全米大学体育協会(NCAA)のカレッジフットボールのボウルチャンピオンシップシリーズ(Bowl Championship Series=BCS)が、日本時間の1月2日から行われます。
BCSは5つの権威あるボウルゲームで構成されています。ローズボウル、シュガーボウル、フィエスタボウル、オレンジボウルの4つのボウルゲームに加えて、2007年(2006年シーズン)からは、BCSナショナルチャンピオンシップゲームが開催されるようになり5つに増えました。
BCSナショナルチャンピオンシップゲームは、BCSランキング1位と2位のチームが全米No.1をかけた試合で、2006年(2005年シーズン)までは4つのボウルゲームが持ち回りでその役割を担っていました。今シーズンは、BCSランキング1位のフロリダ州立大と同2位のオーバーン大が1月7日の午前10時30分(日本時間)から激突します。この試合に関しては、また別途記事を書く予定ですので、そちらに譲ります。
BCSはちょっと日本には馴染みのないので、ピンと来ない方がいるかと思います。わかりやすく説明してある「Wikipedia」から抜粋したいと思います。
・・・BCSボウルゲームの出場校は、原則としてそのシーズンの上位10校であり、6つのBCSカンファレンスの各カンファレンスの優勝校と、一般枠(at-large)で選ばれる4つのチームから。カレッジフットボールでは、いわゆるポストシーズン・プレイオフが行われず、その代わりにレギュラーシーズン終了後にBCSボウルゲームを含む各種ボウルゲームが行われる。ボウルゲームはそれぞれ単発の試合であり、トーナメントないしはリーグ戦形式とはなっていない。・・・【「Wikipedia」より抜粋】
カレッジフットボールについての詳しい情報については、8月に配信した下記の記事をご参考にしていただけたら幸いです。
・全米が大学スポーツに熱狂!NCAAフットボール開幕―昨年の全米王者のアラバマ大や名門・オハイオ州立大が軸
8月から始まったレギュラーシーズンを勝ち抜いて、ローズボウル、シュガーボウル、フィエスタボウル、オレンジボウルの名誉ある4つのBCSに出場するチームが決定しておりますのでご紹介します。でも、ただ紹介するだけでは面白くないので、ブックメーカー「bet365」が発表した勝敗オッズとともに見ていきたいと思います。
【BCSボウルゲームの勝敗オッズ】※オッズは30日午後10時現在
(1)ローズボウル(=1月2日午前7時~)
・スタンフォード大勝利:1.42倍
・ミシガン州立大勝利:2.95倍
(2)フィエスタボウル(=1月2日午前10時30分~)
・セントラルフロリダ大(UCF)勝利:6.00倍
・ベイラー大勝利:1.14倍
(3)シュガーボウル(=1月3日午前10時30分~)
・オクラホマ州立大勝利:5.75倍
・アラバマ大勝利:1.15倍
(4)オレンジボウル(=1月4日午前10時~)
・クリムゾン大勝利:2.25倍
・オハイオ州立大勝利:1.68倍
最初に行われるのは、ローズボウルでPac-12を制したスタンフォード大(APランキング5位)とBig-10を制したミシガン州立大(同4位)が激突します。
スタンフォード大(11-2)は昨年に引き続くローズボウルの出場で、昨シーズンはウィスコンシン大に20-14で勝利しています。2年連続のローズボウル出場のデビッド・ショー(David Shaw)・ヘッドコーチは「昨年は昨年だ。今回は去年とは全く違う準備をしなければならない」と気を引き締めていました。シーズン中の2敗がいずれもランク外のチームからの惜敗でしたので、逆にそれがいい方向に進んでチームの結束力を高めたのかもしれません。
ミシガン州立大学(12-1)はBig-10チャンピオンシップゲームで優勝候補のオハイオ州立大を34-24で下し、アップセットでローズボウル進出を決めました。ミシガン州立大は、この試合前6試合中5試合において相手にタッチダウンを奪われないほどの強力なディフェンスが武器です。しかし、キャリアで299のタックルを記録しているマックス・バロー(Max Bullough)がチーム内でのバイオレーションを犯したため、ローズボウルに出場できなくなりました。この影響がどれほどなのかがこの試合の勝敗を左右しそうです。
フィエスタボウルでは、AACを制したセントラルフロリダ大(UCF、同15位)とBig-12優勝校のベイラー大(同6位)が対戦します。ともに初の(BCS)ボウルゲーム出場となります。
セントラルフロリダ大もベイラー大もともに11勝1敗で、それぞれカンファレンスを制していますが、ランキングの差からもわかるようにベイラー大が断然有利なオッズが予想されています。ベイラー大のQBブライス・ペッティー(Bryce Petty)はタッチダウンパス成功12回、300ヤードゲインの試合が12試合とチームを初のローズボウル出場に鬼神の活躍を見せました。
セントラルフロリダ大のQBブレーク・バートレス(Blake Bortles)は、11月のテンプル大戦で404ヤードを獲得し、4つのタッチダウンを決める活躍を見せました。このバートレスが攻撃ラインを完全にコントロールできれば、セントラルフロリダ大にも勝つチャンスは十分あると思います。
シュガーボウルでは、今シーズンに「スリーピート」をかけていたアラバマ大(同3位)がBig-12の3位・オクラホマ大(同11位)と戦います。
BCSナショナルチャンピオンシップゲームの3連覇を目指して、SECチャンピオンシップゲームに出場したアラバマ大(11-1)でしたが、オーバーン大に28-34でよもやの敗退となり、その偉業をなすことができませんでした。それでも、これまで15回の全米No.1に輝いている強豪チームには変わりありません。逆に、この悔しさをバネにオクラホマ大(10-2)に襲いかかってくるでしょう。オッズを見ても圧倒的にアラバマ大有利ですね。
オレンジボウルは、ACCでランキング1位のフロリダ州立大に次ぐ成績を残したクリムゾン大(同12位)と、ミシガン州立大に敗れたオハイオ州立大(同7位)がぶつかります。
この両チームはオッズを見てもらうとわかる通り最もオッズが拮抗しており、接戦になることが予想されます。オハイオ州立大(12-1)は、今シーズンこそBCSナショナルチャンピオンシップゲーム進出と狙っていましたが、それが叶わなかった失望から立ち直らなくてはなりません。1977年に1度だけオレンジボウルに出場し、その時はコロラド大に勝利しており、選手たちも2度目のオレンジボウル勝利へ気持ちを切り替えていることでしょう。
クリムゾン大(10-2)は、フロリダ州立大と、ライバルであるサウスキャロライナ大に17-31で敗れてシーズンを終えました。勝利した試合の平均得点が45.1点、平均獲得ヤードが534.6ヤードと攻撃力に定評があります。キーマンは、レシーバーのサミー・ワトキンス(Sammy Watkins)で、85回のキャッチで1237ヤードを獲得し、2度目のオールアメリカンに選出されています。
正月2日、3日と日本では「箱根駅伝」が行われますが、それに負けない熱気がアメリカの大学スポーツでも行われます。ボウルゲームは全米でも大注目されていて、年によってはテレビの視聴率がMLBのワールドシリーズを凌ぐほどです。スタジアムは超満員になるこれら4つのボウルゲームに熱狂することから始まる2014年も、エキサイティングでいいのかもしれません。
本日が今年最後の記事となります。今年6月から世界中で行われているスポーツの「面白さ」をブックメーカーのオッズという新しい視点を交えて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
2014年もどうぞよろしくお願いします。1月6日(月)に新年最初の記事を配信予定です。