日本にカジノは誕生するのか?そして、ギャンブルが合法へと進むのか?今月29日から招集が予定されている臨時国会で、今年の通常国会で審議入りした「IR法案」(通称:カジノ法案)が継続審議され、各種メディアの見解を総合すると同法案は可決されると見込まれている。この「IR法案」が可決されれば、東京五輪が行われる2020年に間に合わせる形で、日本にカジノが創設されるようになるだろう。
この秋は日本のギャンブルに対する考え方や価値観、意見などがこれまで以上に議論され、国民の関心も高まるのは間違いなさそうだ。そして、アメリカのラスベガスや、中国のマカオ、シンガポールなどでカジノ経営を行っている外資企業が次々と来日し、日本のカジノ開設に参入しようと積極的に資金調達や関係者との折衝が盛んに行われている。
「ブックメーカー情報局」はこの動きに素早く反応し、これまでスポーツの勝敗などについてベッティングして楽しむブックメーカー(スポーツブック)について様々な情報を発信し、スポーツの新しい楽しみ方を提供してきた。現在行われているアジア大会や世界バレーなど世界中で行われているスポーツのオッズ情報などを、信頼性の高いブックメーカーから厳選してお届けしてきた。
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アジア大会:
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世界バレー:
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そこで、読者の方々から質問を受けたのが「ブックメーカーをやっても大丈夫ですか?」というものだ。日本中には数えきれないほどのスポーツファンがいて、スポーツの勝敗や好きな選手の動向などの情報を求めている。そして、スポーツベッティング(スポーツの賭け)にも参加したいと思っているけど、果たしてやっていいものなのかというところで立ち止まっている人が多いのではないか?
これに関して意見は三者三様であり、法律に詳しい弁護士の間でも議論が分かれている。ただ、ひとつだけ言えることは「ブックメーカー(スポーツブック)でベッティングを明確に規制する法律が存在しない」ということだろう。
いわゆる“賭博”に関しての法律は、日本の刑法第185条から187条で規定されているが、この刑法は今から100年以上前となる明治40年(1907年)4月24日に公布され、明治41年(1908年)10月1日に施行されたものである。当然のことながら、インターネットを介してのブックメーカーやオンラインカジノでのベッティングについては触れられていない。
賭博に関する日本の法律では、原則として賭博を開帳している者(胴元)と賭博をプレーしている者の両者を同時に立件するのが基本である。しかしながら、ブックメーカー(スポーツブック)が海外の政府のライセンスを受けて合法的に運営されているのであれば、胴元であるブックメーカーを罪に問うことは出来ないため、これまで海外でライセンスを受けているブックメーカーでプレーをして罰せられたという事例は報告されていない。
また、Wikipedia(ウィキペディア)によると、刑法第2条および第3条の規定により「日本の刑法における賭博罪には国外犯の適用が無い為、日本人が日本国外でオンラインカジノをプレーしたとしても、日本法に基づき罰せられることはない」としている。したがって、ブックメーカーで遊ぶことはグレーゾーンながらも刑罰の対象にはなっていないのであろう。
加えて、インターネットの特性という意味でも取り締まりができないという事情もあるようだ。ラスベガスなどを抱えるアメリカでのオンラインギャンブルの合法化は進んでいるが、その原動力になっているのがオンラインカジノを規制することが「WTO協定違反」としたイギリス連邦加盟国でカリブ海の小島のアンティグア・バーブーダの訴えによるものだ。つまり、オンラインギャンブルを規制することは「自由貿易に反する」という裁定が下っているというものである。
日本で唯一のカジノ専門雑誌である「CASINO japan」(2014 Vol. 29)によると、日本も「自由貿易に反する」とする裁定を支持する立場を取っているので、オンラインにおけるカジノやブックメーカーを規制することは不可能であり、もし規制すれば自由貿易に抵触する可能性があるのではないかとの見解を示している。
「ブックメーカー情報局」は今年の9月より、オンラインカジノの情報提供サービスを開始している。キュラソー政府のオンラインゲーミングライセンスを取得して合法的に運営している「ドリームカジノ 」に、日本でプレーしても大丈夫かという皆さんの疑問を投げかけると、以下のような回答を得たので紹介したい。
“こちらの運営はキュラソー政府の認可を取り運営させて頂いております。そもそも日本の法律適用外で御座います。感覚としては海外のランドカジノに遊びに行かれるものをネット上で行って頂いている感覚ですね。それも違法となりましたらオンラインカジノも違法になるのではないでしょうか”
日本におけるオンラインギャンブル、ブックメーカーやカジノなどをオンラインで楽しむことは現在のところ可能である。今後、「カジノ法案」が通過し、日本にカジノがオープンする過程の中で、「オンラインカジノ」「オンラインブックメーカ」についての明確な法律を作るなどの法整備が急務となるであろう。
海外からのオンラインカジノ、ブックメーカーの大きな波が日本にこれまで以上に押し寄せてくることは間違いない。今年11月にはオンラインカジノを題材にした映画「ランナーランナー」が日本で公開される。このころはちょうど日本で「カジノ法案」が最終議論に入っていることだろう。
ちなみに“ランナーランナー”とは、ポーカー用語で「最後の2枚のカードで大逆転すること」だ。スポーツでもこの大逆転があるから多くの人々を魅了するのだろう。
この秋、日本でたくさんの“ランナーランナー”が起きることを願ってやまない。
【「ランナーランナー」予告編】