今、リーガ・エスパニョーラはまさに円熟の時を迎えています。リーグ優勝はバルセロナが手にしたものの2位のレアルマドリードはUEFAチャンピオンズリーグ優勝、3位のアトレティコマドリードはチャンピオンズリーグ決勝でレアルマドリードとのマドリード・ダービーを実現、6位のセビージャはUEFAヨーロッパリーグ3連覇と、まさに2015-2016シーズンはスペインのクラブがヨーロッパを席巻した一年となりました。
近年稀に見るハイレベルな優勝争いが繰り広げられることは予想に難くありません。イギリスの老舗ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が今シーズンのリーガ・エスパニョーラの優勝オッズを発表していますので、それをもとに今シーズンの展望を紹介したいと思います。
【リーガ・エスパニョーラ優勝オッズ】
※オッズは10日午後8時現在
優勝候補筆頭は昨シーズンの覇者バルセロナで、1.73倍のオッズで高い支持を受けています。2番手はレアルマドリードで2.40倍、3番手にはアトレティコマドリードが11.00倍でつけています。4番手のセビージャが67.00倍で、これ以降はすべてのクラブが3桁台のオッズとなっており、優勝はこの4クラブで争われるものと見てよいでしょう。なお、乾貴士が所属するエイバルは15番手の1001.00倍となっています。常識的には当たるはずのない倍率ですが、昨シーズンのプレミアリーグ王者・レスターシティの5001.00倍に比べればずいぶん高い倍率なので、ここは一つエイバルに賭けてみるのも一興かもしれません。
バルセロナ
昨シーズンのチャンピオン、バルセロナは今季リーガ・エスパニョーラ3連覇を目指します。公式戦39試合無失点記録や、MSNと呼ばれ世界中から賞賛を集める3トップ、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールが公式戦合計131ゴールという前代未聞の大記録を達成するなど、まさに圧巻のパフォーマンスでファンを魅了しました。現在バルセロナが抱えている問題としては、まずMSNの控えの獲得が難航していることが挙げられるでしょう。あまりに突出した3人であるが故に、控えの選手には出場機会が十分に与えられないであろうことが予想され、多くの選手に敬遠されてしまっています。また、フィールドの外と問題としては、大エースのメッシが脱税の罪で有罪判決を受けるという、あってはならない事件も起きています。プレーへの精神的な悪影響や、最悪の場合禁固刑を受ける可能性さえあるでしょう。チームとしての能力は間違いなく優勝候補ですが、同時に大きな爆弾も抱えていることを留意して優勝予想する必要がありそうです。
レアルマドリード
レアルマドリードは昨シーズンわずか1ポイント差で優勝を逃した雪辱を誓うシーズンとなるでしょう。クリスティアーノ・ロナウド、ガレス・ベイル、ハリム・ベンゼマの3人からなる攻撃ユニットBBCはバルセロナのMSNに勝るとも劣らない破壊力を持っています。昨シーズンは就任1年目のラファエル・ベニテス監督の元で臨みましたがチームの不振を受け途中解任となり、後任にクラブの英雄ジヌディーヌ・ジダンが就任するとチームは上昇気流に乗り、リーグ2位となりました。今シーズンはオフから指揮をとれるジダン監督の手腕が問われるシーズンとなります。絶対的エースのロナウドには年齢からくる若干の衰えが指摘され始めていますが、その変わりにベイルが全盛期を迎えつつあり、もはやロナウドより上とする声もあるほどです。現在所属する選手の価値の合計が世界一高額なクラブであるとされるレアルマドリードが宿敵バルセロナや同じホームタウンのライバル、アトレティコマドリードを上回ってスペインの頂点に立てるかは、彼の活躍にかかっていると言っても過言ではありません。
アトレティコマドリード
エル・チョロの愛称で親しまれる闘将ディエゴ・シメオネに率いられたこの赤と白の戦士たちは、今やリーガ2強に割って入ることができるほどの強豪に育ちました。過去4シーズンのリーグ戦結果は3位、1位、3位、3位とリーグ第三のクラブの座を確立しています。とはいえまだ上位2クラブとは格や人気の面でも隔絶した差があり、それを埋めるためにも優勝が求められるでしょう。昨年にはかつてのクラブのアイドル、フェルナンド・トーレスが帰還し、またフランス代表アントワーヌ・グリーズマンがエースとして大車輪の活躍を見せるなど好調なシーズンを過ごしましたが、リーグ戦はバルサ、レアルとの激しいデッドヒートの末に3位、UEFAチャンピオンズリーグにおいては決勝に進出するもライバルであるレアルマドリードにPK戦の末敗北し、悔し涙を飲みました。今季はその雪辱を晴らすためにモチベーションも十分だと考えられます。シメオネ監督就任6年目となる今季はチームの円熟味もますます増してきており、王座奪還に対する期待は高まるばかりでしょう。
セビージャ
3強を除けば対抗馬となり得るのは恐らくセビージャのみでしょう。昨シーズンはリーグ戦こそ6位に終わりましたが、UEFAヨーロッパリーグ史上初の3連覇を達成しチーム力の高さを示しました。今シーズンはかつてブラジルのサントスでネイマールと並び称された逸材である元ブラジル代表のガンソや、イタリア代表のプレーメーカー、フランコ・バスケス、そして日本代表のファンタジスタ清武弘嗣を獲得し、戦力の充実を図っています。また、2013年から指揮を執っていたウナイ・エメリ監督が勇退し、元チリ代表監督のホルヘ・サンパオリ監督が後任に就任しました。ヨーロッパでの指導歴がない監督であるためその手腕は未知数ですが、南米屈指の名将との呼び声も高く、彼次第ではリーグ戦のダークホースとしてセビージャは無視できない存在になりそうです。
リーガ・エスパニョーラの得点王は?
優勝オッズと同様にブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」からリーガ・エスパニョーラ最多得点者オッズが発表されています。昨シーズンはバルセロナの2連覇を支えたスアレスが圧巻の40ゴールで頂点に輝きました。今シーズンはどの選手が栄冠をつかみ取るのでしょうか。
【リーガ・エスパニョーラ最多得点者オッズ】
※オッズは10日午後8時現在
最多得点者最有力候補はレアルマドリードのロナウドとバルセロナのメッシがともに2.87倍で並び立っています。僅差の3.00倍でバルセロナのスアレスが3番手に続いています。4番手は同じくバルセロナのネイマールで15.00倍、5番手はアトレティコマドリードのグリーズマンで17.00倍、6番手はレアルマドリードのベイルで26.00倍、7番手は同じくレアルマドリードのベンゼマで34.00倍となりました。上位候補は全てトップ3に所属する選手であるため、これら3クラブの戦況やチーム内における選手の序列等が、今季の最多得点者予想に大きく関わってくるでしょう。
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