マニー・パッキャオ対ジェシー・バルガス
ついにやってきました!マニー・パッキャオ(フィリピン)対ジェシー・バルガス(アメリカ)のWBO世界ウェルター級王座決定戦が現地時間の11月5日(日本時間の6日午後1時)にアメリカはネバダ州ラスベガスのトーマス&マックセンターで行われます。
この一戦の注目度の高さは世界的な知名度を誇る「フィリピンの英雄」、マニー・パッキャオの復帰戦というところにあります。前回4月のマニー・パッキャオ対ティモシー・ブラッドリー戦で引退を宣言したパッキャオですが、早々に引退宣言を撤回し、リングに戻ってきます。WBO世界ウェルター級王座決定戦、そしてパッキャオの復帰第1戦目ということで注目度が高まっています。
また、王者ジェシー・バルガスにとってもパッキャオというビッグネームを破り、名を上げるためのまたとないチャンスです。この試合のバルガスのファイトマネーは最低保障額がキャリア最高の280万ドル(2億8600万円)と報じられています。
さて、他にもう1つ忘れてはいけないのがブックメーカーです。
この重要な一戦を見逃すはずがありません。パッキャオが華々しく復帰を飾るのか?バルガスが世界的ビッグネームを破るのか?パッキャオ自身が共同オーナーを務めているブックメーカー(スポーツブック)「VitalBet」(バイタルベット)がオッズを発表していますのでご紹介します。
【マニー・パッキャオ対ジェシー・バルガス勝敗オッズ】
※オッズは31日午前9時現在
「VitalBet」が発表したオッズでは、パッキャオが1.09倍、バルガスが6.21倍とパッキャオ有利の見方が強いようです。また、二人が戦うラウンド数を予想する「Total Rounds」のオッズは出されてないようです。
マニー・パッキャオ<66戦58勝(38KO)6敗2分>
【世界タイトル】
WBA世界フライ級(1998年)、IBF世界スーパーバンタム級(2001年)、WBC世界スーパーフェザー級(2008年)、WBC世界ライト級(2008年)、WBO世界ウェルター級(2009年)
「フィリピンの英雄」と呼ばれる世界的に有名なボクサー、マニー・パッキャオ。ライトフライ級でデビューし、階級を上げながらこれまで数々の名王者・名選手を撃破してきました。名ボクサーを次々と呑み込んでいくその姿から「パックマン」の異名を持ちます。実に11階級、20kg以上の増量をし、ボクシング史上二人目のメジャー世界タイトル6階級制覇王者となっています。
サウスポースタイルのパッキャオの特徴はKOを量産する爆発力、圧倒的なスピードと無尽蔵のスタミナです。ハードパンチャーでありながら、手数とスタミナも兼ね備えています。鋭い踏み込みから繰り出す、威力のあるワンツーを武器に相手をKOしてきました。また、近年では巧みなフットワーク、右のリードを身に付け、判定勝利が多くなっています。
今回のバルガス戦、復帰といっても前回の試合から7ヶ月しか経っていませんので、ブランクはあってないようなものでしょう。
長身でリーチのあるバルガスを、巧みなフットワークとスピードで撹乱し、得意の左ストレートを打ち込むことができれば、KO勝ちの可能性は十分にあります。また、パッキャオは37歳ながらスタミナに大きな陰りがありません。12ラウンド、得意のスタミナと手数でパンチを当て続けることができれば、判定勝利も考えられます。
ジェシー・バルガス<28戦27勝(10KO)1敗>
【世界タイトル】
WBA世界スーパーライト級王者(2014)、WBO世界ウェルター級王者(2016)
8歳からボクシングを始め、アマチュアボクシングでも豊富なキャリアを持つボクサーです。アマチュアでは、戦績140戦120勝20敗、メキシコ王者、全米ジュニア王者に輝くなど、華々しい実績を持っています。
プロボクシングでも28戦27勝1敗と好戦績で、テンポの速い展開を好み、打ち合いに持ち込む好戦的でタフな選手です。
2016年3月、持ち前のタフさと粘り強さでウェルター級のホープで実力者のサダム・アリにKO勝利しています。
唯一の1敗は2015年6月にティモシー・ブラッドリーに判定負けしたものです。しかし、この試合の最終ラウンドには、ブラッドリーに渾身の右を当ててKO寸前まで追い詰めました。
バルガスにとって、今回のパッキャオ戦は8ヶ月ぶりの試合。試合間隔ではパッキャオよりもブランクがあります。前回の試合からどれだけレベルアップしているのかが気になります。
パッキャオから判定勝利を奪ったブラッドリーを追い詰めた選手ですので、持ち前の粘り強さでチャンスを逃さなければバルガスの後半KO勝利もあり得るでしょう。
国会議員、ボクサーと二足の草鞋を履くブランク明けのパッキャオと、ビッグネームを破りたいバルガスの対決。KO、判定でもパッキャオが優位なのではと予想しております。バルガスが勝利するには、パッキャオの一瞬の隙を突けるかが鍵となりそうです。大方の予想通りの試合結果となるのか?それとも番狂わせが起こるのか?マニー・パッキャオ対ジェシー・バルガス、目が離せません。
オスカル・バルデス対大沢 宏晋
また、同日のアンダーカードで行われる、WBO世界フェザー級王者のオスカル・バルデス(メキシコ)とWBO世界フェザー級ランキング1位の大沢宏晋(日本)のWBO世界フェザー級王座決定戦も見逃せません。
ボクシング大国メキシコが生んだ無敗王者バルデスに日本が誇るフェザー級の実力者大沢が挑戦します。なお、ブックメーカー「bet365」がオッズを発表しましたら更新します。
【オスカル・バルデス対大沢宏晋戦オッズ】
※オッズは2日午前11時現在(同時刻更新)
オスカル・バルデス<20戦20勝(18KO)>
【世界タイトル】
WBO世界フェザー級王者(2016年)
フェザー級では小柄ですが、無敗という戦績が示す通り、高度なテクニックを持った選手です。スピードにも優れ、重いフックとストレートを主武器に18ものKOを積み上げています。アマチュア経験も豊富で、メダルこそないもののオリンピック出場経験もあります。世界的な有名なボクサーであるサウル・アルバレスが主催しているカネロ・プロモーションズ所属のメキシコ次期スター候補として注目度が高い選手です。
大沢宏晋<37戦30勝(19KO)3敗4分>
ロマンサ雅ボクシングジム所属の選手です。福祉の介護ヘルパーとして勤務しながら選手活動をしていて、ファイトマネーは大阪市の知的障害者団体等に全額寄付しています。主な戦績は東洋太平洋フェザー級王者(2011年)、WBOアジアフェザー級王者(2012年)等。37戦という戦績が示す通り、キャリアの豊富な選手です。
KO、判定でも無敗の王者バルデスが圧倒的有利ではないかと予想します。テクニック・スピード・パンチ力、あらゆる面においてバルデスが優れていると考えています。大沢が勝つには、フック系のパンチが多いバルデスに大沢がストレート系のパンチを合わせられるかがポイントとなりそうです。