【ウィリアムヒル】女子棒高跳びでイシンバエワ有終の美!男子は山本が6位入賞、ハンマー投室伏も―世界陸上モスクワ

エレーナ・イシンバエワ 2013 世界陸上 女子棒高跳び

28度の世界記録を更新してきたエレーナ・イシンバエワ(ロシア)が、ひまわりのような笑顔を地元・モスクワの大観衆と世界中の陸上ファンに魅せました。

2013 世界陸上モスクワ13日に行われた女子棒高跳び決勝で、イシンバエワが4㍍89を一発クリアーし、2007年の大阪大会以来3度目の世界陸上での優勝を果たしました。ライバルのヤリスリー・シルバー(キューバ)とジェニファー・サー(アメリカ)が4㍍89を3回とも失敗して優勝が確定すると、スタンド目掛けて一目散に走ってロシアの大観衆と喜びを分かち合いました。29回目の世界記録更新を目指して、5㍍07にチャレンジしましたが残念ながら新記録樹立はなりませんでした。

イシンバエワは優勝後、次のようなコメントを残しています。

「世界記録を更新できませんでしたが、それはそんなに重要なことではない。記録はボーナスであって、4メートル89を成功した後は、私の感情がすべて溢れてしまいました。(世界記録の)5㍍07では疲れてしまったけれど、良い跳躍だったと思う」

今年一杯で第一線を引くことを大会前に明言していたイシンバエワですが、2016年のリオ五輪にひょっとしたら・・・と復活もありえるかもしれないことをにおわす発言もしていました。興奮冷めやらぬ中での発言だったのでその真意はわかりかねますが、自国開催での優勝はこれ以上にない最高の花道だったのではないかと思います。下記画像をクリックすると、イシンバエワの有終の美となるジャンプをご覧いただけます。
2013 世界陸上 女子棒高跳び決勝

山本聖途 2013 世界陸上 男子棒高跳び男子の棒高跳び決勝は12日に行われ、中京大の山本聖途が自己ベストと同じ5㍍75を「自分を追い込んだ」という3回目の試技でクリアーし、6位入賞を果たしました。昨年のロンドン五輪では「記録なし」という残念な結果となっていた山本だけに、本大会での入賞は大きな自信につながったのではないかと思います。山本は予選敗退した澤野大地が2005年に樹立した5m83の更新を第一の目標に掲げ、「(リオ五輪で)メダルを取るには6㍍近く跳べなければならない」とコメント。山本にとって表彰台への視界がはっきり見えた大会になりました。優勝は5㍍89を跳んだラファエル・ホルツデッペ(ドイツ)でした。

室伏広治 2013 世界陸上 男子ハンマー投げ12日行われた男子ハンマー投げ決勝で、大会連覇の期待がかかった室伏広治は、1投目に78㍍03を投げましたが、その後記録が伸びずに6位入賞で大会を終えました。今年で39歳を迎える鉄人は「ファウルしても良いので、今日はすべて自分の全力で6投すべてに賭けた。記録はこのような形でしたが、チャレンジしたということに対しては良かったと思う」と試合後にコメント。ロンドン五輪翌年の大会だっただけに、体力面での衰えも指摘されている室伏にとって、調整の難しい中でのチャレンジだったのではないでしょうか。

TBSの「世界陸上モスクワ」でレポーターを務めている、円盤投げとハンマー投げの2種目で日本記録を持つ妹の室伏由佳さんが『スポーツナビ』のインタビューで、兄・広治の今回のパフォーマンスについて次のように語っていました。

室伏 由佳『今大会は、やはり体調面を整えるのが大変だったと思います。五輪の翌年でもあり、長い競技人生の流れもありますから、いつもとは違う山登り(調整)の仕方だったと思います。ただ、前回優勝者に与えられるワイルドカード(選考会に出なくても出場できる権利)があったからこそ、自分のペースで出場を目指すことができたことがとても有利でした。ギリギリまで調整ができなかったら、代表を辞退しなければならない場合もあったので、そういうことを含めて出場に至ったのは、本当に素晴らしかったと思います』

来年の日本選手権で前人未到の大会20連覇を目指すという室伏。まずはしばらくゆっくり休んで欲しいと思うのは私だけでしょうか?

