ゴールドシップ、史上初の連覇なるか?上半期実力ナンバー1決定戦「第55回宝塚記念」(GⅠ、2200㍍・芝)が29日午後3時40分から阪神競馬場で行われます。人気投票で選ばれた12頭が今年の前半戦最後のGⅠレースを締めくくるビッグレースに挑みます。
なんといっても注目は、昨年の宝塚記念を制して連覇を狙う人気投票1番人気のゴールドシップでしょう。今回はベテランの横山典弘騎手と初タッグを組んで、史上初の連覇へ挑みます。皐月賞、菊花賞とクラシック2冠、昨年の有馬記念を制すなどGⅠ4勝馬がどのようなレースを見せてくれるのか楽しみですね。
前走となった天皇賞春(GⅠ、3200㍍・芝)では2番人気に推されましたが、馬群に沈んで7着と振るいませんでした。期待を裏切った前走の分を取り返して、GⅠ5勝目と初連覇に堂々と名乗りを上げました。
【宝塚記念2013(ゴールドシップ)】
初めてゴールドシップに騎乗する横山騎手は、この3週に渡って調教時にゴールドシップの背中に乗って親交を温めてきました。調教を終えた横山騎手は「ゴールドシップの動きは良かった。本当に順調、それに尽きる」と好調ぶりをアピールしていました。
須貝尚介調教師も非常に大きな自信を持って今回の宝塚記念にのぞむようです。「何も言うことがないくらい素晴らしかった。横山騎手とゴールドシップが会話しているかのようだった」。人馬一体となって日本競馬史にその名を刻む準備はできています。
「いい方に向かっている」と須貝調教師が話す、今月10日からシャドーロールを着用して集中力アップを図っているゴールドシップ。本番でも着用することを明言した須貝調教師にとってもより万全の準備で連覇を挑みたいという気持ちの表れでしょう。「馬の気分を邪魔しないように、走りたい気持ちにもっていくだけ。まともに走れば結果は付いてくる」と横山騎手は自信をのぞかせていました。
それではここで、本日26日にJRAから発表された枠順をお知らせしたいと思います。注目のゴールドシップは8枠11番となっています。また、日本の競馬でもお馴染みの英国老舗ブックメーカー(スポーツブック)「William Hill(ウィリアムヒル)」は、レース前日の28日(土)が単勝オッズを発表する予定ですので、発表され次第ここでお知らせしたいと思います。こちらもお楽しみにしていてください。
【第55回宝塚記念枠順と単勝オッズ】
※「ウィリアムヒル」の単勝オッズは28日発表、午後6時30分更新
1-1 ホッコーブレーヴ:13.0倍
2-2 デニムアンドルビー:17.0倍
3-3 ヴィルシーナ:17.0倍
4-4 ヒットザターゲット:41.0倍
5-5 カレンミロティック:26.0倍
5-6 ジェンティルドンナ:4.5倍
6-7 ウインバリアシオン:4.0倍
6-8 トーセンジョーダン:26.0倍
7-9 ヴェルデグリーン:34.0倍
7-10 メイショウマンボ:10.0倍
8-11 ゴールドシップ:3.0倍
8-12 フェイムゲーム:21.0倍
ゴールドシップの連覇に待ったをかけるのが、人気投票3位で“牝馬最強”と呼び声の高いジェンティルドンナでしょう。牝馬クラシック三冠に続き、2012年と2013年のジャパンカップ(GⅠ、2400㍍・芝)を史上初めて連覇するなどGⅠ6勝の輝かしい実績を持っています。
記憶に新しいのが、今年3月に行われたドバイ・シーマクラシック(GⅠ、2410㍍・芝)で昨年の悔しさを晴らして優勝するなど、国内外でその強さを見せつけています。内へ外へとムーア騎手がジェンティルドンナを回しながら、最後は直線で差し切っての強い競馬でした。
【ドバイ・シーマクラシック2014(ジェンティルドンナ)】
ジェンティルドンナは、昨年の宝塚記念では1番人気となりましたが3着に終わり、今年こそはリベンジをと海外遠征後の国内初レースに挑みます。石坂正調教師は「昨年よりもドッシリしていて、落ち着きがある」と女王の風格が一層強くなった印象を口にしていました。
今回は2012年のオークス以来となる川田将雅騎手とのコンビを組むジェンティルドンナ。ファン投票では3位に甘んじていることについて石坂調教師は「私の中では1番だ」と語気を強めています。それだけ今回のジェンティルドンナの仕上がりに自信を持っている表れでしょう。「ここまで順調にきており、体調に関しては全く心配ない」と言い切っています。
GⅠ7勝目を託された川田騎手は「期待に応えられるよう、一番いい結果を出せるように頑張りたい」と重圧をバネにジェンティルドンナを優勝へと導きます。
このジェンティルドンナに人気投票で勝ったのが、岩田康誠騎乗のウインバリアシオンです。ウインバリアシオンはGⅠ未勝利ながらも高い人気を誇っているのは、競馬ファンの「次こそは・・・」という期待の表れでしょう。
ウインバリアシオンは前走となった天皇賞春で惜しくも2着となり、GⅠ初制覇の夢を果たせませんでした。いや、今回だけではありません。昨年の有馬記念、2011年の日本ダービー、菊花賞と合計4度の2着を経験しています。いつしか“シルバーコレクター”との異名を付けられるほど「惜しい」馬なのです。
【天皇賞春(フェノーメノ)】
天皇賞春後に短期放牧に出して、この宝塚記念に初制覇をかける松永昌博調教師は「もう2着はいらない」と異名返上を一言で宣言しました。ハーツクライ産駒のウインバリアシオンには追い風があります。今年のオークス馬・ヌーヴォコレクト、ダービー馬・ワンアンドオンリー、そして安田記念馬・ジャスタウェイはすべてハーツクライ産駒なんです。今回、ウインバリアシオンが勝てば「ハーツクライ産駒4連勝」の偉業となるのです。
この三強に、ヴィクトリアマイル2連覇のヴィルシーナや今回GⅠ初制覇を狙うデニムアンドルビーの牝馬コンビが割って入ってきそうです。
ゴールドシップの連覇か?それともジャンティルドンナのGⅠ7勝目か?ウインバリアシオンの初戴冠か?前半戦の最後を締めくくる宝塚記念に注目しましょう。