3大グランツールの初戦「ジロ・デ・イタリア2015」が日本時間の9日に開幕します(日程:5月9日~5月31日)。今年で第98回目となるジロ・デ・イタリアは3大ツールの中で最も過酷なレースと言われており、サン・ロレンツォ・アル・マーレをスタートし、2000メートル級の山々を駆け上がりながらゴールのミラノまで全21ステージ、総距離3481.8キロを激走します。
【ジロ・デ・イタリア2014ハイライト映像】
ジロ・デ・イタリア2015のコースは、平たんコースが7ステージ、山岳ステージが12ステージ、チームタイムトライアル(第1ステージ)と個人タイムトライアル(第14ステージ)がそれぞれ1ステージの全21ステージ、2度の休息日を挟んで争われます。例年よりも山岳の比率が低いと言われていますが、レースディレクターのマウロ・ヴェーニ氏は「1週目で獲得標高差1万㍍を登っている計算なので、下手すると2週目が始まった時点で3〜4分遅れている可能性もある。難関山岳や”落とし穴”が多いので警戒が必要」とコメントしています。
【ジロ・デ・イタリア2015コースと日程】
※「J SPORTS」より抜粋
昨年はナイロ・キンタナが初の総合優勝を果たしたジロ・デ・イタリア。今年の3大ツールの開幕戦を制覇するのはどの選手でしょうか?ブックメーカー(スポーツブック)「888sport」が総合優勝オッズを発表しています。
【ジロ・デ・イタリア2015総合優勝オッズ】
※オッズは4日正午現在
優勝候補の筆頭に挙げられているのがアルベルト コンタドールで、1.80倍のオッズが付いています。2番手には3.00倍でリッチー・ポートがつけています。その二人をリゴベルト・ウランが7.50倍、ヴィンチェンツォ・ニーバリが9.00倍、そしてファビオ・アルが11.00倍で追っています。総合タイム首位の選手のみに着用が許されるピンクのジャージ「マリア・ローザ」を最終ステージを終えて身にまとっているのは誰なのでしょうか。
優勝候補最有力のコンタドールは今年のグランツールに並々ならぬ覚悟で挑みます。「ジロとツールで総合優勝を狙う。グランツールで1勝するのも大変なのに、2勝なんて本当に大変。誰かに言われるわけでなく、ダブルツールに挑戦したいという気持ちが強い」とジロとツール・ド・フランスの2冠を狙っています。コンタドールは、2007年のツール・ド・フランス、2008年のジロ・デ・イタリアとブエルタ・ア・エスパーニャを制して、史上5人目となる生涯グランツール完全制覇を達成しています。昨年のツール・ド・フランスでコンタドールは優勝候補ながら落車で無念の途中棄権。それでもブエルタ・ア・エスパーニャで総合優勝を果たし、今シーズンのグランツール初戦をまずは取りたいところでしょう。
今年1月のオーストラリアロード選手権、3月のステージレース「パリ~ニース」で総合優勝を果たしたポートは、ジロ・デ・イタリアの優勝候補2番手に挙げられています。昨シーズンは不本意なシーズンとなったポートは、シーズンを早めに切り上げて今年のレースで勝つためにトレーニング、調整に励んできました。そして、1月、3月のレースでしっかり勝ち、満を持してジロ・デ・イタリアに挑みます。同僚のクリス・フルームの陰に隠れていたポートがいよいよ表舞台へと登場します。
「(ジロ・デ・イタリアは)総合力のある選手に向いている。近年は総合的に強い選手が有利になっている。グランツールで勝つためにはタイムトライアルと山岳を上手くこなし、過酷な気象条件にも負けないタフさが必要」と語るのが優勝候補のアル。2013年のジロ・デル・トレンティーノで新人賞を獲得し、昨年のジロ・デ・イタリアで総合3位に入った24歳はグランツール初制覇に挑みます。山岳を得意とするアルには地元・イタリアでの優勝が最も手繰り寄せやすいレースになるのではないでしょうか。
2012年のジロ・デ・イタリアの新人賞を取っているウランは、昨年の大会では総合2位に躍進し、今回はもう一つ上の頂点を狙っています。ロンドン五輪(2012年)の個人ロードで銀メダルも獲得しているウランが欲するのはもはや優勝のみでしょう。2013年の王者で、昨年のツール・ド・フランスでマイヨ・ジョーヌ(総合優勝)を果たしたニーバリも2度目の戴冠を射程圏内に捉えています。コンタドールに続き、史上6人目の生涯グランツール完全制覇を成し遂げたイタリアンに期待は高まっています。
日本からはツール・ド・フランス(2009年)で日本人として初めて完走を果たした別府史之や、石橋学が参戦します。第98回ジロ・デ・イタリアは5月9日から31日までの3週間で争われます。
【ジロ・デ・イタリア2015公式プロモーション映像】