琴奨菊が連覇、そして日本出身力士としては1998年名古屋場所で横綱昇進を決めた若乃花以来18年ぶりの綱取りに向けて挑戦します。大相撲春場所(三月場所)2016が13日にエディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で初日を迎えます(日程:3月13日~27日)。
【大相撲春場所2016新番付(上位陣)】
※「日本相撲協会」公式HPより抜粋
注目は何といって初場所を制した大関・琴奨菊でしょう。盟友・豊ノ島にこそ土を付けられたものの14勝1敗の成績で、2006年初場所で優勝した栃東(現・玉ノ井親方)以来10年ぶりとなる日本出身力士優勝を遂げました。両国国技館が歓喜の渦に巻き込まれました。
【琴奨菊初優勝(2016年初場所)】
琴奨菊は優勝インタビューで「言葉に表せないぐらい本当に嬉しいのと、辛いときもなかなか成績が残せなかった時も、本当にたくさんの方々に応援いただいて、今、自分がこうして立っていることが本当に嬉しいです」とコメント。そして春場所の綱取りに向けては「自分の相撲をやりきったら、できるという自信がつきました。頑張っていきます」と力強く言い切りました。
さあ、琴奨菊の連覇と綱取りに向けての大相撲春場所が始まります。琴奨菊の連覇はあるのか?日本出身力士の連覇は1998年の貴乃花(現・貴乃花親方)が夏場所と九月場所で果たして以来18年ぶりとなります。貴乃花親方はこの春場所後に行われる理事長選でどうなるかにも注目ですが。それとも、横綱・白鵬、日馬富士、そして鶴竜のモンゴル勢横綱の逆襲があるのか?琴奨菊に触発された照ノ富士、稀勢の里、豪栄道の大関陣が奮起するのか?
大相撲春場所2016の幕内優勝オッズをイギリスのブックメーカー「Marathonbet」(マラソンベット)が発表しましたので、そのオッズを見ながら三月場所を展望してみましょう。ちなみに、三月場所中は15日間すべての幕内の取り組みの「勝敗オッズ」が発表されるので、そちらにもぜひ注目してほしいと思います。基本的に取り組み前日にオッズは発表されます。
【大相撲春場所2016幕内優勝オッズ】
※オッズは7日正午現在
優勝候補の筆頭は横綱・白鵬で1.50倍のオッズとなっています。2番手には同じく横綱の日馬富士で4.00倍、3番手には大関・照ノ富士で5.00倍、4番手には横綱・鶴竜で7.00倍のオッズで続いています。連覇のかかる大関・琴奨菊は5番手となる8.00倍となっていて、ここまでが一ケタ台のオッズとなります。以下、稀勢の里が10.00倍、豪栄道が15.00倍、関脇の嘉風が26.00倍で続いています。琴奨菊を破って先場所を盛り上げた関脇・豊ノ島は41.00倍のオッズとなっています。
幕内優勝レースで常に先頭を走ってきた白鵬は36回目の優勝を狙います。白鵬はこの3場所賜杯から遠ざかっていることもあり、気持ち的な焦りが少しあるようですが「のびのびとやっていきたい」とその気持ちを抑えるように優勝奪還を見据えています。また、その白鵬を追う日馬富士は順調に稽古を積むことができているようで、出げいこにも積極的に向かって最終調整を行いたい考えです。2015年九州場所で7回目の優勝を果たした日馬富士も「二けた優勝」を目指して勝ち星を積み重ねていきたいところでしょう。
昨場所は10勝5敗と横綱としては物足りない成績だった鶴竜は3回目の幕内優勝を狙います。「休場した昨年の分も(含めて)いい成績を残したい」と同じモンゴルの白鵬、日馬富士の影に隠れがちなもう一人の横綱も大阪場所を大いに沸かせたい気持ちでしょう。優勝候補の3番手に挙がっている大関・照ノ富士は初のカド番として三月場所に挑みます。先場所は右鎖骨骨折と左膝半月板損傷で自身初となる休場を余儀なくされ、今場所に復活を期します。古傷の右ひざからはまだサポーターもとれておらず、また右肩の痛みもまだ残る中での厳しい三月場所となりそうですが、琴奨菊との横綱昇進マッチレースで遅れを取りたくないのは言うまでもないでしょう。
綱取りにも挑む琴奨菊は、初場所優勝から自身の結婚披露宴など慌ただしく、けいこ不足とその疲れが心配されます。5日には出身地の福岡県柳川市で行われた水上パレードに参加するなど、相変わらずの「琴バウアー」フィーバーが続いています。その席上で「自分の相撲道に自信を持って取り組みたい。たくさんの応援をよろしくお願いします」と挨拶を行った琴奨菊の自信に期待したいところです。
昨年の三月場所では横綱・白鵬と大関・照ノ富士が優勝争いを演じ、最終的には14勝1敗の成績で白鵬に軍配が上がりました。今年の三月場所は果たしてどの関取の手に賜杯が渡るのか?