日本競馬も10月に入り本格化。11月頭にはブリーダーズカップ、12月には香港国際競走が控えるなど注目レースが目白押しではありますが、凱旋門賞が終了した欧州競馬は10月が今年のシーズンラストとなります。
その中から今回はイギリス秋のミドルディスタンス王者決定戦であるイギリスチャンピオンステークス(海外G1、2000㍍・芝)。同じく、秋のマイル王者決定戦であるクイーンエリザベスⅡ世ステークス(海外G1、1600㍍・芝)の2レースをご紹介します。
イギリスチャンピオンステークス2018
イギリスミドルディスタンスの秋の大一番と言えばこのレース。今年も非常に楽しみなメンバーが揃いました。まずはブックメーカー「10Bet」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。同レースは日本時間20日午後11時50分発走予定です。
【イギリスチャンピオンS2018オッズ】
※オッズは17日午後1時現在
<10Bet 登録方法>
<「英チャンピオンS2018最新オッズ情報」by bet365>
今年のイギリスチャンピオンステークスを語る上において注目しなければならないのは「J.ゴスデン厩舎」の管理馬。
エネイブルの凱旋門賞制覇で勢いに乗るイギリスの名伯楽が、更に厩舎の看板ホース2頭をこのレースに送り込むことになります。
一番手評価の2.00倍となっているのは、昨年のこのレースの覇者クラックスマン(Cracksman)。
ただし、今年はその臨戦過程に疑問符が。単勝オッズ1倍台に推された6月のプリンスオブウェールズ(海外G1、2000㍍・芝)においてはまさかの2着。そこから、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(海外G1、2400㍍・芝)、イギリスインターナショナルステークス(海外G1、2100㍍・芝)と馬場状態を理由に回避。
更に、出走を表明していた凱旋門賞も馬場状態を理由に回避し、サマーシーズンをほぼ全休して挑むこととなりました。
管理するゴスデン調教師からは「クラックスマンはステップレースを必要とするような馬ではない」とコメントを残しているものの、ここまで間隔があくのは正直予定外だった部分もあることでしょう。この点がどういった影響を及ぼすのかがカギとなります。
もう一頭の注目馬がロアリングライオン(Roaring Lion)。オッズは5.50倍となっています。
今年のイギリス3歳クラシック路線において、サクソンウォリアーやマサーらとともにしのぎを削りあった1頭。やや勝ちきれない印象がありましたが、エクリプスステークス(海外G1、2000㍍・芝)を皮切りにG1レースを3連勝。
特に、イギリスインターナショナルステークスにおいては、あのポエッツワードを破っての勝利。3馬身以上離しての完勝劇だけにこれは大変に価値ある1勝と言えるでしょう。
ただし、このロアリングライオンに関しては17日の時点で「馬場の状態を見極めてから」。この後ご紹介するクイーンエリザベスⅡ世ステークス(海外G1、1600㍍・芝)へと出走変更をする可能性もあるとのこと。
「あくまで目標はイギリスチャンピオン。だが、ロアリングライオンにはマイルをこなすだけのスピードもある」とコメント。ちなみにクイーンエリザベスⅡ世ステークスでのオッズは4.33倍の二番手評価となっています。
クラックスマンに次ぐ3.75倍のオッズなのが、クリスタルオーシャン(Crystal Ocean)。
G1レース未勝利の同馬がここまで高い評価を得ているのはその戦ってきた相手と内容でしょう。前々走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSにおいては、優勝馬ポエッツワードとクビ差の2着。3着は9馬身以上離れていました。
更に、前走のセプテンバーステークスは先日の凱旋門賞で華々しい復帰を飾ったエネイブルの2着。この時も、エネイブルからは3.5馬身離されていましたが、そこから3着は17馬身差。この事実を並べてみると「一流馬とそん色がない」と考えられるのもうなずけます。
ひとつ、この上位3頭の「ものさし」となるのがポエッツワードの存在。レースが違うだけに単純比較はできませんが、ロアリングライオンは完勝し、クリスタルオーシャンは肉薄。そしてクラックスマンは完敗。三者三様なだけに、このポエッツワードの存在を予想に組み込んでみても面白いでしょう。
クイーンエリザベスⅡ世ステークス2018
こちらはマイル王者の決定戦。この1年間を通して欧州競馬界のマイル路線は主役不在となっていましたが、最後の最後で主役に躍り出る一頭は現れるのか。こちらもまずは「10Bet」から発表されているオッズをご確認いただきましょう。同レースは日本時間20日午後11時15分発走予定です。
<「クイーンエリザベスⅡ世S2018最新オッズ情報」by bet365>
4.00倍の一番手評価となっているのは、今年のムーランドロンシャン賞(海外G1、1600㍍・芝)を制したレコレトス(Recoletos)。
ただし、アスコット競馬場ではここまで2戦してともに複勝圏内をも外している同馬。特に今回と同条件で開催された6月のクイーンアンステークス(海外G1、1600㍍・芝)は7着と完敗。堅く、早めの馬場があまり得意ではなさそうなだけに、当日の馬場状態が気になるところです。
5.50倍の三番人気となっているのが3歳牝馬のローレンス(Laurens)。
ここまでG1レースを5勝。うち、ミドルディスタンスで2勝。マイルにおいては3勝、そして2着が1回と、かなりハイレベルな戦績を残している同馬。
特にここ2戦はマイルG1での連勝劇だけにこのレースでも中心的存在にはなっていますが、前走から中1週とかなりタイトなスケジュール。陣営からは「体質が強いから問題はない」とのコメントが聞かれますが、このローテーションやここまで牝馬相手にのみ戦ってきたことなどから、3番手のオッズ付けになったといったところでしょうか。
その他の注目馬としては、先ほどイギリスチャンピオンステークスの欄でご紹介したロアリングライオンが4.33倍。今年のクイーンアンステークスにおいて2着の実績を持つロードグリッターズ(Lord Glitters)が6.50倍。
今年のサセックスステークス(海外G1、1600㍍・芝)を制したライトニングスピア(Lightning Spear)が11.00倍となっています。