錦織圭が大会連覇を果たすのか!?
楽天ジャパン・オープン(楽天オープン)が本日30日から10月6日まで東京の有明コロシアムで行われます。昨年の同大会決勝で、錦織はミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を7-6、3-6、6-0で下し、1972年(第1回大会)の坂井利郎以来2人目の日本人王者となりました。今回は錦織も第4シードとして出場し、2度目の優勝を狙います。
昨年の決勝のダイジェスト映像は、下記画像をクリックすればご覧いただけます。錦織が日本凱旋と同時に、故郷に錦を再び飾る姿を見ることはできるのでしょうか。
ここで、今シーズンの錦織の主な成績を見ておきましょう。まずは1月のグランドスラム開幕戦である全豪オープンで、日本人選手としては初となる2年連続で16強入りを果たすと、2月の全米国際インドアテニス選手権でATPツアー3勝目を挙げました。
6月の全仏オープンでも16入りを果たして、8強の壁を越える準備と世界ランキングトップ10入りも視野に入ってきました。しかし、ウィンブルドンでは3回戦負け、4大大会最後を締めくくる全米オープンではよもやの初戦敗退と、シーズン後半に入って調子が今ひとつのようです。
現在世界ランク13位の位置にいる錦織は、このままシーズンを終えるわけにはいかないでしょう。全米オープンでの失意の中、帰国した錦織は有明コロシアムで行われた国別対抗戦デビスカップワールドグループ入れ替え戦(プレーオフ)に日本代表として出場し、コロンビア戦で2勝(ともにシングルス)するなどワールドグループ復帰に日本をけん引しました。この試合では特に錦織の存在感を強く感じた大会でした。
そういう意味で錦織にとって調子を取り戻した会場で、今回の楽天オープンを戦えるのは、目標の世界ランクトップ10入りに向けて追い風になるのではないかと思います。そして、私たちは「ため息」ではなく「声援」を送り、世界レベルのプレーに酔いしれる1週間にしたいものです。
では、「錦織連覇」はなるのでしょうか?ブックメーカー「bet365」は、楽天オープンの優勝者オッズを以下のように発表しています。
【楽天オープン優勝者予想オッズ トップ5】
① フアン・マルティン・デル・ポトロ:3.0倍
② ジョー・ウィルフリード・ツォンガ:4.5倍
③ ミロシュ・ラオニッチ:6.0倍
④ 錦織圭:11.0倍
⑤ ジル・シモン:12.0倍
(日本人選手のオッズ)
○ 添田豪:301.0倍
○ 伊藤竜馬:401.0倍
○ 杉田祐一:501.0倍
※オッズは30日午前10時現在
優勝候補の筆頭に挙がっているのは、フアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)です。出場選手の中で最も世界ランクが高い6位で、2008年の同大会では準優勝しています。デル・ポトロは、2009年の全米オープンを制するなど世界のトップランカーとしてその実力を見せ付けましたが、手首のケガで一時は世界ランクも400番台まで下げて、そこからまた這い上がってきた選手です。アンディ・マレー(イギリス)がケガのため出場できなくなり、代わりに推薦で出場することになりました。
ジョー・ウィルフリード・ツォンガ(フランス)は、2009年の同大会チャンピオンです。今年の全仏オープンでは自身初のベスト4入りを果たしています。ただ、ケガのために全米オープンを欠場するなど、どれだけ本大会に復調できているのかは未知数な部分があります。現在世界ランク8位です。
ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は、昨年の決勝で錦織が破った現在世界ランク10位の選手です。錦織の1つ年下ですが、ATPツアーでは通算4勝と錦織を1勝上回っており、世界ランクでは2つ上を行く“ライバル”といえる存在でしょう。2度目の決勝で再戦となるのでしょうか。
そのラオニッチは1回戦で添田豪と対戦します。日本勢は、オッズだけ見れば錦織以外の劣勢感が否めません。しかし、世界に挑戦する日本人選手たちは、多くの人たちに自分たちのプレーを見てもらい、声援をもらうこと(時には叱咤も必要ですが)で成長できる部分があるのではないでしょうか。注目度の高い本大会は彼らにとって飛躍のきっかけになるチャンスになることでしょう。
「デビス杯(プレーオフ)が刺激を与えてくれた。2試合いいプレーができて、また、情熱と自信が戻ってきた」―。調子と自信を取り戻した錦織の活躍に期待しましょう!錦織は1回戦で元世界ランク8位(現在32位)のユルゲン・メルツァー(オーストリア)と対戦します。ブックメーカー「bet365」の勝敗オッズは、錦織勝利:1.22倍、メルツァー勝利:4.00倍となっています。※オッズは30日午前10時現在
「ため息」ではなく「声援」が数多く聞かれる大会に期待したいものですね。