【bet365】ベルモントステークス2017:日本馬初の米クラシック三冠レース制覇なるか、エピカリス!ブックメーカーが注目の単勝オッズ発表

エピカリス(右)

日本ダービー、そしてイギリスダービーが終わり、日本や欧州競馬界のクラシック路線は一息というところですが、ところ変わってアメリカクラシック路線は早くも大詰めであるベルモントステークス(海外G1、2400㍍・ダート)を迎えることとなります。

まずは、今年のアメリカクラシック路線を軽く振り返ってみましょう。

一冠目であるケンタッキーダービー(海外G1、2000㍍・ダート)を制したのは、3歳になってから3連勝でフロリダダービー(海外G1、1800㍍・ダート)を制し、本格化を迎えた1番人気のオールウェイズドリーミング(Always Dreaming)でした。

ケンタッキーダービー2017

2番手から楽々抜け出しての完勝劇。混戦だと謳われていた今年のアメリカクラシック路線において、この勝利で高い評価を得ることとなりました。

続く二冠目。2週間後に行われたのがプリークネスステークス(海外G1、1900㍍・ダート)。

二冠のかかるオールウェイズドリーミングや2歳王者クラシックエンパイア(Classic Empire)らが注目を集める中、勝利したのはなんと1勝馬であるクラウドコンピューティング(Cloud Computing)。オールウェイズドリーミングは大きく離された8着に敗れました。

プリークネスステークス2017

波乱の要因のひとつとしてはケンタッキーダービーが雨で馬場が荒れていたのに対し、プリークネスステークスは良馬場で行われたといった点もあったことでしょう。

そしてプリークネスステークスから2週間。いよいよ三冠目のベルモントステークスが開催されることとなります。

約1か月の間に全てのレースが行われるタフなローテーションがアメリカ三冠を達成するうえでもっとも難しい要因とされていますが、やはり最大の難関はこのベルモントステークス。

最大の難関と言われる所以は、全頭未知数となる2400mという距離にくわえ、三冠ロードを戦い抜いてきた馬の疲労もピークに達しているであろうタイミングで、これだけの中長距離を勝ち切るのは実力や適性だけでなく体力面も要されます。

そのことを指し示すかのように、今年は一冠目を制したオールウェイズドリーミング、そして二冠目を制したクラウドコンピューティングともに、ベルモントステークスは回避することを表明しました。

【ベルモントステークス2017枠順】※8日午後6時更新
(1)ツイステッドトム セン3歳 J.カステリャーノ
(2)タップリット 牡3歳 J.オルティス
(3)ゴームリー 牡3歳 V.エスピノーザ
(4)ジェイボーイズエコー 牡3歳 R.アルバラード
(5)ハリウッドハンサム 牡3歳 F.ジェルー
(6)ルッキンアットリー 牡3歳 I.オルティスJr.
(7)アイリッシュウォークライ 牡3歳 R.マラージ
(8)シニアインベストメント 牡3歳 C.ヒル
(9)ミーンタイム 牡3歳 M.スミス
(10)マルチプライヤー 牡3歳 J.ロザリオ
(11)エピカリス 牡3歳 C.ルメール
(12)パッチ 牡3歳 J.ヴェラスケス

果たして、今年のアメリカクラシックレース、最後の栄誉はどの馬が手にするのか。まずはブックメーカー「bet365」のオッズをご紹介しておきましょう。

【ベルモントステークス2017オッズ】
ベルモントステークス2017オッズ
※オッズは8日午前9時現在

今年のベルモントステークスにおいてまず注目したいのは、日本から挑戦することとなったエピカリスの存在でしょう。5.00倍は2番手評価と、高評価を得ています。

UAEダービー(海外G2、1900㍍・ダート)においては、地元UAE屈指の実力馬であるサンダースノーと短アタマ差の大接戦を演じ、惜しくも2着。

当初はケンタッキーダービーも予定されていましたが、敢えてベルモントステークス一本に絞るローテーションとなりました。

【UAEダービー2017(勝ち馬:サンダースノー)】


また、逃げ足が持ち味のエピカリスにとって、同じく逃げタイプの実力馬オールウェイズドリーミングが回避したことは、追い風と言えるかもしれません。

ベット365関係者も「(前走は)初めての海外のレースでいい経験になったし、重馬場にも対応できた。(強みは)速いペースを維持できること。アメリカはスタートからゴールまで速いペースが続くけど、合うと思う。2400mの距離は絶対にいける」と、自信のコメント。

日本調教馬として初めての「海外クラシック制覇」の偉業達成に向けて期待が高まります。

そんなエピカリスにとって最大のライバルとなりそうなのが、三冠レースすべてに出走することとなるクラシックエンパイア(Classic Empire)、そしてルッキンアットリー(Lookin At Lee)の2頭でしょう。

日本時間の7日までは、ブックメーカーの単勝オッズで2.75倍の一番手評価だったクラシックエンパイアはここまで2歳時と3歳時合わせてG1を3勝しているアメリカ3歳馬の中でもトップレベルの一頭。

クラシックエンパイア

特に、2歳時にはブリーダーズカップジュベナイル(海外G1、1700㍍・ダート)を制し、2歳王者となりました。

しかし、ケンタッキーダービーでは悪い馬場が合わなかったのか本来の実力を発揮できずに4着。続くプリークネスステークスにおいても、早めに抜け出し勝利を確信したかと思いきや、伏兵クラウドコンピューティングに最後アタマ差交わされての2着でした。

リベンジマッチといきたいクラシックエンパイアでしたが、現地7日に右前脚の膿瘍(のうよう)の影響でベルモントステークスの出走を回避することが陣営から発表されました。

もう1頭、三冠レース皆勤賞となるのがケンタッキーダービー2着、プリークネスステークス4着のルッキンアットリー。オッズはエピカリスに続く6.00倍となっています。

ルッキンアットリー

「好走はすれど、勝ち切るところまではいかない」といった、典型的な善戦タイプの同馬でしたが、それでも12番人気ながらに2着に入線したケンタッキーダービーや、辛いローテーションの中で迎えたプリークネスステークスでもしっかり結果を残したのは実力あってこそ。

ここまで、同馬の勝ち鞍は未勝利戦とOP特別のみ。重賞初勝利をこの大舞台で決めたいところです。

管理するオールウェイズドリーミングが回避することになってしまいましたが、アメリカの名門であるトッド・プレッチャー厩舎からも楽しみな馬が登場します。それがタンパペイダービー(海外G2、1700㍍・ダート)を制したタップリット(Tapwrit)です。

トッド・プレッチャー

ケンタッキーダービーでは6着と実力を発揮しきれませんでしたが、8.50倍と高い評価をされている理由は昨年のベルモントステークスを制したクリエーターと同じ「Tapit産駒」であるという点でしょう。

全頭距離適性が未知数な中で、このことは大きなアドバンテージと言えます。

ベルモントステークス2017最新オッズ情報(bet365発表)

また、ケンタッキーダービーから敢えてプリークネスステークスには行かず、ベルモントステークスに絞ってきた点も不気味に光ります。

その他にも、サンタアニタダービー(海外G1、1800㍍・ダート)を制したゴームリー(Gormley)が13.00倍。クラシックエンパイアやクラウドコンピューティングに勝利経験を持つアイリッシュウォークライ(Irish War Cry)が4.00倍。

更には前走のプリークネスステークスにて3着入線のシニアインヴェンスメント(Senior Investment)が7.00倍と、クラシックエンパイア以降はやや混戦気味のオッズとなっています。

日本馬の初快挙に期待がかかるベルモントステークスは、日本時間の6月11日午前7時37分に発走予定です。