南米リオデジャネイロの地では国の威信を賭けた熱い戦いが行われていますが、サッカーの準決勝が行われる8月13日には、欧州四大リーグの1つ「プレミアリーグ」が開幕します。昨シーズンは岡崎慎司擁するレスターシティが奇跡的な快進撃の末、見事王座に輝きました。シーズン前の優勝予想オッズは実に5001倍。誰一人として予想しえなかった快挙と言えるでしょう。今シーズンも再び波乱が巻き起こるのか?はたまた強豪チームが意地を見せて挽回のシーズンとするのでしょうか。
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いずれにしても、クラブの威信を賭けた熱く燃えたぎるような戦いが例年以上に繰り広げられることでしょう。イギリスの老舗ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」が今シーズンのプレミアリーグの優勝オッズを発表していますので、それを基に今シーズンの展望を紹介したいと思います。
【プレミアリーグ2016-2017優勝オッズ】
※オッズは10日午後7時現在
優勝候補筆頭は一昨年の王者マンチェスターシティでオッズは3.50倍、そして同都市のライバル・マンチェスターユナイテッドが4.00倍で後を追います。続いてチェルシーが6.50倍、アーセナルが7.00倍、リヴァプールが9.00倍、トッテナムが11.00倍となっています。昨年の王者にして日本のエースストライカー・岡崎慎司を擁するレスターシティは34.00倍の7番手、日本代表ディフェンス陣の要・吉田麻也を擁するサウサンプトンは151倍の10番手となりました。
マンチェスターシティ
昨シーズン4位に終わり、マヌエル・ペジェグリーニ監督が退任したマンチェスターシティはその後任として世界最高の監督の一人であり、バルセロナで数多のタイトルを獲得した名将ジョゼップ・グアルディオラを招聘しました。バルセロナ時代の教え子であるスペイン代表のノリートや、香川真司とともに“ファンタスティック4”と呼ばれたドルトムントのドイツ代表イルカイ・ギュンドアンのような即戦力に加え、内田篤人の同僚であるシャルケのレロイ・サネ、ブラジルU-23代表のガブリエウ・ジェズス、シェフチェンコ2世と呼ばれるウクライナ代表ジンチェンコなどの若き逸材を獲得して充実の陣容を示し、王座奪還の準備は整ったと見られます。
マンチェスターユナイテッド
数百億円の投資にも関わらずルイス・ファンハール監督の元で迷走を極め、昨シーズン5位に終わったマンチェスターユナイテッドは、今季その命運を名将ジョゼ・モウリーニョに託します。モウリーニョの盟友でもある最強の万能ストライカー、ズラタン・イブラヒモビッチやドルトムントのヘンリク・ムヒタリアンに加え、かつて下部組織に在籍しつつも手放してしまっていたポール・ポグバを実に150億円もの移籍金で出戻りさせることに成功しており、クラブの今シーズンに賭ける意気込みが伺えます。今季マンチェスターシティの監督に就任したグアルディオラ監督とモウリーニョ監督は、それぞれバルセロナとレアルマドリーの監督としてエル・クラシコを燃え上がらせたライバル関係にあり、繰り広げられるであろう熱く激しいマンチェスター・ダービーにもぜひ注目してみてください。
チェルシー
優勝を狙った昨シーズンはまさかの大乱調で当時のモウリーニョ監督が途中解任されるほどの事態に陥りました。鉄壁を誇った守備陣が崩壊し、攻撃の要エデン・アザールも大不調から抜け出すことができず、2003年のロマン・アブラモビッチ氏の買収によって金満クラブと化して以降最低の成績となる10位でフィニッシュしました。再起を誓うクラブは新監督として前イタリア代表監督のアントニオ・コンテを招聘しています。コンテは現役選手および指導者として長くイタリアのユベントスに在籍しており、組織的なサッカーの構築に長けている監督と言えるでしょう。ミラクル・レスターの守備の中心だったエンゴロ・カンテの獲得にも成功しており、来季のチェルシーが大きく生まれ変わることは間違いありません。
