人初の世界ランク1位へ
2018年8月の全米オープンでセレーナ・ウィリアムズを破って優勝を果たし、日本人として初めてグランドスラムシングルスの優勝者となった大坂なおみ。
弱冠20歳でのグランドスラム制覇、そしてセレモニーで受けた差別的なブーイングに対する落ち着いた態度は日本のみならず世界的に注目され、賞賛の的となりました。
2018年の全豪オープンでは世界ランキング1位のハレプの前に敗れましたが、その後3月のインディアンウェルズ・マスターズではストレート勝ちで雪辱に成功。世界ランキング1位にさえ勝ちうる実力を示しています。
10月には錦織圭と伊達公子に並ぶ日本人最高記録タイの世界ランキング4位にまで登りつめました。まさに旭日の勢いの大阪。全豪オープンを制して日本人未踏のさらなる高みに達するまで、あともう少しです。