2位以内に入る―。日本代表女子こと火の鳥NIPPONが来年のリオ五輪出場権を獲得できる厳しいながらも可能性のある条件です。エースであり主将の木村沙織はこう宣言しました。「オリンピック出場権を獲得する」。
さあ、いよいよ女子バレーボールの大一番「FIBVワールドカップバレー2015」が国立代々木競技場第一体育館で22日に開幕します(女子日程:8月22日~9月6日、男子日程:9月8日~9月23日)。開催国(日本)、世界選手権の優勝国に加え、各大陸予選を勝ち抜いた世界の強豪国12チームが集結し、約1か月に渡る熱い戦いを繰り広げます。出場チームの紹介も兼ねて、気になる火の鳥NIPPON(日本代表)の第1ラウンド~第3ラウンドまでの試合日程をご紹介します。
【ワールドカップバレー2015日本代表女子(4)試合日程】
<第1ラウンド@東京>
22日(午後7時):対アルゼンチン(14)
23日(午後7時):対ロシア(7)
24日(午後7時):対キューバ(26)
26日(午後7時):対ケニア(19)
27日(午後7時):対ドミニカ(6)
<第2ラウンド@仙台>
30日(午後7時):対ペルー(23)
31日(午後7時):対韓国(10)
9月1日(午後7時):対セルビア(8)
<第3ラウンド@名古屋>
4日(午後7時):対アルジェリア(25)
5日(午後7時):対アメリカ(1)
6日(午後7時):対中国(3)
※(カッコ)内は世界ランキング
リオ五輪開催国であるブラジルは出場しませんが、世界ランキング4位の日本よりも上位となるアメリカ、中国との試合が第3ラウンドに待ち構えています。ここまでをいかに確実に白星を積み重ねていき、アメリカと中国どちらかから最低白星をゲットすることが日本のリオ五輪出場圏獲得には必要になってくるでしょう。
火の鳥NIPPONのリオ五輪出場決定なるか?そして、この4年に一度のワールドカップバレーを制するのはどのチームなのでしょうか?イギリスのブックメーカー「Bwin」がワールドカップバレー2015の優勝オッズ(アウトライト)を発表していますので見てみましょう。
【FIVBワールドカップバレー2015優勝オッズ】
※オッズは17日午前9時現在
優勝最有力候補は、世界選手権を制したアメリカで1.65倍のオッズが付いています。2番手には世界ランキング7位のロシアで4.50倍、続いて同3位の中国が5.50倍となっています。日本はセルビアと同じ4番手タイとなる8.00倍のオッズが付いています。世界ランキング6位のドミニカ共和国以下2桁以上のオッズと上位5チームと大きく差があるようです。おそらくアメリカを中心に日本、中国、ロシア、そしてセルビアによる優勝争いとなってくると予想されます。
【ワールドカップバレー2015女子優勝オッズ】
※オッズは21日午前1時現在
また、ブックメーカー「10Bet」によると、アメリカが1.66倍、中国が3.15倍、ロシアが5.20倍となっています。日本はセビリアの13.00倍に次いで5番手となる25.00倍となっています。
火の鳥NIPPONが打ち破らなければいけない壁は3枚あります。アメリカ、中国、そしてロシアです。
無冠の女王として長年言われてきたアメリカは、2014年の世界選手権で初めて3大大会(世界選手権、ワールドカップ、オリンピック)で優勝を成し遂げて、最も勢いのある世界ランキング1位のチームです。そのアメリカをけん引するのは25歳のケリー・マーフィーで、昨年の世界選手権優勝の立役者となりました。188センチの長身から打ち下ろす強烈なスパイクが強力な武器のサウスポーエースです。日本としてはマーフィーをいかに抑えられるかが勝負のカギを握るでしょう。アメリカとは9月5日に対戦します。
アジアの強豪・中国はこれまでワールドカップ3度の優勝を誇る巨人です。指揮を執るのは2008年の北京五輪ではアメリカを率いて銀メダルを獲得した郎平(ロウ・ヘイ)監督です。中国は2004年のアテネ五輪金メダル以降、3大大会での優勝から遠ざかっており、郎平監督の手腕にアジアのバレー大国復活を託します。195センチの超大型スパイカーの朱婷(シュ・テイ)は指揮官からその才能を見込まれた20歳のエース。中国撃破のポイントはこのテイを波に乗せないことになってくるでしょう。中国戦は最終戦(9月6日)です。
欧州の強豪・ロシアは世界ランキングこそ日本よりも下となる7位に甘んじていますが、五輪で4度の金メダル、世界選手権では7度の優勝を誇る古豪は、今回のワールドカップで2度目の戴冠を狙います。ロシアはセッターのエフゲーニャ・スタルツェワと、エースのタチアナ・コシェレワの26歳コンビが長年チームを引っ張っています。再び日本の地でこのコンビが躍動するのでしょうか?日本は第2戦となる8月23日にロシアと対戦します。この一戦が今回の日本の順位を大きく左右するものとなりそうです。
真鍋政義監督率いる火の鳥NIPPONは、ワールドカップの前哨戦となったワールドグランプリ2015の決勝ラウンドでは5戦全敗で最下位に沈みました。しかし、真鍋監督は「選手をまんべんなく使い、能力を見極めることができた」と前を向いていました。ワールドグランプリでは多くの選手を起用することを明言していた真鍋監督は、今回のワールドカップに照準を合わせているようです。
ワールドグランプリでは日本の悪いところ、修正すべき点がすべて出ていたと語ったエースの木村沙織は「丁寧な守備から攻撃を組み立てることはもっとできる」とワールドカップ2015でのメダル獲得に向けて“日本らしいバレーボール”を強調していました。確実にワールドグランプリではチームの底上げができているのではないでしょうか。絶対的エースの木村を中心に、石井優希と長岡望悠の左右両スパイカー、そして若手ホープ・宮下遥とベテラン・古藤千鶴の司令塔などチームの総合力でリオ五輪出場権獲得、そして初の金メダル獲得を目指します。
【火の鳥NIPPON2015メンバー】
※「フジテレビ」HPより抜粋。
ワールドグランプリ2015からの1か月でどれだけ選手が、そしてチームが強くなってきているのか?非常に楽しみなワールドカップ2015は8月22日に女子が開幕します。なお、地上波ではフジテレビ系列で全日生中継予定となっています。ブックメーカーも各対戦のオッズなどを発表しますので、ぜひブックメーカー情報局公式ツイッターや清崎民喜ツイッターなどでフォローいただければ幸いです。