【ブックメーカー】ATPマスターズ1000開幕戦「BNPパリバ・マスターズ2017」:錦織圭の初制覇なるか?ブックメーカー発表の優勝オッズは?

錦織圭

ATPマスターズ1000ロゴ全米、全豪、全仏、全英の世界4大大会に次ぐ、第5のグランドスラムとも呼ばれるテニスの大会「BNPパリバ・オープン」の開催が近づいてきました。世界トップクラスのプレーヤーが集結するこの大会を制するのはどのプレーヤーになるでしょうか。大会は3月6日から19日(現地時間)にかけて行われます。

大会概要

インディアンウェルズ・テニスガーデン(大会会場)

BNPパリバ・オープンはグランドスラムに次ぐ規模を誇るATPワールドツアー・マスターズ1000(男子)とWTAプレミアトーナメント(女子)の複合大会です。優勝賞金は100万ドル、男子の賞金総額は500万ドル以上で、マスターズ1000の中で最高額となります。

開催地の米国カリフォルニア州インディアンウェルズは温泉保養地で有名なパームスプリングスからも近く、風光明媚なリゾート地です。この大会は世界的な注目も高く、2016年には合計438,000人もの観衆に350社ものメディアが集結するほどでした。

昨年の結果

昨年の覇者・ノバク・ジョコビッチ

2016年大会ではノバク・ジョコビッチがミロシュ・ラオニッチを6-2、6-0で破り、大会3連覇および5回目の優勝を飾りました。3連覇の達成は2004年~2006年のロジャー・フェデラー以来2人目、5回の優勝は4回優勝のフェデラーを超え史上最多となります。

昨年の錦織圭はジョン・イズナー(アメリカ)を破って自身の同大会最高となる準々決勝進出を果たすも、ラファエル・ナダル(スペイン)の前に屈しています。

組み合わせドロー

BNPパリバ・オープン2017男子シングルスドロー表>(現地7日発表)

マスターズ初優勝を狙う錦織は第4シードとなり、初戦となる2回戦で世界ランク41位のダニエル・エバンズ(イギリス)と同82位のダスティン・ブラウン(ドイツ)の勝者と対戦します。順当にシード勢が勝ち上がった場合、準々決勝で第6シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦します。また、前回王者で4連覇を狙うジョコビッチは、フェデラーとナダルが同じ山に入り、準々決勝で早くもどちらかと対戦する公算が強く、厳しい戦いが強いられそうです。

優勝オッズ

【BNPパリバ・オープン2017男子シングルス優勝オッズ】
BNPパリバ・オープン2017男子シングルス優勝オッズ①
BNPパリバ・オープン2017男子シングルス優勝オッズ②
※オッズは7日午後11時現在、同時刻更新

ピナクル ロゴブックメーカー「Pinnacle(ピナクル)」が7日に発表したBNPパリバ・マスターズ2017男子シングルス優勝オッズによると、優勝候補筆頭にはアンディ・マレーで3.180倍、僅差でジョコビッチが3.260倍で2番手となっています。全豪オープンの覇者であるフェデラーが3番手の7.500倍、4番手にはその決勝で敗れたナダルが8.120倍のオッズで続いています。注目の錦織は全体の8番手となる28.700倍となっており、世界ランク5位ながら評価を落としている格好となっています。

有力選手

錦織圭

昨年の同大会での錦織圭

2月下旬に行われたリオ・オープン (ATP500) では、世界ランキング76位の格下トマス・ベルッシ(ブラジル)を相手にまさかのストレート負けで1回戦敗退を喫した錦織。試合中ラケットを破壊するほどのいら立ちを見せたことは大きな話題となりました。その後の立ち直りが心配されており、次戦となるこのBNPパリバ・オープンでのプレーに注目が集まるところです。

錦織が初戦敗退したのは約1年半前の2015年全米オープンでランキング41位(当時)のブノワ・ペール(フランス)に敗れて以来となります。とはいえ上位ランクの選手が初戦敗退するのは決して珍しいことではなく、ジョコビッチでさえ昨年4月のモンテカルロ・マスターズで当時ランキング55位のイリ・べセリ(チェコ)に敗れています。