アーセナル
昨シーズンは優勝まであと一歩のところまで詰め寄ったものの、レスターシティの奇跡の前に屈して2位となったアーセナル。ティエリ・アンリやロベール・ピレスらを擁した黄金期以降長くタイトルと縁のなかったこのクラブも、ペトル・ツェフやメスト・エジルら近年補強した選手たちの成功もあっていよいよ念願のリーグ制覇に近づきつつあるのかもしれません。今シーズンもドイツのボルシアMGからスイス代表グラニド・ジャカの獲得が決定、またレスターシティの“魔術師”リヤド・マフレズの獲得に迫るなど積極的な強化策に出ており、期待が持てます。リオ・オリンピックで大活躍中の日本U-23代表浅野拓磨に対する評価も現地で高まりを見せていることから、日本人としては特に注目すべきクラブかもしれません。
リヴァプール
下部組織から昇格し、17年に渡りチームを支えた伝説の男スティーブン・ジェラードが対談して初めてのシーズンとなった昨季は、その不在を感じさせるかのようにチームの調子が上がらず、8位で終わりました。ブレンダン・ロジャース前監督も10月に解任され、不本意なシーズンとなりました。しかし、ドルトムントを世界トップクラスのクラブに押し上げ、香川との熱い師弟愛でも有名な名将ユルゲン・クロップが後任となりチームの立て直しは急速に進んでいます。オフシーズンから采配が取れる今季は8月のプレシーズンマッチでバルセロナに4対0で大勝するなど、優勝を狙う準備は整いつつあるのではないでしょうか。
トッテナムホットスパー
プレミアリーグ初優勝をレスターシティと激しく争うも終盤に失速して3位となったトッテナムは今シーズンこそ戴冠を狙います。エースストライカーのイングランド代表ハリー・ケインや同じくイングランド代表のデレ・アリらを中心に10代、20代の生きのいい若手を揃えるトッテナムはこれからさらに成長して、その地位を高めていくであろうことは間違いありません。経験が乏しい選手が多いだけに大崩れをする危険性もありますが、その分ハマった時には圧倒的な独走さえしかねないポテンシャルのあるチームです。
レスターシティ
昨シーズン、降格候補からのプレミアリーグ制覇という前代未聞の快挙を成し遂げ、その名を世界に轟かせた“ミラクル・レスター”ですが、その立役者クラウディオ・ラニエリ監督は今シーズンの目標は勝ち点40、すなわち残留であると明言しています。今シーズンはリーグ戦のみならずUEFAチャンピオンズリーグもあり、チームの負担が増大することが見込まれるため、昨季のような快進撃は難しいという目算でしょう。とはいえ、優勝オッズ5001倍からの優勝を成し遂げた昨シーズンの奇跡に比べれば、多くの人が十分に実現可能に思えるのではないでしょうか。日本が誇る気迫の侍ストライカー岡崎慎司の活躍にもぜひ期待したいところです。
プレミアリーグ得点王は?
優勝オッズと同様にブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」からプレミアリーグ最多得点者オッズが発表されています。昨シーズンはトッテナムの躍進を支えたケインが25ゴールで頂点に輝きました。今シーズンはどの選手が栄冠をつかみ取るのでしょうか。
【プレミアリーグ2016-2017最多得点者オッズ】
※オッズは10日午後7時現在
注目は4.50倍でトップに立つマンチェスターシティのセルヒオ・アグエロです。昨シーズンも24ゴールで得点ランキング2位、その前は26ゴールで得点王に輝いており、トップクラスの実績を誇ります。続いて昨シーズンの最多得点者ケイン、そしてマンチェスターユナイテッドに電撃加入したイブラヒモビッチの名前が挙がっています。残念ながら日本人フォワードの岡崎と浅野にはオッズが付けられていませんが、その事前評価を覆す活躍にぜひ期待したいところです。
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