ウサイン・ボルト 2013 世界陸上さて、世界陸上モスクワもいよいよ終盤戦を迎えました。何と言っても一番の注目は、日本時間の16日午後3時35分に予選が始まる男子二百㍍でしょう。百㍍で優勝したウサイン・ボルト(ジャマイカ)が2009年のベルリン大会で樹立した19秒19の世界記録を更新できるかに期待がかかります。百㍍決勝ではスタートで出遅れましたが、二百㍍では世界記録を狙うためにもスタートから飛び出して、独走するのではないかと思います。

ウィリアムヒル日本語対応のブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」も、二百㍍の優勝者予想でボルトに1.05倍の“優勝間違いなし”の太鼓判を押すかのようなオッズを発表しています(15日正午現在)。100円が105円にしかならない計算です(笑)。2番手はロンドン五輪銅メダリストでボルトと同じジャマイカのウォーレン・ウィアに11.0倍のオッズが付いています。ロンドン五輪では表彰台を独占したジャマイカ勢が、再び金銀銅独占となるのでしょうか。

日本からは今年の日本選手権を制した中央大の飯塚翔太や、同2位の小林雄一、高瀬慧の3選手が出場します。末続慎吾が樹立した20秒03の日本記録を10年ぶりに更新して欲しいものです。

18日の最終日には男子四百㍍リレーも行われます。ボルト率いるジャマイカは昨年のロンドン五輪で36秒84の世界記録をマークしており、ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」は1.11倍の優勝予想オッズを発表しています(15日午後1時現在)。百㍍決勝でロケットスタートを見せて、前半ボルトからリードを奪った銀メダリストのジャスティン・ガトリン(アメリカ)率いるアメリカには6.0倍、続いてロンドン五輪で銅メダルを獲得したトリニダード・トバゴに21.0倍のオッズが付いています。

2008年の北京五輪で銅メダルを獲得した日本は、百㍍に出場した桐生祥秀や山縣亮太ら若手の活躍が期待されます。しかし、残念なことに山縣は予選で左太もも裏を肉離れして、検査のために帰国したためリレー出場が叶いません。その影響もあって優勝オッズは全体の7番目となる126.0倍となっています。

日本が北京五輪で銅メダルを獲得した時の映像が、下記画像をクリックすればご覧いただけます。リレー種目はバトンをつなぐ技術がレース結果に大きく影響し、日本のバトン技術は世界一とも言われています。

マリア・アバクモワクリスティーナ・オーバークフォル

海老原 有希

順番は前後しましたが、16日午後2時30分から女子やり投げの予選が始まります。日本からは投てき種目で唯一の女子選手として、62㍍83の日本記録を持つ海老原有希が出場します。「William Hill(ウィリアムヒル)」の優勝オッズのリストには、残念ながら海老原の名前はありませんが、日本記録の更新で8位入賞は期待できるのではないでしょうか。優勝最有力は、北京五輪で銅、ロンドン五輪で銀メダルを獲得した31歳のクリスティーナ・オーバークフォル(ドイツ)と、2011年テグ大会で大会レコードとなる71㍍99で金メダルを獲得したマリア・アバクモワ(ロシア)で、ともに2.2倍のオッズが予想されています(15日午後2時現在)。この2強が70㍍オーバーの記録で優勝争いをする展開になってきそうです。

堀端 宏行 川内 優輝

ブックメーカーのオッズ対象にはなっていませんが、日本時間の17日午後8時30分から男子マラソンが行われます。公務員ランナーとして人気と実力を兼ね備え、「6位入賞」を目標に掲げる川内優輝や、2011年のテグ大会で日本人最高位となる7位入賞を果たした堀端宏行ら5選手が出場します。

世界陸上モスクワは18日まで続きます。じっくりと楽しみましょう!