2020年東京オリンピックまで1年を切り、盛り上がりを見せている女子バレーボール。その前哨戦ともいうべきFIVBワールドカップバレーボールがまもなく日本で開幕の時を迎えようとしています。
世界中の強豪が日本に集結し、鎬を削るこの国際大会の行方は来年のオリンピックの結果にも大きな影響を与えることとなる、非常に重要なものとなるはずです。
約200ヶ国で利用される世界有数の規模と持ち、一番人気を誇るイギリスのブックメーカー「bet365」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
日本で行われるバレー3大国際大会の1つ、ワールドカップ
FIVBワールドカップバレーボールは1965年に世界選手権、オリンピックに次ぐバレーボールの世界大会としてポーランドで男子の第1回大会が開催されました。女子の第1回大会は1973年のウルグアイ大会(この時男子大会は中止)に初めて開催されています。
1977年大会からは4年に1度、夏季オリンピックの1年前に開催。1991年大会からはメダルを獲得した3か国へはオリンピックの出場資格が与えられる(五輪開催国が受賞した場合は4位が繰り上げ)となることもあり、より大きな注目を集める大会となりました。ただし、2020年東京オリンピックの出場権は大陸間予選と各大陸予選の結果によって決まることとなり、今回のワールドカップでは出場資格は与えられません。(日本は開催国のため出場資格獲得済み)
日本女子代表はこの第1回大会でソビエト連邦に次ぐ準優勝を達成。続く自国開催の1977年大会では初優勝を果たしました。この大会の興業的大成功がもとで、それ以降の全大会は12大会連続で日本での開催となっています。
2019年のワールドカップ女子大会は第1ラウンドを横浜アリーナ(横浜市)と浜松アリーナ(浜松市)、第2ラウンドを北海きたえーる(札幌市)と富山市総合体育館(富山市)、第3ラウンドを丸善インテックアリーナ大阪(大阪市)とエディオンアリーナ大阪(大阪市)で開催します。
2015年大会は中国が4度目の優勝!日本は表彰台を逃す5位に終わる
2015年に開催された前回大会を制したのは2014年の世界選手権で銀メダルに輝いていた中国。ワールドカップの制覇は2003年以来4回目の栄冠となりました。
中国は第3戦で2014年世界選手権王者アメリカ合衆国に敗れるもそれ以外は全戦全勝。同じく10勝1敗のセルビアを勝ち点で上回り、優勝を勝ち取っています。3位は9勝2敗のアメリカ、4位は同じく9勝2敗のロシア、そして5位に7勝4敗で日本が入りました。
日本は中国、セルビア、アメリカ、ロシアの上位4か国すべてに敗戦。各上を相手に勝利を奪えなかったことが前回大会(8勝3敗の4位)を下回る結果につながっています。
大会MVPに選ばれたのは中国の朱婷。日本人選手では古賀紗理那がベストレシーバー1位、木村沙織が2位。長岡望悠がベストサーバー2位、宮下遥がベストセッター2位に入るなど、多くの選手が高い実力を示しました。
優勝オッズ
【FIVBワールドカップバレーボール女子2019優勝オッズ】
※12日午後10時現在、同時刻更新
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<FIVBワールドカップバレーボール女子2019最新オッズ情報>
ブックメーカー「bet365」が発表した優勝オッズによると、優勝最有力にはアメリカで2.75倍となっています。2番手にはディフェンディングチャンピオンの中国で3.00倍、ブラジルが4.00倍で続いています。
4番手にはオランダで7.00倍とここまでが一桁オッズとなっており、日本は5番手の21.00倍となっています。6番手のロシアが日本よりさらに離れて31.00倍となっており、日本はトップ5の位置づけながらも、上位に行くか下位に行くのかちょうど中間にいる形となっています。
主軸選手の追放が、王者中国に生まれる大きな隙となる可能性も
前回大会を制した中国は勢いそのままに翌年のリオ・デ・ジャネイロオリンピックでの金メダルを獲得。世界ランキングでも首位を維持しており、今大会でも優勝戦線をリードすることは間違いないでしょう。
そんな中国にとって、8月に発覚した楊方旭のドーピング問題は大きな影を落とすことになりました。リオ五輪優勝の中心メンバーだった楊方旭は禁止薬物の使用により4年間の出場停止処分を受けており、代表チームからも離脱しています。
このトラブルが中国代表にどのようなメンタル面の影響を与えるのか、それが大会を左右する大きな要因となるかもしれません。
日本をよく知る主力選手がセルビア初優勝を大きく後押しする
前回ワールドカップで銀メダル、2016年リオ五輪で銀メダル、2018年世界選手権で金メダルと安定して中国に次ぐ高い成績を出しているのがセルビアです。一時は中国を超えて世界ランキング1位を保持していた時期もあり、優勝の有力候補として期待が集まります。
注目は今年4月まで日本のJTマーヴェラスに所属していたブランキツァ・ミハイロビッチ。昨年の世界選手権制覇にも大きく貢献した192㎝のウイングスパイカーです。JT以前には久光製薬スプリングスにも在籍しており、日本での生活経験は豊富。ワールドカップ初優勝を狙うチームにおいて、プレー面でも大会期間中の生活面においても、大きな助けとなることでしょう。
11大会ぶりの世界一へ、国際大会連続MVPの19歳が最後のピースとなるか
自国開催の東京オリンピックに向けて勢いを付けたい日本代表でぜひ注目したいのは19歳の新星石川真佑。今年7月のU-20世界選手権(メキシコ)で優勝に大きく貢献し、MVPを獲得。さらに8月にはA代表のアジア選手権(ソウル)でも優勝に導く活躍を見せ、再びMVPに。今大会でも大きな働きが期待されています。
兄は男子日本代表のエースである石川祐希と、その話題性も抜群。来年の東京オリンピックでの兄妹エース誕生への夢も膨らむところです。1977年以来の優勝へ、石川は火の鳥NIPPONの切り札となれるでしょうか。