今年の国際競馬レースを締めくくる「香港国際競走2015」が香港のシャティン競馬場で13日に行われます。日本からは10頭が香港カップ(2000㍍・芝)、香港マイル(1600㍍・芝)、香港スプリント(1200㍍・芝)、そして香港ヴァ-ズ(2400㍍・芝)のG1レースに参戦します。
香港国際競走での日本馬の大躍進となったのは2001年で、香港マイルをエイシンプレストン、香港カップをアグネスデジタル、香港ヴァーズをステイゴールドが優勝し、日本調教馬による同一開催日G1競レース3勝を成し遂げました。また、長らく日本馬が勝てていなかった香港スプリントでも2012年にロードカナロアが悲願の初制覇を遂げて4つのレースすべてを日本調教馬が制することになりました。今回の香港国際競走には3つのレースに10頭が参戦することになっています。
【香港国際競走2015日本調教馬の参戦レース】
<香港マイル>
ダノンプラチナ、フィエロ、モーリス
<香港カップ>
エイシンヒカリ、サトノアラジン 、ステファノス、ヌーヴォレコルト
<香港スプリント>
サクラゴスペル、ストレイトガール、ミッキーアイル
香港マイル2015(G1、1600㍍・芝=発走時間13日16:50)
2005年の日本調教馬であるハットトリックが勝利して以来、地元・香港馬が9連勝中の香港マイルは、連覇を狙う香港馬のエイブルフレンドと日本調教馬のモーリスとの一騎打ちになりそうな気配です。アイルランドの老舗ブックメーカー「Paddy Power」が単勝オッズを発表していますので見てみましょう。
【香港マイル2015単勝オッズ】
※オッズは10日午後3時現在
1番人気はエイブルフレンドで2.25倍、2番人気はモーリスの4.50倍となっています。日本から参戦のフィエロは5番人気の11.00倍、3歳馬のダノンプラチナは9番人気の17.00倍となっています。やはり、エイブルフレンドとモーリスの勝負になるのではという見方が強いようです。
ライアン・ムーア騎手が騎乗するモーリスは今年春の安田記念(G1、1600㍍・芝)と秋のマイルチャンピオンシップ(G1、1600㍍・芝)と立て続けに勝利し、まさしく日本のマイル王として香港に乗り込んでいます。前走のマイルチャンピオンシップではムーア騎手との2度目のタッグながら直線一気の見事な差し切りでその強さを見せつけました。
【マイルチャンピオンシップ2015】
本当ならば香港カップへとかじを切ろうとしていたモーリスですが、マイルチャンピオンズシップのレースを終えた世界のムーア騎手がモーリスを絶賛。「海外で数多くのG1レースを勝っているけど、モーリスはマイラーとしてその中でも間違いなくトップクラスの能力」とマイルの強さに百戦錬磨の世界トップジョッキーが太鼓判を押したことで、マイルで世界の舞台へ挑戦することとなりました。
このモーリスを迎え撃つのは、2014―15年シーズンの香港年度代表馬であるエイブルフレンドです。今夏の札幌で行われたWASJで見事に優勝して勢いに乗るジョ本アン・モレイラ騎手が騎乗します。前走となる11月に行われたジョッキークラブマイルでは3位に終わり、連覇に向けて黄色信号かと思われましたが、「すごく能力の高い馬で何も心配はいらない」とモレイラ騎手はその不安を一掃しました。香港勢の10連覇がかかる今回のレースで香港馬の強さを世界中のファンに見せつけることができるのでしょうか?
【香港マイル2014(優勝:エイブルフレンド)】
香港カップ(G1、2000㍍・芝=発走時間13日17:30)
香港国際競走のメーンレースである香港カップは、1995年のフジヤマケンザン、1998年のミッドナイトベッド、そして2001年のアグネスデジタル以来14年ぶり4頭目の日本調教馬優勝を狙います。ブックメーカー「Paddy Power」が発表した単勝オッズを見てみましょう。
【香港カップ2015単勝オッズ】
※オッズは10日午後3時現在
優勝最有力と目されているのはフリーイーグルで3.75倍のオッズが付いています。2番手にはアイルランド馬のデザインズオンロームで6.50倍、3番手にはブレイジングスピードとミリタリーアタックで8.00倍のオッズとなっています。日本馬ではこれらに続いてヌーヴォレコルトが5番人気となる9.00倍のオッズとなっています。その他の日本調教馬ではステファノスとサトノアラジンが17.00倍、エイシンヒカリが21.00倍のオッズが付いています。
14年ぶりの日本調教馬快挙の期待を背負うヌーヴォレコルトですが、こちらもムーア騎手が騎乗します。言わずと知れた昨年のオークス馬で、前走のエリザベス女王杯(G1、2200㍍・芝)では1番人気ながら惜しくも2着に敗れ、この香港カップにその雪辱をと気合が入っています。長くコンビを組む岩田康誠騎手は首差で敗れたエ杯後に「自分の技術が足りないか。位置取りは決めず、自分のペースを守って強い競馬はしてくれているのだけど…」とコメントしていました。もし、敗因が技術不足ということであれば今回のムーア騎手とのコンビで国際G1初勝利も十分に可能なのではないでしょうか。
ヌーヴォレコルトに立ちはばかるのでは、6月のプリンスオブウェールズ(G1、2000㍍・芝)を制して、凱旋門賞2015(G1、2400㍍・芝)6着のフリーイーグルや、3月の香港金杯(G1、2000㍍・芝)の勝ち馬でシャティン競馬場を主戦場にしているデザインズオンローム、4月のクイーンエリザベス2世カップ(G1、2000㍍・芝)を制したブレイジングスピード、11月のジョッキークラブカップ(G2、2000㍍・芝)の勝ち馬であるミリタリーアタックなど強敵がひしめいています。
日本調教馬が強力ライバルたちを蹴落として、国際舞台での飛躍となるのでしょうか?
香港スプリント(G1、1200㍍・芝=発走時間13日15:40)
ロードカナロアが日本調教馬としては唯一勝っている香港スプリント(2012年と2013年連覇)。そのロードカナロアに続く日本馬は誕生するでしょうか?ブックメーカー「Paddy Power」がオッズを発表しているので確認してみましょう。
1番人気はゴールドファンで2.75倍、英語で“貧困恐怖症”を意味するペニアフォビアが5.00倍となっています。そして3番人気には10月のスプリンターズステークス(G1、1200㍍・芝)を戸崎圭太騎手とのコンビで制した日本馬のストレイトガールが7.50倍のオッズで前の2頭を追走しています。昨年のNHKマイルカップ(G1、1600㍍・芝)を制したミッキーアイルは17.00倍、スプリンターズステークスで2着となったサクラゴスペルは21.00倍のオッズとなっています。
【スプリンターズステークス2015】
香港ヴァ-ズ(発走時間13日15:00)を含めた香港国際競走2015の全4レースのオッズや詳細情報は、「ブックメーカー情報局(英語版)」で配信しておりますので、ぜひ下記をご覧いただければと思います。
◆【Paddy Power】The Horse Racing World Descends on Hong Kong! Who will Outlast the Field at the HKIR?
また、香港国際競争の単勝オッズは、ブックメーカー「William Hill(ウィリアムヒル)」や「bet365」などでも発表されていますので、あなたの“マイブックメーカー”をチェックして、今週末は香港で競馬を楽しんでみてはいかがでしょうか?