3歳クラシック初戦「皐月賞2015」を制するのはどの馬か?2歳王者のダノンプラチナか?弥生賞を制したサトノクラウンか?それとも、スプリングSを勝ったキタサンブラックか?この3頭を軸に、今年の皐月賞のレースは進みそうです。
皐月賞(G1、2000㍍・芝)が19日午後3時40分から中山競馬場で開催されます。昨年はイスラボニータが圧巻のレースで制し、クラシック戦線の初陣を飾りました。
【皐月賞2014(優勝:イスラボニータ)
今年はどの馬がクラシック3冠への挑戦権を獲得するのでしょうか?16日に早速JRAから注目の枠順が発表されましたので見てみましょう。また、競馬でお馴染みのブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が単勝オッズをレース前日の夜(18日)に発表する予定ですので、発表され次第下記にて更新いたします。
※19日午前4時更新
【皐月賞2015枠順と単勝オッズ】
1-1 ブライトエンブレム(田辺裕信):9.00倍
2-2 ドゥラメンテ(M.デムーロ):4.50倍
2-3 スピリッツミノル(酒井学):26.00倍
3-4 ワンダーアツレッタ(柴田大知):101.00倍
3-5 リアルスティール(福永祐一):3.75倍
4-6 タガノエスプレッソ(菱田裕二):51.00倍
4-7 キタサンブラック(浜中俊):8.00倍
5-8 サトノクラウン(C.ルメール):4.00倍
5-9 ミュゼエイリアン(柴山雄一):17.00倍
6-10 ベルーフ(戸崎圭太):15.00倍
6-11 ダノンリバティ(岩田康誠):21.00倍
7-12 ベルラップ(三浦皇成):67.00倍
7-13 コメート(嘉藤貴行):101.00倍
8-14 クラリティスカ(横山典弘):41.00倍
8-15 ダノンプラチナ(蛯名正義):10.00倍
※(カッコ)内は騎乗騎手
※※単勝オッズは「ウィリアムヒル」発表。
今回の皐月賞は、冒頭に挙げたダノンプラチナ、サトノクラウン、そしてキタサンブラックが3強で、おそらくこの人気上位の3頭のいずれかが戴冠を受けることになると予想します。実際、皐月賞は過去の重賞レースを勝っていない馬は勝てておらず、そうなると上記3頭にどうしても期待が高まってしまいます。しかし、単勝1番人気となった馬は過去10年間で2005年のディープインパクトら3頭のみというデータもあり、人気薄の馬が上位に入ってくる波乱も起こることも皐月賞の特徴と言えます。
8枠15番のダノンプラチナ(蛯名正義騎乗)は、出走馬の中で唯一G1レースである「朝日杯フューチュリティS」(朝日杯FS、1600㍍・芝)を勝っている2歳馬チャンピオンです。朝日杯FSでは後方待機から大外を回ってのレースとなりましたが、直線の叩き合いを制して抜け出しました。ただ一頭の葦毛馬がきらりと輝きを放ちました。
【朝日杯FS 2014(優勝:ダノンプラチナ)】
アサヒ杯FS明けで前走となったスプリングS(G2、1800㍍・芝)では、初の中山でのレースで叩きということもあって2番人気で3着だったダノンプラチナ。国枝栄調教師は「競馬そのものは満点。伸びが一息だった理由が休み明けなのかは分からないけど、使って動きも良くなっている」と合格点を与えるレース内容でした。昨年の皐月賞を制している鞍上のベテラン・蛯名騎手は、ダノンプラチナの将来性を感じながら「今年はチャレンジャーとして頑張ります」と謙虚なコメントを残しています。
スプリングSでダノンプラチナを破って一気に皐月賞本命馬へと推されるようになったキタサンブラック(浜中俊騎乗)は3戦3勝で、クラシック第1冠を狙います。演歌界の大御所・北島三郎氏が馬主(登録は大野商事)を務め、40年来の夢であったダービー制覇への足場づくりを行います。スプリングSでは、得意の先行2番手につけると直線の入りで先頭を捕まえ一気に直線で抜けきりました。
【スプリングS 2015(優勝:キタサンブラック)】
キタサンブラックは2015年デビューの馬で1月に新馬戦、2月に500万、3月に前走のスプリングSと順調に階段を駆け上がっている感があります。北村宏司騎手の騎乗停止を受けて乗り替わりを引き受けた浜中騎手は「乗りやすいと聞いていたが、イメージと同じでいい感触をつかめた。落ち着きがあるし、精神的に強い馬」と手応えを口にしました。また、今回が厩舎として初めて牡馬クラシックへのチャレンジとなる清水久詞調教師は「使うごとに競馬を覚えているし、1ハロン延びるのも問題ない」と初戴冠へと自信をのぞかせていました。サブちゃん初のG1制覇で中山競馬場が“祭り”騒ぎとなるでしょうか。
3強の最後の一角を担うのはクラシックトライアルの弥生賞(G2、2000㍍・芝)を制したサトノクラウンです。皐月賞ではクリストフ・ルメール騎手とタッグを組みます。キタサンブラック同様に3戦3勝のサトノクラウンも無敗で皐月賞制覇を狙います。前哨戦の弥生賞では道中中団待機から中山の坂を駆け上ってからのひと伸びで、他に追走を許しませんでした。新馬戦と弥生賞に騎乗した福永祐一騎手もレース後の開口一番に「強かったですね」とコメントするほどでした。
【弥生賞2015(優勝:サトノクラウン)】
「休み明けの弥生賞はまだ八分くらい。追い切り本数が少なかったから。今回のほうが調整過程ははるかに上」と関係者が語るほど、皐月賞に向けて順調に調整が進んでいるサトノクラウン。無傷の3連勝で弥生賞を制したアグネスタキオン(2001年)とディープインパクト(2005年)はそのまま皐月賞を制して1冠目を獲得しています。同じ道をサトノクラウンも歩むことが出来るのでしょうか。東京スポーツ杯2歳S(G3、1800㍍・芝)で騎乗したライアン・ムーア騎手は「ラストの伸びが抜群なのは新馬戦を見て分かっていた。本当にいい脚を使ってくれた」とスポーツ報知のインタビューに答えています。2歳時よりも成長した3歳で迎えた弥生賞が8割程度のできであの末脚だったので、皐月賞では大きな期待が持てるのではないでしょうか。
この3頭への挑戦状を叩きつける対抗馬は、サトノクラウンから乗り換えで福永騎手が騎乗する共同通信杯(G3、1800㍍・芝)を制したリアルスティールと、札幌2歳S(G3、1800㍍・芝)勝ち馬のブライトエンブレム(田辺裕信騎乗)でしょう。ともに打倒3強に燃えていますし、皐月賞を狙える十分な力を持っています。