コービー・ブライアントがNBAの歴史にその名を刻みました。あのマイケル・ジョーダンを超える男が現れるとは夢にも思わなかったでしょう。現地14日のティンバーウルブス戦で26得点をマークしたロサンゼルス・レイカーズのブライアントは、19シーズンで積み重ねた得点が1269試合目で32,310得点となり、マイケル・ジョーダンの通算得点(32,292得点)を18点上回って歴代3位に浮上しました。
昨シーズンは、左アキレス腱の完全断裂と右膝の脛骨プラトー骨折という大けがでわずか6試合の出場に終わり、「コービーはもうだめか」という声もささやかれていました。しかし、不撓不屈の精神で今シーズンの開幕戦で復帰し、見事に今回の偉業を達成しました。
この偉業に、クリーブランド・キャバリアーズのレブロン・ジェイムズも自身のツイッターで” Congrats Bean!”(おめでとう、ビーン!)と祝福していました。ビーンとはブライアントのミドルネームのことです。スター選手がスター選手の偉業を祝福する姿に、NBAの素晴らしさを感じました。
さて、ビーンの偉業で一層加熱するNBA2014-2015シーズンは開幕から約2か月が経過しようとしています。各チーム20試合以上を戦い、今シーズンの優勝の行方も少しずつではありますが見えてきたと言う方もいるのではないでしょうか。
ウェスタンカンファレンス
【ウェスタンカンファレンス順位表】
※「NBA JAPAN」より抜粋。日本時間16日午前10時現在
偉業達成のコービーが所属するレイカーズがいるウェスタンカンファレンスから見ていきましょう。残念ながら、レイカーズは8勝16敗で13位と苦戦していますね。現在首位を走るのは、ゴールデンステイト・ウォリアーズが21勝2敗、現在16連勝中(チーム連勝記録を更新中)と絶好調です。
この勢いを誰が予想できたでしょうか?ブックメーカー(スポーツブック)の「bet365」の開幕前のカンファレンス優勝オッズでは、13.0倍で5番手でした。しかし、現在の最新のウェスタンカンファレンスの優勝オッズでは、5.0倍で堂々の2番手になるほどの勢いです。
【ウェスタンカンファレンス優勝オッズ】
※オッズは16日午後3時現在
ウォリアーズに一体何が起きているのでしょうか?
この快進撃を支えているのは、「スプラッシュブラザーズ」の大活躍でしょう。スプラッシュブラザーズとは、ステファン・カリーとクレイ・トンプソンの両ガードのことで、この二人がチームをけん引する働きを見せています。
カリーはチームトップとなる23.7得点、7.7アシストを決めており(16日現在)、トンプソンも21.7得点と高い攻撃力を持っています。圧巻だったのは13日のダラス・マーベリック戦でカリーが29得点、8アシスト、トンプソンが25得点の活躍を見せ、105-98でマーベリックを破って15連勝を決めた試合でした。今季アウェイ(ロード)の成績は13勝1敗と敵地での強さが際立つウォリアーズの連勝記録をどこまで伸ばせるかにも注目したいところです。
ウェスタンカンファレンス優勝候補の筆頭は、現在17勝7敗で5位につけているサンアントニオ・スパーズです。2000年代に入ってNBAファイナルを4度制し、昨シーズン5度目のファイナル王者になったスパーズはやはり安定しています。Gトニー・パーカーが16.0得点、5.3アシストとチームトップでけん引すると、Cティム・ダンカンは10.8リバウンドとゴール下での強さを発揮しています。これから調子も順位も上げてくるのではないでしょうか。
現在6位のロサンゼルス・クリッパーズには、Gクリス・ポール(9.8アシスト)がおり、彼のゲームメイクがチームの行方を左右しそうです。また、11勝13敗で10位と出遅れている感のあるオクラホマシティ・サンダーは、ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックの両得点源がそろい、現在6連勝と勢いがでてきました。これから巻き返してくるのではないでしょうか。
イースタンカンファレンス
【イースタンカンファレンス順位表】
※「NBA JAPAN」より抜粋。日本時間16日午前10時現在
今シーズンからレブロン・ジェイムズが移籍して、マイアミ・ヒートから話題を総ざらいしたクリーブランド・キャバリアーズ。開幕前から優勝候補の筆頭に挙げられたキャバリアーズは現在5位(14勝9敗)と圧倒的な力を見せているわけではありませんが、やはりイースタンカンファレンス優勝のオッズでは筆頭に挙げられています。
【イースタンカンファレンス優勝オッズ】
※オッズは16日午後3時現在
キャバリアーズには1.83倍という非常に低いオッズが発表されていますね。続いて、現在4位のシカゴ・ブルズ(15勝9敗)の3.25倍となっており、イースタンはこの2強という見方は開幕から変わっていないようです。ちなみに開幕前のカンファレンス優勝オッズではそれぞれ2.0倍、3.6倍でした(参照)。
現在チームを引っ張るのはやはりジェイムズで、25.5得点、7.6アシストはチーム最多です。Cケビン・ラブが10.2リバウンド、Gカイリー・アービングは20.6得点、5.2アシストといわゆる「ビッグ3」がバランスよく活躍しています。現在5位ですが、キャバリアーズはビッグ3の活躍で上位に間違いなく上がってくるでしょう。
4位のブルズは、現在4勝5敗とホームで勝ちきれていないのが若干気になりますが、センターのパウ・ガソルがケビン・ラブを凌ぐ11.9リバウンドとチームをけん引しています。ガードのデリック・ローズがこの2試合それぞれ14得点とあまりスコア出来ていませんが、13日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦ではチーム最多となる31得点を挙げる活躍を見せるなど、爆発力がある選手なので彼の活躍で一気にチームも勢いに乗るでしょう。
現在19勝6敗で首位のトロント・ラプターズは3番手予想の10.0倍、同2位のワシントン・ウィザーズ(17勝6敗)は4番手となる13.0倍のオッズがついています。開幕ダッシュに成功した感のある両チームの評価は上がってはきているものの、2強をしのぐものではありません。
シーズンはまだこれからです。コービーの偉業達成を喜びながら日々の試合を楽しんでいきたいものです。
最後に、現時点でのNBAファイナル優勝オッズを紹介して終えたいと思います。