松山英樹の全米オープンが幕を開ける!
メジャー第2戦「第114回全米オープンゴルフ選手権」が日本時間の12日午後7時45分から、アメリカ・ノースカロライナ州のパインハーストリゾートナンバー2(7562ヤード、パー70)で開かれます。
まずは、松山の快挙「米ツアー初優勝」となった2週間前に行われたメモリアル・トーナメントを振り返りましょう。ケビン・ナとのプレーオフを制しての渾身のガッツポーズに、思わず目頭を熱くしたファンも多いのではないでしょうか?
【松山英樹、米ツアー初優勝(メモリアルトーナメント)】
5月のクラウンプラザインビテーショナルから優勝争いを演じてきた松山が、ついに頂点に立った瞬間でした。米ツアーを制した松山が次に期待されるのは、ただ一つです。
「メジャー制覇」
全米オープンのコースと言えば、超難コースというイメージがあります。今年は短く刈り込まれましたが10センチ近くある深いラフに高速グリーンと、多くのトップゴルファーを苦しめています。優勝者のスコアがイーブンパー前後に毎回収まるほどです。昨年の覇者であるジャスティン・ローズも1オーバーでした。
メモリアル・トーナメントで優勝した松山への“全米オープン制覇”への期待は、もはや日本だけではありません。ローズは松山をこう評しています。「飛距離も出るし、球も高く、パットもうまいんだからメジャーで勝てる要素をすべて兼ね備えている」。
また、4月のマスターズで2度目の優勝を飾ったレフティーのバッバ・ワトソンは「(22歳と)若くてとてもグッドな選手。今週末(全米オープン)も含めてメジャーで勝てるチャンスはある」と称賛していました。もはや、日本の松山ではなく、世界の松山へと変貌を遂げていると言っても過言ではないでしょう。
さらに、毎回恒例となっているPGAツアー公式ホームページが発表している「パワーランキング」(優勝選手を予想するもの)で松山は8位にランクされていました。その主な理由としては、昨年の全米オープンで10位になった実績と、スクランブリング率(パーオンが出来なかった時にパー以上でそのホールを終える確率)で23位、アジャステッドスコア(コースの難度を加味してスコアを調整した値)では16位タイであることが高く評価されました。「ピンチに強く、安定感がある」というのが松山の強さと言えますね。
優勝予想と言えば、やはり「ブックメーカー」(スポーツブック)を見ないわけにはいきません。日本語対応のブックメーカー「NetBet」が全米オープンの優勝オッズを発表しているのでご紹介しておきましょう。
優勝候補の筆頭は、世界ランク6位で2011年の全米オープンでは2位に8打差をつける大差でメジャー初制覇を遂げたローリー・マキロイです。ほとんど差がなく、世界ランク1位のアダム・スコット、そして全米が注目する昨年の全英オープン覇者のフィル・ミケルソンが続きます。
大注目の松山は13番目に位置しており、オッズは41.00倍となっています。昨年のメジャー大会では、とりわけ100倍以上のオッズが付いていた松山の評価が大きく上がっていることがわかります。
その松山は今回の全米オープンについても“らしさ”を貫いています。「普通に練習ラウンドして、普通に今まで通りやる」。言葉数の少なく、彼らしい気負いのなさが逆に私たちの期待感を否が応にも高めてしまいます。
松山は、タイガー・ウッズ以来の全米ジュニア・アマチュア選手権を複数回優勝している20歳の若き新鋭、ジョーダン・スピースとリッキー・ファウラー(ともに米国)と同組で回ります(日本時間の12日午後9時13分スタート)。松山への期待はこの組み合わせにも表れていますね。「松山対スピース」という日米を代表する若手ゴルファーの対決も見ものです。ブックメーカー「NetBet」もこの両者の対決にオッズを発表しています。
【1対1勝者オッズ(第1ラウンド・初日)】
・スピース勝利:1.74倍
・松山勝利:2.00倍
※オッズは12日午後1時現在
松山のメジャー初優勝も期待していますが、個人的にはフィル・ミケルソンの全米オープン初制覇&4大メジャー生涯グランドスラム達成も見てみたいですね。メジャー大会で唯一勝てておらず、6度の2位を経験しているミケルソンは「4つのメジャーで勝つことが私のキャリアのゴールだ」と言うほど、この全米オープンに意気込んでいます。
さあ、待ったなしの全米オープンが始まります。同時にブラジルW杯も始まりますが、アメリカでも熱い試合が今週末繰り広げられます。
【全米オープンゴルフ2013ダイジェスト(優勝:ジャスティン・ローズ)】
<関連記事>
・メジャー初戦「マスターズ」が10日開幕!ケガ人続出で優勝争いは混迷―アダム・スコットの連覇か!?3度目出場の松山英樹に期待!!