5月28日から6月11日にかけてテニスの4大国際大会であるグランドスラムの一つ『全仏オープン』が開催されます。場所は、首都パリにあるブローニュの森に隣接するスタッド・ローラン・ギャロスです。この大会は、4大大会で唯一クレーコート(赤土=レンガの粉)を用いています。クレーコートはボールが弾みにくく、球速が遅くなるためラリーが続きやすく、試合に勝つためには長いラリーを制する体力が求められます。その為、他の大会とは違った試合展開が楽しめるのも、この大会の特徴の一つです。
現在、クレーコートに非常に強いことで知られるのが「クレーキング」こと、ラファエル・ナダルで、2005年の初出場で優勝して以来、18大会中14回もの最多優勝を果たしています。ですが、股関節の故障が長引いていることもあり、来年のシーズン終了後に引退する意向を表明しており、今回の全仏オープンも欠場が決まっています。絶対的王者のいない大会で新たに頂点に君臨するのはどの選手でしょうか?
全仏オープンの展望は「Cloudbet」でご覧頂きながらご紹介に移りたいと思います。
世界ランク1位のアルカラスが新たなクレーコートの王に君臨か?
今大会、最多14勝を誇るディフェンディングチャンピオンのラファエル・ナダルが欠場することで、世界ランク1位のカルロス・ガルフィア・アルカラスとランク3位のノバク・ジョコビッチによる頂上決戦に注目が集まります。2度目のグランドスラム優勝を目指すアルカラスですが、順当に勝ち進めば、同じく優勝候補のチチパスと激突する可能性もあり、熾烈な頂上争いになることが予想されます。とはいえ、弱冠20歳にして世界ランク1位のアルカラスへの期待値は高く、予想オッズは2.39倍の優勝最有力候補です。怪我から復帰し、新たなクレーコートの覇者となれるのでしょうか?
優勝候補の筆頭とされるノバク・ジョコビッチは予想オッズ3.07倍と2番人気に付けていますが、ここ最近は再発した左肘の怪我に悩まされています。今季のクレーコートシーズンは、出場した3大会全てでベスト4入りを逃しており、思うような成績が残せていません。また、世界ランクでも1位の座をアルカラスに奪取された上、イタリア国際を制したダニール・メドベージェフに次ぐ3位に後退しています。怪我の具合が心配されるところですが、優勝すれば全仏オープン3度目の制覇と歴代単独1位となるグランドスラム23回制覇の偉業を達成することになります。若手の躍進が目覚ましい中、キャリア20年目の経験と実力で優勝を狙います。
ホルガー・ヴィトス・ネドスコフ・ルーンはデンマーク出身の選手で、全仏オープンでは昨年自身初のベスト8入りを果たしました。4月に出場したモンテカルロ・マスターズで準優勝し、大会後には世界ランキングを自己最高となる7位に更新しました。予想オッズは7.81倍とその活躍に期待が集まります。今月のイタリア国際で初優勝を飾った世界ランク2位のダニール・メドベージェフは予想オッズ8.06倍です。クレーコートでも自身のプレースタイルを確立できるよう調整を行ってきたメドベージェフが、再び全仏オープンの地でその実力を証明することができるでしょうか?
悲願のグランドスラム優勝を掴みたいステファノス・チチバスは予想オッズ13.30倍です。2021年大会では、決勝でジョコビッチと対戦し、2セット先取する奮闘を見せるも大逆転負けにより、優勝を逃しました。今年の全豪オープンで再びジョコビッチと対戦するも、ストレートで敗れ準優勝で幕を閉じました。この大きな壁を突破し、優勝を掴み取ることができるのか注目です。また、日本人男子では西岡良仁とダニエル太郎が出場を予定しています。テニス界最高峰レベルの戦いが連日繰り広げられる中、どこまで健闘できるかにも注目したいです。
【全仏オープン2023男子優勝予想オッズ】
※オッズは26日午後1時現在
女子の覇権争いはイガ・シフィオンテクが一歩リードか?
全仏オープン2020年、2022年の優勝者であるイガ・シフィオンテクは、今大会でも優勝最有力候補で予想オッズは1.76倍です。特に、今大会は女子では16年ぶりの大会2連覇への期待がかかっています。先日のイタリア国際では太ももの状態から途中棄権したこともあり、その後の経過が気になるところではありますが、クレーコートとの相性が良いだけに期待が高まります。
2番人気のアリーナ・サバレンカは予想オッズ6.07倍です。シフィオンテクに続く世界ランク2位で、今年初戦のアデレード国際で優勝を飾り、続く全豪オープンでも勢いは止まらず、グランドスラム初優勝果たし、今大会へ大きく弾みをつけました。クレーコートで得意の194km/hにも達する強烈なサーブがどこまで通用するのか注目です。
3番人気はエレーナ・リバキナで予想オッズは6.70倍です。今年の全豪オープンでは、4回戦で世界1位のシフィオンテクを破るも、決勝ではサバレンカと対戦し第1セットを取るも逆転負けを喫しました。続いて、イタリア国際では決勝で、相手の途中棄権により優勝が確定しました。この勢いのまま雪辱を晴らしたいところですが、果たしてどこまで優勝争いに食い込めるでしょうか?なお、日本人女子選手では現在予選を勝ち進んでいる内島萌夏や日比野菜緒、本玉真唯らが本戦に出場する可能性があります。こちらも世界トップレベルの選手らとどこまで渡り合えるのか期待したいです。