アメリカのプロ4大スポーツといえばアメリカンフットボールのNFL、バスケットボールのNBA、野球のMLB、アイスホッケーのNHLですが、そんな世界規模のプロスポーツに勝るとも劣らないアマチュアスポーツとして近年日本でもその名を知られ始めている、NCAAバスケットボールが今年もまもなく始まろうとしています。
3月に開催される全米熱狂のプレーオフ、マーチ・マッドネスに進出し、全米最強の座を得るのはどの大学となるのでしょうか。
約200ヶ国で利用される世界有数の規模と持ち、一番人気を誇るイギリスのブックメーカー「bet365」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
メジャースポーツすら凌ぐ規模を誇るアマチュア、NCAA
渡辺雄太や八村塁の活躍もあり、日本で注目度を増しているNCAAバスケットボール。NCAAとは全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association)の略称であり、プロスポーツではなく純然たるアマチュアスポーツなのですが、その人気や収入規模はけた違いです。
NCAAはバスケだけではなくアメリカンフットボールや野球、アイスホッケー、テニスなども高い人気を誇りますが、その収益は実に1000億円超えと、巨大ビジネスにもなっています。日本のプロ野球の総収入が約1800億円といえば、その圧倒ぶりがよくわかるでしょう。
特にバスケは人気が高く、2011年にはNCAAがアメリカのテレビ局とバスケのプレーオフであるマーチ・マッドネスの放送権料を14年108億ドル(約1兆1500億円)で契約しており、1年あたり約820億円もの金額を得ることになっています。収益の面でも人気の面でも4大メジャースポーツに勝るとも劣らないスポーツジャンルだといえるでしょう。
昨シーズンはバージニア大学が初優勝!八村は年間最優秀SFに選出される
2018-19年シーズンのNCAAバスケを制したのはバージニア大学。延長の末にテキサス工科大学を下し、初優勝を飾りました。バージニア大学はのちにアトランタ・ホークスに1巡目4位指名された2年生のディアンドレ・ハンター(ポイントガード)が自己最多の27得点を挙げるなどの活躍を見せています。
テキサス工科大学は八村塁擁するゴンザガ大学を西部地区決勝で下し、はじめての決勝戦進出をつかんだものの、最後の最後で悔しい敗退となりました。
年間最優秀選手賞はデューク大学の1年生ザイオン・ウィリアムソンが受賞。ケビン・デュラント、アンソニー・デイビスに続く史上3人目の1年生としての受賞者となりました。日本の八村塁は年間最優秀スモールフォワードに与えられるジュリアス・アーヴィング賞を受賞しています。
渡辺、八村に続け!テーブス海はNCAAで先輩たちに並ぶ活躍を見せたい
渡辺雄太、八村塁と続いたNCAAにおける日本人プレーヤーの活躍。今年期待したいのはノースカロライナ大ウィルミントン校のポイントガード、テーブス海です。
昨年度もNCAAでプレーし、ザイオン・ウィリアムソンらとともにフレッシュマン・オールアメリカンに選出。新人賞であるカイル・メイシー賞のファイナルリスト30人にも選出されました。
バスケットボール選手としては188センチと小柄ながらも今シーズンはNCAA1部で33試合中32試合に出場し、1試合平均8.8得点、7.7アシストを記録しました。Wリーグ・富士通レッドウェーブのヘッドコーチであるBT・テーブスを父に持つサラブレッドが、渡辺、八村に続いて今年もその雄姿をNCAAで見せてくれるかもしれません。
優勝オッズ筆頭はミシガン州立大学!ケンタッキー大学やカンザス大学らが続く
【NCAAバスケットボール2019-2020優勝オッズ】
※オッズは2日午前8時現在
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<NCAAバスケットボール2019-2020最新オッズ情報>
2019-20年シーズンのNCAAバスケットボール優勝候補筆頭となったのはミシガン州立大学でオッズ7.50倍。2000年以来の優勝を目指します。
2番手は歴代優勝回数2位のケンタッキー大学で8.50倍、3番手タイはカンザス大学とデューク大学で11.00倍、5番手はメンフィス大学で14.00倍となりました。
昨年度の王者バージニア大学は10番手で21.00倍、八村塁の古巣ゴンザガ大学は11番手で26.00倍となっています。
昨季オールアメリカの中軸が残留!ミシガン州立は悲願の優勝へ好スタートを切る
昨年度ファイナル4に進出し、今年こそ優勝を狙うミシガン州立大学は昨年度の中心選手だったカシアス・ウィンストンがNBAにアーリーエントリーすることなく、チームに残留。
ウィンストンは八村塁、ザイオン・ウィリアムソン、RJバレット、グラント・ウィリアムスら今年のドラフト1巡目で指名された選手たちとともにオールアメリカに選出されており、その実力は今年エントリーしていても1巡目間違いなしの強者です。2000年以来となる優勝へ、ミシガン州立大学はこの上ないスタートを切ったとみていいはずです。
数多くの逸材擁するケンタッキー大学、歴代最多優勝へ今年栄冠を1つ積み重ねたい
2010年にはNBAドラフトで1巡目指名を5人排出したり、2012年にはアンソニー・デイビスとマイケル・キッドギルクリストが1巡目1位と2位を占めたりと、逸材の輩出に定評のあるケンタッキー大学。2019年もPJ・ワシントン、タイラー・ヘロ、ケルドン・ジョンソンの3選手が1巡目指名を受けており、その育成力は衰えていません。
しかし優勝という栄誉からは2012年以降遠ざかっているのも事実。決勝進出も2014年が最後です。UCLAが持つ歴代最多優勝に追いつくまであと3つ。多くの逸材を擁するケンタッキー大学は11年目のシーズンを迎えるジョン・カリパリHCとともに、再び頂点の座を掴むことができるでしょうか。