香港国際競走においては、日本の大将格であったアーモンドアイが出走を回避したものの、結果的には4レース中3レースが日本勢の勝利という大快挙を達成。しかし香港スプリントは香港勢が上位独占。スピード競馬大国の意地をしかとみせつけました。
そのアーモンドアイが有馬記念に出走することを決定するなど、いよいよ年末の大一番に向けての動きが固まりつつある中、12月、もうひとつ忘れてはならないビッグレースが2歳馬たちによるG1。今週末は阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(G1、1600㍍・芝)が開催されます。
【朝日杯フューチュリティステークス枠順】
※枠順が発表され次第、更新します。
先週末、香港国際競走と並び大きな話題を呼んだのが、朝日杯ジュベナイルフィリーズに先立って行われた2歳牝馬の女王決定戦阪神ジュベナイルフィリーズ。このレースにはデビュー時から「来年のクラシック最有力候補」と呼ばれていたリアアメリアやウーマンズハートらが敗れる波乱の結果。一気に混戦ムードが漂うこととなりました。
果たして今週末の朝日杯フューチュリティステークスは人気通りの決着か、それともニューヒーロー誕生となるのか。まずはブックメーカー「bet365」が発表しているオッズをご確認いただきましょう。
【朝日杯フューチュリティステークス2019オッズ】
※オッズは12日午後2時現在
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オッズ的に注目を集めている3頭からご紹介いたしましょう。
1番手評価の2.00倍となっているのは、サウジアラビアロイヤルカップ(G3、1600㍍・芝)においてレコード勝ちを収めたサリオス(Salios)。
先週の阪神ジュベナイルフィリーズではレシステンシアが見事に逃げ切り勝ち。前が残りやすい馬場であったこともありましたが、タイムも1分32秒台とかなりの時計。しかしながら時計勝負ならばサリオスにとっても好都合。前走は好位からの競馬で完勝しているだけに、前目残りの馬場も歓迎と、プラス要素はかなり多いといえるでしょう。
ひとつポイントなのが今回、初の関西遠征であるという点。「操縦性が良く、気性もいい馬」という言葉からもわかるように、輸送に関して大きな心配はしていないという評価ですが、精神面が未熟な馬の多い2歳という年齢を考えると、少なからず影響はあるのではないでしょうか。
今回の鞍上はみな様ご存知R.ムーア騎手。
11月末からしっかりと調教に乗り込む念の入れよう。調教も抜群の内容だっただけに手ごたえもしっかりとつかんでいそうです。
このサリオスに続く評価となったのが、デイリー杯2歳ステークス(G2、1600㍍・芝)の覇者、レッドベルジュール(Red Bel Jour)。オッズは4.00倍となっています。
前走はデビュー戦からなんと+28キロでの出走。そういったこともあってか3番人気と上位人気の1角どまりでしたが、終わってみれば11頭立て10番手から唯一33秒台の末脚を繰り出して完勝。並みいるライバルたちをあざ笑うかのようなレースぶりを見せました。
「一気の馬体重増から一叩きして素軽さが出てきた」と、陣営もさらに上り調子をアピール。ただ「もう少し距離はあった方がいいかもしれない」とのコメントもあるだけに、決して適距離の舞台ではないかもしれませんが、やはり安定した末脚は脅威です。
4.33倍で3強候補の一角にいるのがタイセイビジョン(Taisei Vision)。
上位3頭の中では唯一ここまで3戦をこなしてきているタイセイビジョン。前走の京王杯2歳ステークス(G2、1400㍍・芝)では、スローペースでやや折り合いを欠きながらも、前走で敗れたビアンフェにしっかりと勝利し、雪辱を果たしました。
レッドベルジュール同様、このタイセイビジョンもここまで全レースで上がり最速。ただし、前走でもやや掛かり気味だったように、距離延長と前向き過ぎる気性がどうでるのかがポイントでしょう。
今回、レースを引っ張りそうなのが先ほどタイセイビジョンをご紹介する際に登場したビアンフェ(Bien Fait)。オッズは15.00倍となっています。
ここまで4戦2勝2着2回とパーフェクト連対。逃げてからも突き放すいわゆる「二の脚」が使えるタイプであり、正に阪神ジュベナイルフィリーズのレシステンシアの再現が可能な1頭かもしれません。
気になるのは前走初の1400mにおいて敗れているという点。スピードは非凡なものがありますが、主戦場の1200mからの2ハロン延長はどう出るでしょうか。
その他の注目馬としては、O.マーフィー騎手が騎乗する予定のペールエールでしょうか。オッズは11.00倍となっています。
レッドベルジュールが勝利したデイリー杯2歳ステークスにおいて1番人気だったのがこのペールエール(Pale Ale)。結果は3着入線だったために、今回も「同じ戦い方」では分が悪いのではないでしょうか。そこはO.マーフィー騎手の手腕に期待したいところです。
その他、前走不良馬場のもみじステークスを快勝したラウダシオン(Lauda Sion)が13.00倍。唯一の3勝馬マイネルグリット(Meiner Grit)が41.00倍などで続いています。
2歳戦らしく上位陣も「完全無欠」という印象は決して受けない1戦。それだけに予想は困難を極めますが、美味しいオッズにありつける可能性も十二分でしょう。
朝日杯フューチュリティステークスは12月15日(日)15時40分発走予定です。