日本では「メジャーリーグ」や「大リーグ」と呼称されることが多い、MLBことメジャーリーグベースボールが現地時間3月30日から一斉に開幕します。WBCの興奮冷めやらぬまま開幕されるレギュラーシーズンですが、やはり海外で活躍している侍ジャパンメンバーに注目が集まります。特に日本人の心を鷲掴みしたラーズ・ヌートバー選手のレギュラーシーズンでの活躍にも期待が高まるところです。
MLBはナショナルリーグとアメリカンリーグの各15球団、合計30球団により編成されています。各チームはリーグごとに東地区、中地区、西地区に所属し、レギュラーシーズンとポストシーズンを経て、最終的に各リーグの優勝チームがワールドシリーズと呼ばれる優勝決定戦を行い「ワールドチャンピオン」が決まります。2022年はヒューストン・アストロズがフィラデルフィア・フィリーズを下して、5年ぶり2回目のワールドチャンピオンに輝きました。2023年、世界最高峰のプロ野球リーグの頂点に君臨するのはどのチームでしょうか?
今季から導入の新ルール「ピッチ・クロック」とは?
ピッチ・クロック(pitch clock)とは、主にアメリカの大学野球やマイナーリーグで採用されているルールですが、今季からMLBでも導入されることになりました。MLBでは、投手はボールを受け取ってからランナーがいない場合は15秒、ランナーがいる場合は20秒以内に投球動作に入らなければならない等、試合状況によって異なる制限時間を設けています。
それ以外にも、
・打者はピッチクロックが残り8秒以下になる前に打席に入らなくてはいけない。
・捕手は残り9秒以下になる前に、ホームベース後方のボックス内にいなくてはいけない。
などの、細かい規定が決められています。ピッチクロックの違反に対する罰則はそれほど厳しいものではありませんが、打者にとっては大きなインパクトになることもあります。例えば、投手がピッチクロックの残り時間が0秒になる前に投球モーションを開始しなかった場合、打者には1ボールが与えられ、捕手が残り9秒になる前にボックスに入らなかった時も同様です。一方で、打者が残り時間8秒になるまでに打席に入らなかったときは、逆に1ストライクが宣告されてしまいます。新制度の導入は今シーズンの試合展開にどう影響していくのでしょうか?
MLBの展望は「Cloudbet」でご覧頂きながらご紹介に移りたいと思います。
ワールドシリーズ昨年王者のアストロズが連覇なるか!
昨シーズン5年ぶり2度目のワールドシリーズ王者となったヒューストン・アストロズは、米大リーグ公式サイトが発表した「2023年パワーランキング」でも1位に君臨しています。優勝予想オッズを見ても6.99倍と最有力の予想です。昨季3度目のサイ・ヤング賞を受賞したエースのジャスティン・バーランダーがメッツに移籍しても、先発陣は支障がないほどの充実ぶりを見せており、2020年のMVPで通算243本塁打の大砲ホセ・アブレイユーが加入したことも更なる戦力強化となるでしょう。キューバ出身のアブレイユはデビュー年に新人王を獲得したほか、2度の打点王を含め、過去9年間で6回100打点以上をマークしています。そのほかにも攻守で変化はありつつも、2000年台初のワールドシリーズ連覇を狙います。
【MLBワールドシリーズ優勝予想オッズ】
※オッズは27日午後11時現在
2023年ア・リーグのリーグ優勝予想は?
アメリカン・リーグの今季リーグ優勝最有力候補は、ワールドシリーズ優勝予想と同じくアストロズで3.59倍の予想です。先述の通り、昨シーズン優勝したチームは厚い選手層に加え、強力な戦力加入で更に勢いづいています。アストロズに続くのが、ニューヨーク・ヤンキースで予想オッズは4.30倍です。ヤンキースは歴代最多優勝を誇りますが、2009年の優勝以降は13年間ワールドシリーズにも出場していません。世界一王座の奪還へ向けて、カルロス・ロドンや昨季アメリカン・リーグMVPのアーロン・ジャッジとの巨額契約を結びました。戦力強化を計って挑む今シーズンですが、最新の情報ではキャンプの間に先発投手陣の怪我が相次いでおり、当初予定されていた5人のローテーションのうち、残っているのは2人だけという危機的状況に陥っています。果たして無事に復権を取り戻すことはできるのでしょうか?
そして、ア・リーグ優勝予想の3番手は5.71倍の予想で、菊池雄星の所属するトロント・ブルージェイズです。菊池は開幕ローテーション入りが決まり、先日のツインズ戦でも先発、5回を投げ、3安打1四球無失点、9奪三振と強力打線相手に圧巻のピッチングを見せました。メジャー5年目のシーズンにどのような活躍を見せてくれるか注目です。
【MLBアメリカン・リーグ優勝予想オッズ】
※オッズは27日午後11時現在
2023年ナ・リーグのリーグ優勝予想は?
ナショナル・リーグのリーグ優勝最有力は、3年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指すロサンゼルス・ドジャーズで予想オッズは4.33倍です。2021年、2022年は、選手の総年俸が基準額を超えると課せられる「ぜいたく税」の対象となり、2年連続超過による追徴も支払いました。更に、今季オフにフリーエージェントとなる大谷翔平獲得へ向け、補強は控えめにしていることから優勝見込みは例年ほど高くないと評価されていますが、ワールドシリーズの優勝予想では8.49倍とヤンキースと並んで3番手の予想です。
そして、ナ・リーグ優勝予想2番手は、ニューヨークメッツで4.52倍です。メッツが最後にワールドシリーズに出場したのは2015年のことで、この時はロイヤルズに1-4で敗れ、1986年以来の制覇を逃しました。メッツには、今年メジャー初挑戦に挑む千賀滉大が所属しており、開幕4番手として4月3日のマーリンズ戦でデビューする予定です。WBCの決勝ラウンドの舞台となったローンデポ・パークで千賀がどのようなデビューを飾るのかにも注目したいところです。
【MLBナショナル・リーグ優勝予想オッズ】
※オッズは27日午後11時現在
侍ジャパンメンバーの今季の活躍はいかに?
WBCを盛り上げてくれた侍ジャパンのメジャー組の活躍はどうでしょうか?最も注目を集める大谷翔平の所属するロサンゼルス・エンゼルスはリーグ優勝予想22.50倍、ワールドシリーズ優勝予想50.90倍とどちらも劣勢の予想です。エンゼルスは昨季まで8年連続でプレーオフを逃しており、大谷やトラウトなど優れた選手が在籍するものの、貧弱な投手陣や上位とのレベル差の大きい下位打線という課題が未だ改善できないままです。そして、WBCではその全力プレイでチームに勢いをつけ、一躍人気者となったラーズ・ヌートバーが所属するセントルイス・カージナルスは、リーグ優勝11.20倍、ワールドシリーズ優勝22.90倍と中盤よりやや優勢の予想です。ダルビッシュ有所属のサンディエゴ・パドレスはリーグ優勝5.21倍、ワールドシリーズ優勝9.49倍といずれも上位予想。吉田正尚所属のボストン・レッドソックスはリーグ優勝14.20倍、ワールドシリーズ優勝40.90倍とやや劣勢の予想です。球団は異なりますが、侍ジャパンメンバーそれぞれの今季の活躍にも大いに期待したいです。