大事なのは気持ちを切り替えて次に望むこと。実際、ジョコビッチはこのつまずきを次への力に変え、翌月のマドリッド・オープンで優勝、さらに全仏オープンでも優勝してキャリア・グランドスラムを達成しました。

現在(3月1日現在)世界ランキング5位の錦織が世界の頂点を目指すためにも、メンタルの強さは必須になります。このピンチを乗り越え、並みいる強豪たちを打ち破ることができれば、悲願の世界一も現実的な目標となってくることでしょう。

ノバク・ジョコビッチ

ノバク・ジョコビッチ

現在BNPパリバ・オープン3連覇中の王者ジョコビッチ。世界ランキング1位の座をアンディ・マレーから奪い返すためにも、できるだけ多くのポイントを稼いでいきたいところでしょう。

1月の全豪オープンでは2回戦で対戦した当時世界ランキング117位のデニス・イストミン(ウズベキスタン)に敗れ、大金星を献上してしまいました。4大大会での2回戦負けは2008年のウィンブルドン以来となります。

その後2月初頭のデビスカップ・ロシア戦には出場したものの、肩の負傷により以降の大会を欠場していたジョコビッチは当初BNPパリバ・オープンを復帰戦に設定していましたが、2月27日からメキシコ・アカプルコで開催されている「アビエルト・メキシカーノ・テルセル」(ATP500)に参戦し、復帰を前倒しにしました。そのため、次戦となるこのBNPパリバ・オープンにはより調整のできた状態で乗り込んでくるはずです。メキシコでの戦いは、そこからほど近いカリフォルニアでの次戦に向けてコンディションを上げるには最適とも言えます。

時につまずくもそのまま倒れていることはなく、必ず起き上がってくる強さもジョコビッチの特徴の一つと言えます。全豪での失敗を挽回するために、BNPパリバ・オープンを死ぬ気で獲りに来るジョコビッチの姿が見られるはずです。

ロジャー・フェデラー

ロジャー・フェデラー

1月の全豪オープンでは熾烈な戦いの末、ラファエル・ナダルを破って優勝を果たし、衝撃の復活を果たしたロジャー・フェデラー。昨季は膝の怪我でシーズンの半分以上を棒に振るなど、年齢も相まってもはや終わった選手扱いすらされていた状態からの全豪制覇には世界中が驚かされました。決勝までの過程でもトマス・ベルディヒ(チェコ)、錦織、スタン・ワウリンカ(スイス)ら世界のトッププレーヤーを撃破しており、まだまだやれるというとこを見せつけました。

BNPパリバ・オープンではジョコビッチに次ぐ4度の優勝を誇るフェデラー。今回優勝できればジョコビッチの5回に並ぶこともまた彼のモチベーションを上げる要因となりそうです。

史上最高のテニスプレーヤーとの呼び声も高いこのスイスの至宝が、再び現役最強の座に返り咲くことももはや夢ではなくなりました。齢35を過ぎてますます意気盛んなこの選手から目が離せません。

アンディ・マレー

アンディ・マレー

世界ランキング1位の座に君臨しているイギリスの英雄アンディ・マレー。全豪オープンでは4回戦で当時世界ランキング50位のミーシャ・ズべレフ(ドイツ)を相手にまさかの敗北を喫し、大会後には帯状疱疹を患ってしばらく厳しい時間を過ごしました。ドバイ・デューティーフリー選手権(ATP500)に参戦中のマレーは現在ではすでに回復しており、トップフォームでBNPパリバ・オープンに参戦してくるはずです。

今大会での過去最高位は決勝戦でラファエル・ナダルに敗れて準優勝となった2009年。BIG4として並び称される他の3人は皆今大会で3回以上の優勝を果たしており(フェデラー4回、ジョコビッチ5回、ナダル3回)、なんとしてもタイトルを奪いたいところではないでしょうか。