昨年の凱旋門賞馬イネーブルの復帰戦完勝劇に沸いた欧州競馬。日本競馬と同じく、秋のG1戦線へ向け、有力馬たちが休養から復帰し、各陣営着々と準備を整える。競馬ファンなら誰しもが心躍る季節でもあります。
そんな盛り上がりを見せる欧州競馬ですが、今週は15日に開催されるアイルランドのレパーズタウン競馬場より、15日に開催されるアイルランド中距離王決定戦「アイリッシュチャンピオンステークス(海外G1、約2012㍍・芝)」。
そして、イギリスはドンカスター競馬場よりイギリスクラシック三冠最後の一冠にして世界最古のクラシックレース。同じく15日に行われるセントレジャーステークス(海外G1、2921㍍・芝)の2レースの見どころをお伝えします。
アイリッシュチャンピオンステークス2018
アイルランドの中距離チャンピオンを決めるのがこのアイリッシュチャンピオンステークス。
これまでの勝利馬にはファンタスティックライト、シーザスターズ、スノーフェアリー、古くはピルサドスキーやサドラーズウェルズなど…。日本の競馬ファンであっても一度は聞いたことのあるようなビッグネームがずらりと並ぶ、世界的注目レースでもあります。
果たして、そんな一戦を今年勝利するのはどの馬か。まずはブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【アイリッシュチャンピオンステークス2018オッズ】
※オッズは13日午前9時現在
<ウィリアムヒル 登録方法>
2.00倍で一番手評価となっているのがエクリプスステークス(海外G1、2000㍍・芝)、イギリスインターナショナルステークス(海外G1、2100㍍・芝)と、現在G1レース2連勝中のロアリングライオン(Roaring Lion)です。
圧巻だったのは前走のイギリスインターナショナルステークス。このレースの1番人気はプリンスオブウェールズ、キングジョージと、2018年のイギリス主要G1レースを総なめにしていたポエッツワード。ロアリングライオンは2番人気となっていましたがそんな評価を見事に覆す勝利。
確かに、3.5キロという斤量差は決して小さいものとは言えませんが、それでも3馬身以上突き放しての勝利であることを考えれば、ロアリングライオンに一定以上の評価を与えてしかるべき内容の一戦でした。
そんなロアリングライオンの背中を追う形になっているのが、4.33倍で二番手評価のサクソンウォリアー(Saxon Warrior)。
日本のノーザンファーム生産にして、ディープインパクト産駒ということもあり大きな注目を浴びた春シーズン。4連勝でイギリス2000ギニー(海外G1、1600㍍・芝)を勝利し、イギリスダービー最有力候補とまで呼ばれていましたが4着と奮わない結果に。その後も「好走こそすれど勝利には至らない」というレースが続く結果となりました。
路線を中長距離に絞った結果、勝ち切れていないだけに、一部では「マイルのほうがいいのではないか?」という声も挙がるサクソンウォリアー。このアイルランドインターナショナルステークスが大きな試金石となるのは間違いないでしょう。
「もう一頭のディープインパクト産駒」にも注目が集まります。今年のフランスダービー(海外G1、2100㍍・芝)を制したスタディオブマン(Study of Man)。こちらは前走の敗戦もあってか、8.00倍とやや高めのオッズとなっています。
セントレジャーステークス2018
イギリスクラシック三冠及び、イギリス牝馬クラシック三冠の最終戦を飾るのがドンカスター競馬場で開催されるセントレジャーステークス(海外G1、2921㍍・芝)。長距離G1レースで、日本のクラシック三冠、菊花賞のモデルにもなりました。
今年で242回目を迎える伝統ある一戦にして最後の一冠、その栄光をつかむのはどの馬か、まずはこちらもブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【セントレジャーステークス2018オッズ】
※オッズは13日午前9時現在
2.75倍で一番手評価となっているのはキューガーデン(Kew Gardens)。
前々走のパリ大賞典(海外G1、2400㍍・芝)を勝利した後、陣営としてはキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスを目指す予定でしたが、血液検査の結果回避を発表。直前のブックメーカーのオッズでは三番手評価にまで急上昇していた一頭だけに注目していたファンも多かったことでしょう。
前走のグレートヴォルティジュールステークス(海外G2、2400㍍・芝)では3着に敗れはしたものの、大一番に向けて調整していたことへの頓挫や2.5キロ重い斤量などを考えればそこまで悲観する内容でもないという見方が強く、今回の最有力候補であることに変化はありませんでした。
管理するのはあのA.オブライエン。そして鞍上は厩舎の主戦であるR.ムーア騎手。
ムーア騎手を配し続けていることからも、オブライエン厩舎は今年この馬で凱旋門賞を狙う気満々といったところでしょうか。それだけにここは好走を期待したいところでしょう。
この時期の3歳馬といえば注目なのが「遅れてきた主役」「夏の上り馬」ー。今回、そんな存在となっているのが牝馬のラーティダー(Lah Ti Dar)。オッズは2.87倍となっています。
父は大種牡馬ドバウィ。母も、あのブエナビスタをドバイシーマクラシックで破ったダーレミという超良血馬。春先には「オークス最有力」とまで言われていましたが、こちらも血液検査の結果で春シーズンを休養にあてなければいけないこととなりました。
そして、迎えた復帰戦ではブランクを感じさせない素晴らしい走りで圧勝。能力の高さを改めて感じさせる内容でした。
Whatever you can do…
One-time Oaks favourite Lah Ti Dar powers clear in the British EBF & Sir Henry Cecil Galtres Stakes to justify 4-6 favouritism. pic.twitter.com/2X429VOxsx
— York Racecourse (@yorkracecourse) 2018年8月23日
ここまで負けなしの3戦3勝。本レースのみならず「凱旋門賞有力候補」とまで言われ始めたその走りに注目が集まります。
グレートヴォルティジュールステークスにおいてキューガーデンに勝利したのがオールドペルシアン(Old Persian)。キューガーデンの実績やローテーション的事情、斤量が1キロ軽かったことを鑑みてか、勝利したにもかかわらずオッズ的には7.00倍となっています。