サッカー強豪国ドイツにおいてヨーロッパトップレベルの戦いを繰り広げるサッカーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガが間もなく開幕の時を迎えます。
2019-2020年シーズンのブンデスリーガは8月16日(金)に開幕。5月16日(土)の第34節に閉幕となるスケジュールとなりました。
約200ヶ国で利用される世界有数の規模と持ち、一番人気を誇るイギリスのブックメーカー「bet365」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
欧州トップクラスのレベルを誇るサッカーリーグ、ブンデスリーガ
ヨーロッパ4大リーグの一角に数えられるドイツ・ブンデスリーガは1963年創立。それまでは各地域リーグの優勝クラブによるトーナメントで国内チャンピオンを決めていましたが、1963年に全国リーグとしてブンデスリーガが誕生しました。1991年には旧東ドイツのクラブも加入し、リーグが拡大しています。
その歴史を通して、絶対的盟主として君臨し続けているのはバイエルン・ミュンヘン。全体の半分にあたる28回の優勝を果たし、歴代優勝回数2位のボルシア・ドルトムントとボルシア・メンヒェングラートバッハの5回に大きく差をつけています。
2012-2013年シーズンから続く連覇記録を7回にまで伸ばしており、バイエルンを止めるクラブが現れるかどうかがブンデスリーガの大きな焦点となっています。
2018年はバイエルンが大逆転優勝!ドルトムントは悔しいV逸を喫する
2018-2019年のブンデスリーガを制したのは6連覇中の王者バイエルン・ミュンヘン。またしても絶対王者がその連覇記録を伸ばすこととなりました。
クラブレジェンドの1人でもある新監督ニコ・コヴァチのもと、シーズン序盤は苦戦続きの展開に。新監督リュシアン・ファーヴルのもと絶好調の戦いぶりを見せ、開幕から15戦無敗(12勝3分)のライバル、ドルトムントに大きく差を付けられました。
しかしドルトムントに怪我人が増えてくるとだんだんと勝てなくなり、第28節の直接対決ではバイエルンが5-0と圧勝。ドルトムントは31節の“ルール・ダービー”シャルケ04戦にも敗れ、ついにバイエルンとの順位が逆転。
そのままバイエルンが逃げ切り、ドルトムントは香川真司が大きな働きを見せて優勝に貢献した2011-2012年以来となる優勝を逃しています。
最高オッズは絶対王者バイエルン!ドルトムント、ライプチヒの可能性は?
【ドイツ・ブンデスリーガ2019優勝オッズ】
※オッズは8日午前11時現在
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ブックメーカー「bet365」が発表するブンデスリーガ優勝オッズでトップに立ったのは絶対王者バイエルン・ミュンヘン。オッズは1.25倍となりました。
一方、王者の連覇を止める対抗馬筆頭に挙がったのはボルシア・ドルトムント。バイエルンを除いた最後の優勝経験を持つ強豪が5.50倍で2番手に挙がっています。
3番手はRBライプチヒ。レッドブルの資金力を背景に近年急速に成長してドイツ3番手の地位を確立しつつある新興勢力がオッズ15.00倍となりました。
4番手はバイヤー・レバークーゼンで34.00倍、5番手がホッフェンハイム、ボルシア・メンヒェングラードバッハ、ボルフスブルクの3チームで101.00倍。
8番手に長谷部誠と鎌田大地のアイントラハト・フランクフルトで151.00倍、9番手に大迫勇也のベルダー・ブレーメンで201.00倍となっています。
長年リーグタイトル独占も、バイエルンはさらなる改革に乗り出す
前人未到の7連覇を達成し、さらにその記録更新を狙うバイエルン・ミュンヘンですが、2009年から会長職を担い、その黄金時代を創出したウリ・ヘーネス会長が今年11月の会長選への不出馬を表明。退任が決定的となりました。
現役時代はバイエルン・ミュンヘンで239試合に出場し、引退後の1979年からはゼネラルマネージャーに就任。2009年に“皇帝”フランツ・ベッケンバウアーの跡を継いで会長となった、まさにバイエルンの栄光の歴史そのものといってもいい人物です。
後任にはアディダスのCEOなどを務めた経験を持つハーバート・ヘイナー氏が就任することが見込まれるほか、クラブのCEOも2021年にカール=ハインツ・ルンメニゲに代わってOBのオリバー・カーンが就任することが既定路線となるなど、さらなる黄金時代に向けて動き出しているバイエルン。その絶対王政はまだまだ続きそうです。
上位進出狙うブレーメン、チームメイトは大迫にエースの働きを期待
大迫勇也擁するベルダー・ブレーメンは8位。ヨーロッパカップ戦出場権獲得を目指し、チーム力を強化したいところです。
ブレーメンが現在抱える問題はエースストライカーの代役探し。昨シーズンのチーム得点王となる11ゴールを挙げた元ドイツ代表FWマックス・クルーゼがトルコのフェネルバフチェに移籍してしまい、エースが不在となっています。
かつてドルトムントで活躍し、現在はブレーメンに所属する元トルコ代表MFヌリ・サヒンは新エースとしての活躍を大迫に期待するとコメント。日本代表のエース大迫はドイツの地でもその高い得点能力を発揮することができるでしょうか。
“皇帝”長谷部はチームを再びヨーロッパの高みに導けるか
昨シーズンのフランクフルトはリーグ戦こそ7位だったものの、UEFAヨーロッパリーグでインテル・ミラノやベンフィカといった名門クラブを破って準決勝に進出するなど、クラブ史に残る好成績を残しました。
準決勝でも優勝を果たしたチェルシーを相手にPK戦にまでもつれ込むなど、優勝まであと一歩だったといってもいい戦いぶりを見せています。
新シーズンは昨シーズンの躍進を支えたFWルカ・ヨビッチがレアル・マドリッドに移籍(約70億円)、FWセバスティアン・ハーラーがウェストハムに移籍(約60億円)。
一方でボルシア・ドルトムントから元ドイツ代表セバスティアン・ローデやスイス代表MFジブリル・ソウ、U-21セルビア代表FWデヤン・ヨヴェリッチらを完全移籍で獲得し、その穴を埋めるべく補強を行いました。鎌田大地もレンタルからの復帰が見込まれており、躍進が期待されます。
35歳にしてなお成長を続ける“フランクフルトの皇帝”長谷部誠を中心に、昨年に勝るとも劣らぬ活躍を期待したいところです。