北米大陸で絶大な人気を誇る“氷上の格闘技”アイスホッケーの世界最強リーグ、NHLが間もなく開幕の時を迎えます。
2019-20年シーズンのNHLは10月2日に開幕。プレーオフを経て、来年6月のファイナルに向けて激しい戦いが繰り広げられます。
No.1の還元率を誇り、アメリカのワシントンポスト紙で「世界でも、歴史上でも、最大・最高のブックメーカー」と評されたブックメーカー「Pinnacle(ピナクル)」が優勝オッズを発表していますので、その数字を参考に大会展望をご紹介していきます。
伝統ある北米4大プロスポーツの一角、NHL
NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)は、アメリカンフットボールのNFL、バスケットボールのNBA、野球のMLBと並んで北米を代表する4大プロスポーツリーグの一角に数えられる、世界最高のプロアイスホッケーリーグです。
現在はアメリカに24チーム、カナダに7チームの計31クラブが参戦。2021年からはシアトルに新チームが創設され、NHLに加入する予定となっています。
優勝チームにはアイスホッケーの大ファンだった19世紀のカナダ総督フレデリック・スタンレー伯爵が寄贈したことにちなむスタンレー・カップを授与。
そのほか、ウェスタンカンファレンス優勝チームには第3代会長にちなむクラレンス・S・キャンベル・ボウルが、イースタンカンファレンス優勝チームには1925-26年シーズンにエドワード王子(のちのエドワード8世。325日で退位しアメリカ人女優と結婚したことで有名)が寄贈したことにちなむプリンス・オブ・ウェールズ・トロフィーが授与されます。
昨年度はブルースが悲願の初優勝!ブルーインズは7度目の王座を逃す
2018-19年シーズンのプレーオフを制し、NHLチャンピオンの座をつかみ取ったのはミズーリ州セントルイスを本拠地とするセントルイス・ブルース。NHL加盟から51シーズン目にしてついにチーム史上初の優勝を達成しました。
ボストン・ブルーインズとのファイナルはまさに一進一退。最終戦の第7戦までもつれ込んだ激戦の末、最終戦を4-1で勝利したブルースがブルーインズを下しています。
プロホッケー記者協会の投票で決定されるプレーオフMVP(コーン・スマイス・トロフィー)の称号を手にしたのは28歳のFWライアン・オライリー。1985年のウェイン・グレツキー以来となるプレーオフ4試合連続得点を決めるなど大活躍を見せ、プレーオフだけで8ゴール15アシストと圧倒的な結果を残しています。
日系NHLプレーヤーが増加中!2人目の日本人プレーヤーの誕生もありうる
これまでにNHLでプレーした経験を持つ日本人は2005年から2年間ロサンゼルス・キングスでプレーしたGKの福藤豊(現・日光アイスバックス)のみ。NHLはNBA以上に日本人が成功できていないスポーツリーグだといえるでしょう。
とはいえ、近年は日本の血を引く日系人が多くドラフトで指名されており、日本人選手たちの成功の可能性に希望を投げかけました。特に今年のドラフトでは2人の日系人が1巡目指名を受けるという快挙を達成。日系カナダ人のフィリップ・トマシノがナッシュビル・プレデターズから全体24番目、同じく日系カナダ人で前年には兄のニックもドラフト1巡目指名を受けているライアン・スズキがカロライナ・ハリケーンズから全体28番目の指名を受けています。
彼らはカナダ育ちですが、全体95番目では小5まで日本育ちで日本国籍を有するジョーダン・スペンス(18歳)も指名を受けました。彼がいずれ日本国籍を選択し、日本代表入りする可能性も十分にあります。
また、NHLの2部にあたるAHL(アメリカン・ホッケー・リーグ)でもNHL昇格を目指して日本代表の平野裕志朗が奮闘中。彼らがトップリーグで活躍すれば、日本でもアイスホッケー人気が高まりを見せるかもしれません。
優勝オッズ筆頭はライトニング!さっきプレーオフの屈辱を晴らせるか?
【NHL2019-2020優勝オッズ】
※オッズは1日午前11時現在
<ピナクル 登録方法>
ブックメーカー「Pinnacle(ピナクル)」による2019-20年シーズンのNHL優勝オッズ筆頭に挙げられたのは去年のレギュラーシーズンで62勝16敗という圧倒的な成績を残したタンパベイ・ライトニング。オッズは8.720倍となりました。
2番手は一昨シーズンのプレーオフファイナリストのベガス・ゴールデンナイツで10.040倍、3番手はNHLきっての人気チームであるトロント・メイプルリーフスで10.460倍。
4番手は昨年度プレーオフファイナリストのボストン・ブルーインズで12.060倍、5番手は一昨シーズンの王者ワシントン・キャピタルズで16.620倍となっています。
レギュラーシーズン最強のライトニング、今年こそプレーオフも勝ち抜きたい
昨シーズンにタンパベイ・ライトニングが残した62勝16敗という記録は、2番手となったカルガリー・フレームスの50勝を12勝も上回る記録的な物でした。しかしながら、ワイルドカードからプレーオフに進出したコロンバス・ブルージャケッツ相手にまさかの4連敗を喫し、ファーストラウンド敗退の憂き目にあいました。
レギュラーシーズンのMVPに与えられるハート・トロフィーがライトニングのロシア人FWニキタ・クチェロフに与えられたのがせめてもの慰めでしょうか。
過去にハート・トロフィーを獲得したロシア人は過去に3人。その3人ともがNHL優勝を果たしているのはライトニングにとって嬉しいデータでしょう。過去の3人にクチェロフとライトニングも続いていきたいところです。
ラスベガスを背景に、ゴールデンナイツが再びNHLに旋風を巻き起こすか
一昨年度はチーム創立初年度にしてプレーオフファイナルに進出するという快挙を成し遂げたベガス・ゴールデンナイツですが、昨年度はプレーオフファーストラウンドで敗退となりました。
ゴールデンナイツの本拠地は欲と金が渦巻くカジノの街として知られるアメリカのラスベガスですが、近年ラスベガスはスポーツの振興にも力を入れており、ゴールデンナイツの創設もその一環の様子。
世界中からラスベガスに集まるセレブリティたちをチームに惹きつけることができれば、財力的にもエンターテイメント的にも大きな力となることは間違いありません。
3シーズン目を迎えるゴールデンナイツが、再びNHLに旋風を巻き起こす可能性は非常に高いといっていいはずです。